トレンド投資 | AIの“隠れた”エネルギー源

AI時代の到来と電力需要の急増
先月ラスベガスで開催されたOxford クラブの「Investment Uカンファレンス」は、数週間前にはすでに完売となっていました。
今年のテーマは、今まさに注目を集めている投資分野人工知能(AI)についてでした。
十数名の投資アナリストが、AIに投資するさまざまな方法について語り、同時にこの分野で避けるべき特有のリスクについても解説しました。
ここでは、その中の私のアイデアの一つをご紹介したいと思います。
これは、急成長するデータセンター市場の恩恵を享受できるだけでなく、中東の地政学リスクをポートフォリオから取り除く手段にもなります。
順を追って説明しましょう。
多くの人は、AIがどれほど変革的であるかを、いまだに過小評価しています。
つい2週間前、イーロン・マスクはこう語りました。
「基本的に、AIとロボットはあらゆるモノやサービスを生み出すようになり、人間がやるべきことがなくなるほどになる。もし現在の経済の1,000倍に成長すれば、人々が欲しいと思うものはほぼすべて満たされてしまうだろう」
大げさでしょうか?
短期的にはそうかもしれません。
しかし、長期的には決して誇張ではありません。
だからこそ、ハイパースケーラー企業は今、これらのデータセンター構築に数兆ドル規模の投資を行っているのです。
しかし、ここに問題があります。
これらのデータセンターは膨大な電力を消費します。
2028年までに、データセンター向けの電力は最大44ギガワット不足すると見込まれています。
つまり、私たちは今すぐ大量のエネルギーを必要としているということです。
そのため、原子力発電が再び注目を集めているのです。
原子力発電の再評価と世界的な動き
イリノイ州では、300メガワットを超える原子炉の建設禁止が解除されつつあります。
また、Metaは、TerraPowerとの提携により、2035年までに6.6ギガワットのクリーン電力を確保しました。
さらに日本では、世界最大級の原子力発電所が再稼働しました。
東京電力の6号機は、2040年までに日本の電力需要の20%を支える見込みです。
データセンターを支えるだけでなく、世界の炭素排出量を削減し、中東のエネルギー供給への依存を減らす必要もあります。
その最適解が原子力発電です。
原子力は、世界のクリーン電力の約4分の1を供給しており、水力に次ぐ規模です。
(気候変動に関する政府間パネル(IPCC)によれば、原子力発電の排出量は太陽光発電の約4分の1に過ぎません。)
原子力は、低炭素電力を最も迅速に拡大できる手段です。
そして意外にも、他のエネルギー源よりも安全性が高いのです。
1979年のスリーマイル島事故や2011年の福島事故などの悲惨な事故があったのも確かですが、直接的な死者は出ていません。
1986年のチェルノブイリ事故では31人が死亡しましたが、その多くは当時のソ連の対応ミスによるものでした。
一方で、化石燃料の燃焼による大気汚染や、採掘・輸送中の事故によって、毎日多くの人々が命を落としていますが、こうした事実はほとんど報道されません。
そのため、フランス、ベルギー、スイス、スウェーデンといったヨーロッパ諸国は原子力に依存しています。
アジアや中東でも同様です。
もし本気でCO₂排出量を削減するのであれば、原子力は不可欠な存在となるでしょう。
しかも現在では技術が大きく進歩しており、原子炉はより小型化・低コスト化・製造の容易化が進んでいます。
すでに企業は、下のようなさまざまな産業用途への応用を計画しているのです。
▼産業用途への応用
- プロセス熱の供給
- 鉱山の電化
- 海水淡水化
現在、世界では430基以上の原子炉が稼働しており、さらに数十基が建設中。(現在、建設中の原子炉は74基あります。)
また、国際エネルギー機関(IEA)の最新レポートによると、データセンターによる電力需要は今後5年で2倍以上に増加すると見込まれています。
こうした流れの中で、データセンターはますます原子力エネルギーに依存するようになっています。
原子力は効率的で信頼性が高く、コストも低いエネルギー源です。
そして現在の新型原子炉は、従来よりもはるかに安全です。
【まとめ】投資機会としての原子力関連ETF
そのため私は先週のInvestment Uで、「グローバルX・ウラニウムETF(URA)」についてご紹介しました。
このETFは、約75億ドルの純資産を持つ最大級の原子力関連ETFであり、流動性と分散性のバランスに優れています。
カメコのようなウラン採掘企業に加え、原子力関連部品メーカーやサービス企業にも投資しています。
採掘から発電まで、原子力産業全体に一括で投資できる点が魅力です。
手数料は0.69%、現在の利回りは3.8%です。
過去52週間のリターンは139%で、S&P500の30%を大きく上回っています。
もしかしたら、「エネルギー分野」の投資において何かの参考になるかもしれません。
P.S.
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