
先日、私より少し年下の友人とこんなやりとりをしました。
彼の担当ファイナンシャル・アドバイザーが、
「今後の弱気相場(ベアマーケット)に備え、株式を売り、債券ファンドに切り替えるべきだ」
と勧めてきたそうです。彼は私がどう思うかと尋ねました。
私は、「それは聞いた中で一番ばかげた話だ。そのアドバイザーは今すぐ解雇すべきだよ」と回答。
驚いた様子の友人を前に、私はこう続けました。
「その人に、どうして今後弱気相場が来るとわかるのか?」
どれだけ頭の良い経済学者や銀行家、投資家、
正確に市場の動きを予測するのは不可能です。
にもかかわらず、銀行に勤めている電話営業の人間が、弱気相場が来ると断言できるのでしょうか?
そこで私は、すべての投資家が自分に問いかけるべき、もっとも重要な質問を彼に投げかけました。
「もし弱気相場になったら、自分にどんな影響があるか?」
市場にとどまる
1900年以降、米国株式市場は
年間平均およそ9.9%のリターンを記録しています。
これは、小規模な調整や通常の下落相場、
さらには大恐慌、ITバブル崩壊、リーマン・ショックのような
大規模な暴落も含めた平均値です。
このほぼ二桁の年間リターンを得るためには、
市場にとどまり続けることが重要です。
とはいえ、もし近い将来にお金が必要な状況であれば話は別です。
3年以内に使うお金は確保しておく
私たちは常に
「3年以内に使う予定のお金は株式市場に投資しないように」
と伝えています。
それは弱気相場が来ると予想しているからではなく、
たとえ好調な相場であっても同じ助言をします。
なぜなら、何が起こるかは誰にも分からず、近い将来に必要な資金を高リスクにさらすべきではないからです。
私の友人は40代で、退職までは20年ほどあります。
仮に今後3年間、市場が低迷し続けたとしても、彼が住宅ローンを支払えなくなったり、
食費に困ったりすることはありません。
一貫性を保つ
もちろん、資産額が目減りするのを見るのは誰でも不快です。
そんなときには悲観的になり、
しかし、その下落が生活に直接的な影響を与えないのであれば、市場が下がっていることだけを理由に
投資行動を変えるのは大きな誤りです。
理由は次のとおりです。
- 人は決して相場の底に近いところで買い直すことはできない
- 「一度売って、もっと下がったら買い戻そう」と考えても、実際にはできない
底値で買う唯一の方法は、
継続的な投資ルールを決め、それを守ることです。
たとえば、相場の状況にかかわらず、毎月または四半期ごとに定期的に
投資する方法などがそれに当たります。
下落を恐れて売却すれば、次の上昇局面には乗り遅れるでしょう。
そして再び投資する勇気を持てないまま、長い時間が過ぎてしまいます。
これは人間の自然な心理です。
【まとめ】特別な行動はとらない
数年以内に弱気相場が生活に悪影響を与えないのであれば、
市場のニュースを気にせず、
特別な行動を取らない(むしろ資金を追加投入する)
一方で、下落相場によって生活に支障が出る場合は、必要な資金を現金や債券など、
元本が確保される比較的安全な資産に移しておくべきです。
「弱気相場が自分にどんな影響を与えるのか?」
という問いに答え、それに応じた行動を取る。
そうすることで、たとえそれが「何もしない」という選択であっても、
それによって下落相場への不安は大きく和らぐはずです。
良い投資を
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