大手銀行決算から見る決算トレンド

米国では2023年1 – 3月期決算発表が本格化してきました。
先週には米銀最大手のJPモルガン・チェースが決算を発表。
3月に米地銀シリコンバレー銀行(SVB)が破綻し、米銀からの預金流出が懸念される事態に陥ってから初めての銀行決算として注目を集めていました。
結果は純利益が前年同期比52%増の126億ドル(約1兆6,700億円)と、金利上昇により利ざやが改善し、消費者部門などで金利収入が大幅に増え、好調な決算となりました。
一方で景気見通しの悪化を勘案し、融資の焦げ付きに備える貸倒引当金や貸倒損失を合わせた不良債権処理費用(信用コスト)の計上額は前年同期比56%増の22億ドル。
SVBの破綻影響を全く受けていないわけではないですが、JPモルガン・チェースのような世界的な大手銀行は、ビジネスを行なっている地域、顧客層、ビジネスの分散化や、地銀から流出した資金の受け皿となるなど、追い風の影響を受ける形にもなっています。
この決算を受けて、JPモルガン・チェースの株価は前日比で7.55%上昇。
これはコロナ禍の2020年3月来の大きな上げ幅です。
ジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は米経済について
「個人の消費意欲や財務状況は強く、企業活動は健全な状態が続いている」
と述べる一方で、先行きについては
「昨年から注視してきた嵐を呼ぶ雲はいまだ地平線上にとどまる」
「銀行業界の混乱が(景気後退の)リスクを強めている」
と警戒する姿勢も見せています。
1 – 3月期決算全体を見てみると、2023年4月17日時点でS&P500構成銘柄のうち6%の企業が決算を発表。
決算発表済みの企業のうち90%の企業で1株当たり純利益(EPS)が市場の事前予想を上回る決算を発表しています。
もちろんこの発表だけで1 – 3月期の決算発表の傾向を掴むことはできません。
しかし1 – 3月期のマクロ環境は10 – 12月期よりも企業業績にプラスに作用するものが多くなっていることが、企業業績のサポート要因になりうるとも考えられます。
例えば実質GDPの成長率予想は1月、2月の経済指標が堅調であったことから、前年同期比1.6%増と前四半期の0.9%増より高くなっています。
また原油価格は下落していることから多くの企業ではコスト押し上げ要因の緩和が見られると想定されます。
こういったことから1 – 3月期決算が事前予想を上回る好決算を発表し、JPモルガン・チェースのように大きく株価上昇を見せる銘柄も少なくないかもしれません。
今週はネットフリックス、ジョンソン&ジョンソン、IBM、テスラ、AT&T、台湾セミコンダクター(TSMC)、アメリカンエキスプレスなどの決算発表が予定されています。
決算発表前のこの時期はじっくりと企業動向を見直し、好決算を受けた株価上昇を狙いにいく戦略も有効かもしれません。
小島璃子
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