インフレ脱却で投資チャンス到来!?

「インフレ」
米国株投資をしている人には耳にタコができるほど聞いているワードですね。
これから始めようと思っている人もニュースや新聞で見たことがあると思います。
インフレとは物価が上がること。
2022年は、インフレによって株価が大きく下落したと言われています。
そして2023年も1か月が経った現在、米国におけるインフレがどうなっているかというと…
と、連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は発言しています。
株価下落の要因になっていたインフレが収束(ピークアウト)しつつあるということは…
株は上昇するの?
という疑問が出てきますよね。
先にお話しすると、このようなことが起こると考えられています。
(出所: Oxford クラブ作成)
ではこれがいつ起こるのか?
気になるポイントですね。
そこで今回は、インフレによる株価下落がどうやって起こったのかを紐解きながら、どういう状況になったら株は上がるのかを考えてみます。
インフレが株価下落に拍車をかけた1年
(出所: Yahoo!finance)
上のチャートは、2022年におけるS&P500種株価指数(紫)とナスダック総合指数(青)の推移です。
チャートを見てわかるように、S&P500種株価指数は1年で20%近く、ナスダック総合指数は30%以上下落しました。
その大きな要因の一つがインフレ。
インフレが発端となり、このような悪循環を招いてしまいました。
(出所: Oxford クラブ作成)
インフレは、
いつ株が上がるのか、ポイントを見つけるためにもう少し詳しく見ていましょう。
- コロナ禍からのリベンジ消費(需要の増加)
- サプライチェーンの混乱、半導体不足(原価の増加)
- ロシア・ウクライナ問題に伴う原油高(原価の増加)
- 働き手の減少による賃金上昇(原価の増加)
などを背景に需要と供給のバランスが崩れ、発生しました。
すると、政策金利を上下させ物価をコントロールする役割を担うFRBが金利を引き上げ、物価の急上昇を食い止めようとします。
(FRBが金利を引き上げる=市場で流通するお金を引き上げる)
金利が上がるということは、成長株の評価が下がるということ。
その理由は、成長株は将来生まれるであろう大きな利益を期待して株が買われているから。
金利が上昇するということは、借入コストが上昇したり、経済が減速したりして、今まで想定していたスピードでの利益成長が見込めないということになるのです。
また、リスクリターンが下落するのも理由の一つ。
将来生まれるであろう利益に投資するということは、見えない将来を予測していることになるわけですからリスクが高いですよね。
一方で、金利が上昇すると、国債などの債券金利が上昇します。
例えば、今まで米国債を保有するともらえる金利が1%だったのが、5%ももらえるようになる。
すると、
「成長株は変動が大きいし、債券金利は結構高いから今は安全性の高い債券を買っておこう」
といって、成長株から資金が他へ流れてしまいます。
さらに追い討ちをかけるように積極的な利上げによるドル高が、海外売上比率の高い企業に影響を与えます。
(成長株は得てして海外売上比率が高いです)
為替の影響で利益が減少し、弱い決算が発表される。
それによって株価は下落する。
このニュースを聞くことによって、投資家が恐怖を感じ、リスクを取りたくないと株式市場から撤退する。
そしてさらに株価が下落する…
こういった悪循環が生まれてしまいました。
これが今回起きた株価下落の背景です。
まさに今、逆の循環が始まりつつある!?
でも、負のスパイラルの元凶であったインフレが落ち着き始めているということは…
今度は逆の循環が起こります。
(出所: Oxford クラブ作成)
ここで重要なのが、インフレがピークアウトすること。
もしくは、その確度が高まること。
これを確認するには、どうしてインフレが起こったのか、というところに立ち返ると、確認すべきポイントが見えてきます。
インフレは次のような背景で起こったとお伝えしましたね。
- コロナ禍からのリベンジ消費(需要の増加)
- サプライチェーンの混乱、半導体不足(原価の増加)
- ロシア・ウクライナ問題に伴う原油高(原価の増加)
- 働き手の減少による賃金上昇(原価の増加)
リベンジ消費はインフレの影響から落ち着きつつあるし…
サプライチェーンや半導体不足もほぼ解消している…
原油も1バレル130ドルから今は75ドル近辺まで下落している…
賃金上昇は…まだ上昇が見られる。
そう、ここがポイントなんです。
下のグラフは米国の平均時給(前月比)の伸び率を示したものです。
(出所:インベスティング・ドットコム)
2023年1月は0.3%と前月比で低下していますが、まだ伸びていますね。
平均賃金が上昇しているということは人件費が上昇するため、飲食や物販などといったサービスの価格が上がるということ。
なので、ここが下がらないとインフレは収束しないといえます。
もちろん、この指標が下がったらインフレは終わった、と言えるほど単純なものではありませんが、FRBも平均賃金を重要指標の一つとして見ています。
賃金上昇を食い止める施策
では賃金が下がるまでただ待っているだけか?
そうではありません。
バイデン政権は移民政策によって、この問題を解決しようとしています。
米国時間1月5日、バイデン政権は不法移民対策を強化する一方で、毎月最高3万人に入国許可を認める方針を打ち出しました。
今は多くの業種で人手不足になっているため、この施策によって次のような効果が見込まれます。
移民を受け入れて労働人口を増やす
→働きたい人を増やすことによって職につけない人を作る(失業率の上昇)
→職の取り合いが始まる
→求人に多くの人が集まるなら賃金が下がる(平均時給の低下)
そうすると、インフレの背景となった賃金問題が解消に向かうということです。
この方針が打ち出される前に、日本総研が移民による人手不足の解消時期の目安を試算しているのですが、その目安が2023年末。
もし、日本総研の試算が、今回の施策による移民の増加を下回る数値をベースに試算されているのだとしたら、人手不足の解消は2023年末よりも早くなる可能性がありますよね。
なので…
今年(2023年)、上昇相場への転換点やってくる
と考えられるのです。
(出所: Oxford クラブ作成)
インフレによって大きな株価下落を経験しましたが、同時に現在、次のような投資機会を与えてくれています。
- 上昇相場への転換点を迎える相場環境
- 投資家心理の悪化で安くなった優良銘柄
この2つがもたらされた今が、投資に適した時期であると考えられませんか?
小島璃子
P.S.
Oxfordクラブでは、細かな業界分析、企業分析をベースに、着実に資産を築く、配当投資にフォーカスした『インカム・レター』と、株価成長を狙う、成長株にフォーカスした『キャピタル・レター』で、投資アイディアをご案内しています。
P.P.S
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