米国配当株投資

あなたの資産、毎年増えていますか?

「どれくらいインフレを心配すればいいのか?」

最近、私の弟がそう聞いてきました。

私は1986年に公開された映画『ザ・フライ』でジーナ・デイビスが演じた人物のように「怖がれ。とても恐ろしいよ」と答えました。

もちろん、冗談半分ですが。

2021年11月現在の米国のインフレ率は約5.4%で、過去30年間で最も高い水準となっています。

パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長やイエレン財務長官などの政府関係者は、おおよその予想として、インフレは一時的なものだと述べています。

次号のOxford インカム・レターでも、高まるインフレとその対策について取り上げる予定です。

サプライチェーンの問題から供給量が制限される中、需要が増加することにより、店の棚が空になるだけでなく、労働者の賃金上昇も引き起こしています。さらに、政府による財政支出の追加と金融での混乱によって、物価はさらに上昇するでしょう。

インフレは寄生虫のようなものです。ある日、目が覚めて病気だと分かるまで気がつきません。ただし、この場合、被害を受けるのは「資産」です。

過去のデータから計算した1914年から2021年までの米国のインフレ平均率は約3.24%です。

これは大した数値ではありません。しかし、5年間のインフレ率が平均である3.24%の場合、以前は1,000ドルで買えていた物が、1,172ドルになります。つまり、同じ商品やサービスを買うために17%ほど多くのお金が必要になるのです。

インフレ率が5.4%になると、さらに30%のお金が必要になります。

私の弟は次にこんな質問をしてきました。

「じゃあ、どうしたらいいのだろう?」

私は「資産のどの部分について言っているのかによる」と説明しました。

現金をどうするかということと、長期的に保有する資産をどうするかということは全く違うからです

インフレから資産を守るために、彼(そしてあなた)ができることを2つご紹介しましょう。

 

長期資産


長期資産としては、永続的な増配銘柄への投資を推奨します。これらは毎年増配している銘柄です。

これによってインフレ率よりも高い率で配当金が増えれば、購買力を高めることができるでしょう。

毎年1%の増配をしているだけではあまり意味がありませんので、継続的に大幅な額の増配を行っている実績のある企業を探してみましょう。

私がOxford インカム・レターでご案内している銘柄の中には、26年間毎年増配しているものも存在します。

過去10年間の配当金の複利成長率は年間10.9%です。このような成長率によって投資家は上昇し続けるインフレにも十分に対応できるでしょう。

 

短期資産


短期資産については、十分なインフレ対策ができないため厳しい状況になります。

現金が1年以内位に必要になる短期資産に関しては、ある程度のリスクを負わなければ5%以上の利益を得ることはできないでしょう。

もっと良い回答があればいいのですが、短期資産についてはある程度のリスクを負わない限り、良い答えなどは見つかりません。

私は2021年から2022年にかけて、インフレ率はさらに上昇すると予想しています。あなたができる経済面での重要な対策として、今後数年間購買力を確実に維持することだと考えています。

良い投資を。

マーク

Marc Lichtenfeld(マーク・リクテンフェルド)

Oxford Club チーフ・インカム・ストラテジスト。ウォール・ストリートを含め25年の経験のある配当投資の専門家。「Get Rich with Dividends(邦題:日本人の知らない秘密の収入源 年100回配当投資術)」著者。2013年に配当投資の専門誌Oxfordインカム・レターを創刊し、世界中に読者を持ち有料購読者は8万人を超える。FOX、CNBC、Forbesなどの有名メディアはもちろん、BloombergやBarrons、The Wall Street Journalといった権威ある金融専門メディアにも多数出演。 マークの記事一覧 ≫

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