米国配当株投資

暗号資産の考察

先日、友人の誕生日を祝う集まりがありました。

集まった友人の一人は最近、暗号資産関連のビジネスで働き始め、ナッシュビルで行われたビットコインカンファレンスから戻ってきたばかりでした。

そのカンファレンスでは、トランプ前大統領が米国を「地球上の暗号資産の首都」にしたいと発言しました。

私は暗号資産を懐疑的に見ています。

なぜなら…

・代替通貨としての役割を期待されているが、未だ実際の通貨としてはほとんど使われていないこと
・価格変動が非常に大きいため、価値の保存手段になり得るかどうか

などの疑問があるためです。

そこで、その友人に暗号資産に対する疑問を投げかけました。

もちろん、彼のビジネスを批判しているのではありません。

自分が間違っている可能性がある部分を見つけて学ぶためです。

もう一人の暗号資産に肯定的な友人も、その議論に参加しました。

彼は

「ビットコインは金(ゴールド)と同じような価値の保存手段だ。

と言います。

「しかも、金の延べ棒よりも保存、運搬、取引が簡単だ。」と。

彼が主張するように、暗号資産は価値の保存手段なのでしょうか?

そうなる可能性はあるでしょう。

誰かが通貨、商品、またはサービスと引き換えたいと思えるようなもの。

例えば、プレミアがついた漫画本、野球カード、希少コイン、切手、芸術作品などのように

人々がそれを価値の保存手段と認めれば、それは価値の保存手段です。

実際、金の延べ棒にはほとんど実用性がありません。

しかし、社会がそれを2,000ドルの価値があると認めれば、その瞬間にそれは2,000ドルの価値を持ちます。

ビットコインについても同じことが言えます。
 

次に、実用性、つまり実際に取引に使われているかどうかも考えてみましょう。

非常に少数の個人や企業がビットコインで取引していますが、その数は増えつつあります。

トランプは選挙キャンペーンで2,500万ドルの暗号資産寄付を受け取りました。

その結果、彼は暗号資産の肯定派に変わったようです(彼の大統領在任中には暗号資産に反対していました)。

また、暗号資産は国境を越えた取引にも容易に使用できます。

米国に住む人が国際送金サービスを使って他の国に住む家族に送金する場合には、多額の手数料を支払う必要がありました。

しかし、暗号資産を親戚のデジタルウォレットに転送することで、1ドル以下の手数料で送金できます(ただし、暗号資産が唯一の手段という訳ではなく、PayPalなどのサービスを通じて簡単に送金することもできます)。

また、通貨取引がデジタルに移行するにつれ、持ち歩く現金や、自宅に保管しておく現金の量も減りつつあります。

そして現在、暗号資産はデジタル化された通貨とそれほど差が無くなってきています。

友人たちとの議論を経ても、私は暗号資産には懐疑的です。

しかし、暗号資産に対する私の考えは日々進化しており、

これからも暗号資産に関する調査を続けることを楽しみにしています。

少なくとも、それは有益な学びとなるでしょう。

人の考えは変わることがあります。

私は以前、芽キャベツが嫌いでしたが、今では大好物です。

暗号資産に対しても同じことが起こるのでしょうか?

私自身が楽しみにしています。

 

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Marc Lichtenfeld(マーク・リクテンフェルド)

Oxford Club チーフ・インカム・ストラテジスト。ウォール・ストリートを含め25年の経験のある配当投資の専門家。「Get Rich with Dividends(邦題:日本人の知らない秘密の収入源 年100回配当投資術)」著者。2013年に配当投資の専門誌Oxfordインカム・レターを創刊し、世界中に読者を持ち有料購読者は8万人を超える。FOX、CNBC、Forbesなどの有名メディアはもちろん、BloombergやBarrons、The Wall Street Journalといった権威ある金融専門メディアにも多数出演。 マークの記事一覧 ≫

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