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投資情報 | AIは“暴走”するのか?


人類は長期的には進歩している


私たちは多くの問題や課題を抱えているにもかかわらず、長期的なトレンドの大半は実際にはポジティブです。

▼ポジティブな側面

  • 人々はこれまで以上に長生きしています。
  • 生活水準も過去最高です。
  • 学歴水準もかつてないほど高まっています(高校卒業者、大学卒業者、大学院修了者の数はいずれも過去最多です)。
  • 暴力は夕方のニュースで見る印象とは裏腹に、長期的には減少傾向にあります。
  • 大気や水質は何十年にもわたって改善してきました。
  • 世帯所得の中央値や純資産も過去最高水準にあります。

要するに、アメリカ人はこれまで以上に、より長く、より健康で、より安全に、より豊かで、より自由な人生を送っているのです。

悲観論者たちにとっては腹立たしいことでしょうが、人類の進歩は歴史的事実であり、実証的な現実です。


恐怖を利用した悲観論の広がり


それでも「夢の敵」たちには秘密兵器があります。

人間は本能的に、あらゆるリスクや脅威に目を光らせるようにできていることを、彼らは知っているのです。

不確実性の高い世界では、過度に心配することが最善の戦略になり得ます。

だからこそ彼らは、「私たちはあなたを助けたいだけだ」と言って「悲観論」に走るのです。

例えば、アル・ゴアを見てみましょう。

20年前、彼の著書とドキュメンタリー『An Inconvenient Truth(不都合な真実)』が発表されたとき、彼は地球規模の危機だけでなく、差し迫った絶滅イベントから私たちを救おうとしているのだと訴えました。

彼は私たちに迅速な行動を促すため、集められる限りの証拠を提示しました。

地球温暖化はゆっくり進む問題ではなく、「今すぐ対処しなければならない問題」だとされました。

残された時間は10年、あるいはそれ以下だと…

方法や結論について議論している時間はありませんでした。

未来についての「科学」は、すでに決着がついているとされたのです。

それから20年が経ち、私の記憶に強く残っているのは、アル・ゴアが気候変動について間違っていたということではありません。

実際、地球はわずかに温暖化しました。

印象に残っているのは、彼が危機を伝えるために用いた鮮烈で期限付きのイメージの多くが、示されたタイムライン通りには起こらなかったという点です。

キリマンジャロの雪は10年以内に消えませんでした。

グレイシャー国立公園の氷河が2020年までにすべて失われることもありませんでした。

沿岸都市が海面上昇によって水没することも、フロリダ州が数フィートの水に覆われることもありませんでした。

彼は黙示録的な未来が私たちの「既定路線」だと語っていたのです。

結論は明確でした。

排出量が増えれば、破局が訪れる、それだけです。

そしてこのメッセージは、学界やメディアによってヒステリックなまでに増幅されました。

多くの人々が不安や睡眠不足に苦しんだだけではありません。

社会の二酸化炭素排出量を増やし、絶滅を早めることになるという理由で、子どもを持つことを控えた人さえいました。

ゴア氏とその支持者たちは、「人々は恐怖を感じなければ行動しない」という信念のもと、意図的にそうしたレトリックを選択したのです。

その戦略は、しばらくの間は効果を発揮しました。

注目を集め、問題を主流の議論へと押し上げました。

しかし、期限が過ぎても世界が予定通り終わらなかったことで、懐疑心が広がったのです。

メッセージだけでなく、問題そのものに対しても疑念が向けられるようになりました。

現在では、人為的な炭素排出がもたらす脅威について、より現実的な理解が広がっています。

同時に、世界的な成長や繁栄を止めることなく、どのように排出を抑制し、変化する気候に適応していけるかについても、より具体的な議論が可能になっています。

残念ながら、冷静な議論では新聞は売れません。


終末論がAIへと移り変わる構図


そのため今日では、終末論を唱える声は新たな「怪物」を見つけました。

気候変動ではなく、「暴走するAI」です。

そしてその独創性には低い評価を与えざるを得ませんが、これもまた差し迫った絶滅イベントとして語られています。

再び、現実に存在する複雑なリスクについて真剣に議論する人々がいます。

そして再び、物語の最も大きな声は、いきなり映画のような結末へと飛躍します。

超人的なAIが制御を逃れ、インフラを掌握し、人類を滅ぼす。それも数十年以内に、という具合です。

しかし、同じパターンに気づくでしょう。

極端なシナリオが「可能性」ではなく「高い確率」として描かれています。

ハードウェアの制約、ガバナンス、人間側の対抗策といった制度的制約は、脚注のように扱われています。

もちろん、AIが重大なリスクをもたらす可能性を否定する必要はありません。それは明らかに存在します。

しかし、最も恐ろしい物語が、分布の端ではなく「標準ケース」として提示されるときには注意が必要です。


【まとめ】真のリスクには冷静で長期的な視点が必要


再び、タイムラインを圧縮し、不確実性を単純化し、人間の対応力を軽視することで、「緊急性」が作り出されています。

安全研究や慎重さを正当化するために、「2040年までに絶滅」といった物語は必要ありません。

排出削減を正当化するために、2020年までに海底都市が出現するという前提が不要だったのと同じです。

最悪の未来を運命として扱うことは、短期的には動機づけになるかもしれませんが、長期的には信頼を損ないます。

ゴア氏の気候警告から学べる教訓は、ドラマには代償があるということです。

本当のリスクには、演劇的な確信ではなく、真剣な注意がふさわしいのです。

海面上昇であれ、暴走するアルゴリズムであれ、文明崩壊が差し迫っているという自信満々の予測を耳にしたときは、一歩立ち止まり、視野を広げ、それが予測の中心なのか、それともごく遠い可能性なのかを問い直してみるべきでしょう。

AI、あるいは人工超知能が最終的にどこへ私たちを導くのか、正確に言い切れる人はいません。

しかし少なくとも短期的には、私たちに害をもたらすよりも、はるかに多くの恩恵をもたらすと考えるに足る十分な理由があるのです。

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Alexander Green(アレクサンダー・グリーン)

Oxford Club チーフ・インベストメント・ストラテジスト。金融・投資関係の4冊のベストセラーの著者で、40年のキャリアがある。米国で金融・投資のニュースレターであるOxfordキャピタル・レターを20年以上執筆しており、ハルバート・ファイナンシャル・ダイジェスト社はこのニュースレターをここ10年以上もの間、最もパフォーマンスの高い投資ニュースレター・ベストテンに選出している。 アレックスの記事一覧 ≫

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