OxfordClubマガジン投資情報米国株入門米国配当株投資配当株投資金融リテラシー

米国配当株投資 | 投資家が自問すべき 第一の質問

先日、私より少し年下の友人とこんなやりとりをしました。

彼の担当ファイナンシャル・アドバイザーが、

「今後の弱気相場(ベアマーケット)に備え、株式を売り、債券ファンドに切り替えるべきだ」

と勧めてきたそうです。彼は私がどう思うかと尋ねました。

私は、「それは聞いた中で一番ばかげた話だ。そのアドバイザーは今すぐ解雇すべきだよ」と回答。

驚いた様子の友人を前に、私はこう続けました。

「その人に、どうして今後弱気相場が来るとわかるのか?」

どれだけ頭の良い経済学者や銀行家、投資家、トレーダーであっても、
正確に市場の動きを予測するのは不可能です。

にもかかわらず、銀行に勤めている電話営業の人間が、弱気相場が来ると断言できるのでしょうか?

そこで私は、すべての投資家が自分に問いかけるべき、もっとも重要な質問を彼に投げかけました。

「もし弱気相場になったら、自分にどんな影響があるか?」


市場にとどまる



1900年以降、米国株式市場は
年間平均およそ9.9%のリターンを記録しています。

これは、小規模な調整や通常の下落相場、
さらには大恐慌、ITバブル崩壊、リーマン・ショックのような
大規模な暴落も含めた平均値です。

このほぼ二桁の年間リターンを得るためには、
市場にとどまり続けることが重要です。

とはいえ、もし近い将来にお金が必要な状況であれば話は別です。


3年以内に使うお金は確保しておく


私たちは常に

「3年以内に使う予定のお金は株式市場に投資しないように」

と伝えています。

それは弱気相場が来ると予想しているからではなく、
たとえ好調な相場であっても同じ助言をします。

なぜなら、何が起こるかは誰にも分からず、近い将来に必要な資金を高リスクにさらすべきではないからです。

私の友人は40代で、退職までは20年ほどあります。

仮に今後3年間、市場が低迷し続けたとしても、彼が住宅ローンを支払えなくなったり、
食費に困ったりすることはありません。


一貫性を保つ


もちろん、資産額が目減りするのを見るのは誰でも不快です。

そんなときには悲観的になり、支出を控えたくなるかもしれません。

しかし、その下落が生活に直接的な影響を与えないのであれば、市場が下がっていることだけを理由に
投資行動を変えるのは大きな誤りです。

理由は次のとおりです。

  • 人は決して相場の底に近いところで買い直すことはできない
  • 「一度売って、もっと下がったら買い戻そう」と考えても、実際にはできない

底値で買う唯一の方法は、
継続的な投資ルールを決め、それを守ることです。

たとえば、相場の状況にかかわらず、毎月または四半期ごとに定期的に
投資する方法などがそれに当たります。

下落を恐れて売却すれば、次の上昇局面には乗り遅れるでしょう。

そして再び投資する勇気を持てないまま、長い時間が過ぎてしまいます。

これは人間の自然な心理です。


【まとめ】特別な行動はとらない


数年以内に弱気相場が生活に悪影響を与えないのであれば、
市場のニュースを気にせず、
特別な行動を取らない(むしろ資金を追加投入する)ことをおすすめします。

一方で、下落相場によって生活に支障が出る場合は、必要な資金を現金や債券など、
元本が確保される比較的安全な資産に移しておくべきです。

「弱気相場が自分にどんな影響を与えるのか?」

という問いに答え、それに応じた行動を取る。

そうすることで、たとえそれが「何もしない」という選択であっても、
それによって下落相場への不安は大きく和らぐはずです。

良い投資を

 

P.S.

今回の記事はいかがでしたか?

あなたの資産形成に少しでもお役立ていただければ幸いです。

Oxford クラブでは、このような記事を33万人のメールマガジン会員様に毎日無料でお届けしております。

公式サイトからでも1週間にお届けする7つの記事のうち4つはお読みいただけますが、3つはメールマガジン会員様に宛てたものとなっております。

毎日2分メールをお読みになるだけで、少しずつ米国株による資産形成のコツを身に付けていただけるでしょう。

『米国Oxford クラブのNo.1ストラテジストアレックス・グリーンが教える人生を変えるたった一つの銘柄』

20年前にアップル、アマゾン、エヌビディアを見つけ出したアレックスが選ぶ 7つの銘柄
次のマグニフィセント・セブン

→メルマガ登録で無料プレゼント

Marc Lichtenfeld(マーク・リクテンフェルド)

Oxford Club チーフ・インカム・ストラテジスト。ウォール・ストリートを含め25年の経験のある配当投資の専門家。「Get Rich with Dividends(邦題:日本人の知らない秘密の収入源 年100回配当投資術)」著者。2013年に配当投資の専門誌Oxfordインカム・レターを創刊し、世界中に読者を持ち有料購読者は8万人を超える。FOX、CNBC、Forbesなどの有名メディアはもちろん、BloombergやBarrons、The Wall Street Journalといった権威ある金融専門メディアにも多数出演。 マークの記事一覧 ≫

関連する記事

Back to top button