アバターの裏にいる、米国企業

最近、こんなニュースを見ました。
(出所:日本経済新聞)
人工知能(AI)を使って3次元(3D)のタレントの分身(アバター)を作り上げ、そのアバターのしぐさやセリフなどを好みの内容に変え、動画広告を作れるんだそう。
写真はモデルの冨永愛さんのアバターなんですが、ご本人そのままといった感じですよね!
この事業を行っているのは、サッカー・ワールドカップ カタール大会をABEMAで配信し、大きな注目を集めたサイバーエージェント。
サイバーエージェントといえば、インターネット広告や「グランブルーファンタジー」や「ウマ娘 プリティーダービー」などのスマートフォン向けゲームで有名な企業ですが、ABEMAや今回のAI動画広告をはじめ、いろいろな取り組みを展開しています。
ちなみにこのAI動画広告の実現に向けて、サイバーエージェントは2016年に研究開発組織を立ち上げ。
自社で約120人のAIエンジニアを抱え、独自開発を進めていました。
実現に向けて高い技術を持った人を集めながら開発を続け…ついにお披露目!といった感じなのかもしれませんね。
少し技術的な話になりますが、このAI動画広告を可能にしているのが「生成AI」の一種。
生成AIとは、文章や画像を自動生成する次世代技術のこと。
最近、マイクロソフトが、対話AI「ChatGPT(チャットGPT)」を手掛ける新興企業のオープンAIに今後数年で数十億ドルを追加投資するといったニュースがありましたが、ベースになっている技術は同じものです。
少し話はそれますが、米国の大学ではチャットGPTを使って論文を作成する学生が出てきはじめ、問題になりつつあるようです。
そのため、チャットGPTを禁止する学校や、テストを手書きに変えたりする学校が出てきているそう。
私がチャットGPTについて知ったのは最近なんですが、もうすでに違和感のない文章が作成できるレベルにあることにびっくりしました。
今こうやってお送りしているメルマガや、みなさんが仕事で書いている書類なんかも、もしかしたらチャットGPTに置き換わる、なんてことも起こるかもしれませんね(^^)
話を戻しまして、サイバーエージェントのAI動画広告の続きです。
先ほど、自社で抱える約120人のAIエンジニアなどが独自にAIを開発しているとお伝えしましたが、実は裏でその実現を支える米国企業が存在します。
それは…
エヌビディアです。
エヌビディアは米国の大手半導体メーカーで、画像処理用のGPU(グラフィックス・プロセッシング・ユニット)を開発し、主にゲーム向けやデータセンター向けとして製造・販売しています。
GPUは、画像を描写するために必要な計算を処理するもので、画像や映像をより速く、よりきれいに映すために、欠かせない半導体チップのこと。
サイバーエージェントのAI動画広告では、3Dタレントの演出を自由自在に変更できる必要があるため、その運用には高度な演算能力が必要になります。
そのため、サイバーエージェントとエヌビディアは3Dタレントの制作・運用で協業し、開発を進めていました。
そして今回、サイバーエージェントは10億円弱を投じて、エヌビディアの最先端GPU「H100」を80基導入し、AI動画広告を本格化するそうです。
エヌビディアはここ数年、GPUによるディープラーニングがAI開発の起爆剤になっていて、マイクロソフトやメタなどもH100の採用を相次いで発表しています。
半導体業界に関する最近のニュースといえば、
・PCの販売不振による業績不振
・中国への半導体輸出規制
・上記影響を受けた株価不振
などといった暗いニュースが多いですよね。
でも実際には、大きな成長が期待される新規市場でシェアを獲得するために、どんどんと製品開発を進めています。
調査会社のグランドビューリサーチによると、生成AIの世界市場は2030年に1,093億ドル(約14兆円)に達すると予測されています。
AIが生む高度な文章や画像は、日々の報告書やメールの執筆、プレゼンテーション資料の作成などを劇的に効率化したり、広告やマーケティング、娯楽分野のコンテンツ作成の手法を一変させる可能性があると言われています。
実現されたらすぐに使ってみたくなるようなものばかりですよね。
これらのサービスは、すでに活躍している大企業が真っ先に開発するのか、はたまた無名の新興企業が実現させるのかはまだわかりません。
でも1つだけわかっていることがあります。
それは…そのサービスを支えることのできる技術を持った企業は限られるということ。
サイバーエージェントのAI動画広告を支えているのはエヌビディアでしたが、他の市場でも影の立役者は必ずいるものです。
私たちOxford クラブではそのような企業も含めた投資アイディアご紹介していますが、みなさんも日々耳にするニュースの裏を探ることで、新たな投資チャンスが見えてくるかもしれませんね。
小島璃子
P.S.
Oxfordクラブでは、細かな業界分析、企業分析をベースに、着実に資産を築く、配当投資にフォーカスした『インカム・レター』と、株価成長を狙う、成長株にフォーカスした『キャピタル・レター』で、投資アイディアをご案内しています。
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