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この新規ビジネスは株価上昇の材料になるか?

米国企業の10 – 12月期決算発表もちょうど折り返し地点に差し掛かりました。

いまのところ、1株当たり純利益(EPS)が市場予想を上回った企業は851社。
全体の約58%となっています。

米国では経営陣に対する業績へのコミットメント力が求められます。

業績成長が未達に終わり、経営陣が退任させられるといったニュースは珍しくありません。

例えばこちら

そのため企業の大小関わらず、業績成長に向けた取り組みが日本企業以上に活発的です。

例えばアマゾン。

アマゾンはヘルスケア業界への参入に何度も失敗していますが、いまも果敢にチャレンジを続けています。

もっとも最近の失敗は、遠隔医療サービス「アマゾン・ケア」の終了。

アマゾン・ケアでは専用アプリを通じて、ビデオ通話とテキストチャットによるオンライン医療相談、必要に応じた訪問診療、処方薬の配達サービスが利用できるというサービスでした。

しかし、アマゾンをもってしても、標的としてきた大企業の顧客基盤が十分に拡大できずじまい。

苦戦を強いられているな…と思ったら、2022年7月、プライマリーケア(初期診療)サービスを提供するワン・メディカルを35億ドル(約4,550億円)で買収することを発表。

ワン・メディカルHP

(出所:ワン・メディカルHP)

アマゾンにとって過去3番目に大きい買収と話題になりました。

なぜここまでアマゾンがヘルスケア市場への参入を熱望するのか。

それは米国のプライマリーケア(初期診療)の構造にあります。

 

プライマリーケア(初期診療)とは、簡単にいうとかかりつけ医のこと。

ただ、日本のかかりつけ医とは少し違います。

米国はそもそも日本のように国民皆保険ではなく、医療保険には自分の意思でお金を支払って加入します。

そうすると、保険会社からプライマリーケア医(かかりつけ医)のリストが送られてきます。その中から、自分のかかりつけ医を1人選ぶのです。

そして、基本的に病気やケガ、健康診断、健康相談も基本的には全てかかりつけ医を受診する必要があります。

専門医にかかりたい場合は、かかりつけ医に診てもらって紹介状を書いてもらわないといけません。

しかし、かかりつけ医が自宅や勤務先から遠くにいる場合も珍しくなく、また、患者がある程度自由にかかりつけ医を選べるような保険プランは、通常高額です。

体調が悪いときに遠くのかかりつけ医に行くことを想像するだけで辛いですよね。

そんな不便さが残るプライマリーケアについて、アマゾンはこう宣言しています。

「人々のヘルスケア体験を再構築する」

多くの米国民がこの再構築を望んでいると言います。

ただ、もちろん、このように商機のある市場はそう簡単には獲得できません。

小売大手のウォルマートもこの分野に本格参入しています。

オンライン小売大手のアマゾンと、実店舗を構える小売大手のウォルマートの一騎打ち。

日本ではこのようにどちらが勝つかわからない、大企業同士の市場の奪い合いはあまりみませんよね。

この競争こそが、米国企業が常に最先端をいく強みの源泉であると思われます。

 

そんなアマゾンも足元の事業環境の悪化を受けて、株価は52週高値から約43%下落しています。

amazonのチャート

(出所: Yahoo!finance)

株価は将来の利益を見込んで動くと言われています。

プライマリーケアはまだ取り組み始めてまもないため、将来の利益見通しも株価には反映されていないかもしれません。

一方で、今後プライマリーケアが新たな収益の柱として認められた時、株価が大きく上昇する可能性を秘めているとも言えます。

どうしても足元の株価にばかり目が行きがちですが、日々の企業の取り組みにこそ、株価を動かす材料が転がっているものです。

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小島璃子

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小島 璃子

金融業界歴12年。大学卒業後、メガバンクに約12年間勤務。中小企業~大企業(自動車セクター担当)まで、営業として幅広く担当。メガバンク系証券会社に出向し、投資銀行部門にてM&Aや資本調達などを経験。東京オリンピック・パラリンピック組織委員会へ出向し、大会開催サポートを経験。メガバンクに戻り、ESG関連のリサーチ・コンサルティング業務に従事。2021年12月Oxford Clubシニア・ストラテジストに就任。 著者の記事一覧≫

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