
先週は、不安定な市場で冷静さを保つ4つの方法についてお話ししました。
それから市場は、さらに不安定になっています。
週末、私の知人が最近の市場の乱高下をとても心配していました。
彼女は株式に投資しているものの、資産の大部分を米国債に振り向けています。
私は彼女に
「5%の下落で夜も眠れないほど不安になるなら、市場にいるべきではない」
と伝えました。
しかし、彼女は
「株式市場の成長によるリターンが必要」
だと反論しました。
つまり、市場の成長は享受したいが、リスクは取りたくないということです。
多くの人がこのジレンマに直面します。
株式市場ほど、高いリターンを提供する投資先はほとんどありません。
市場は長期的に年平均8~10%の成長を遂げてきましたが、その成長は一直線ではありません。
例えば、2023年と2024年は市場が20%以上の上昇を記録しましたが、2022年には約20%の下落を経験しました。
将来的には、それ以上に厳しい年もあるかもしれません。
投資の時間軸を意識する
私は彼女に、保有する米国債の規模を考えれば十分安全だと伝えました。
債券からの固定収入だけでも、今後数年間の支払いには問題ないはずだからです。
「投資の時間軸を考えること」は非常に重要でありながら、見落とされがちなポイントです。
株式市場に投資したお金を使うまでに数年以上の時間があるなら、市場の日々の値動きに一喜一憂する必要はありません。
たとえ弱気相場(ベアマーケット)に入っても、10年以上先まで資金を引き出さないなら、大きな影響はないでしょう。
むしろ、弱気相場の間に買い増しをすれば、将来的に大きな利益を得る可能性があります。
一方で、数年以内に必要になる資金を市場に置いておくのはリスクが高すぎます。
私は常に「3年以内に必要なお金は市場から引き上げる」ことを推奨しています。
3年の間に何が起こるか分かりません。
歴史的に見ても、弱気相場は1年未満で終わることが多いですが、万が一に備えて慎重に判断するべきです。
具体的な資産管理の例
市場で大きな損失を負いたくない場合、購入価格の下にトレーリングストップを設定しましょう。
Oxford クラブでは、25%のトレーリングストップを使用します。
トレーリングストップとは、株価が下がった際、自動的に株価を売却すると仕組みのことです。
例えば、株を100ドルで買い、25%のトレーリングストップを設定した場合、
- 最初のストップ価格は75ドル
- 株価が120ドルに上昇した場合、ストップ価格は90ドルに上がる
この戦略により、大きな損失を避けることができ、ストップ価格が購入価格を超えれば利益も守られます。
また、Oxford クラブでは、各ポジションがポートフォリオ全体の最大4%を占めるようにすることを推奨しています。
これにより、仮に25%の損失でストップアウトされた場合でも、ポートフォリオ全体の下落は1%にとどまります。
これなら、簡単に取り戻せます。
【まとめ】長期投資の視点を持つ
市場は長期的には成長していくものです。
短期的に不調が続くことはあっても、100年以上の歴史を見れば、そのトレンドが変わる可能性は低いでしょう。
投資の時間軸をしっかり考えましょう。
必要なら資産を3つのバケット(資金の用途ごとに分けたグループ)に分け、
- 「短期」
- 「中期」
- 「長期」
それぞれのバケットを自分のニーズに応じて調整するのが賢明です
市場の動向に振り回されるのではなく、自分の計画に基づいて運用しましょう。
こうすることで、投資に対するコントロール感が生まれ、不安も軽減されます。
結果として、安心して眠れるようになり、資金を確保しながら市場の成長も享受できるのです。
良い投資を。
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