投資情報 | 「優秀な経営者」を見るべき理由

マーケット・タイミングという幻想
投資家は常に「何か有利な方法はないか」「市場に勝てる確実な手段はないか」と探し続けています。
しかし、実際にうまく機能する方法は、ほとんど存在しません。
例えば、「マーケット・タイミング」がそうです。
ダウ平均、ナスダック、S&P500のチャートをご覧になると、はっきりとした高値と安値が確認できます。
それは年単位だけでなく、月単位でも同様です。
「高値に近いところで市場から離れ、安値に近いところで再び参入できたら素晴らしい」と思いませんか?
しかも、それを何度も繰り返すことができたらどうでしょうか。
過去の市場を振り返れば、売買のタイミングはとても明確に見えます。
しかし、未来を見ようとすると、そこにあるのは何も書かれていない真っ白な状態だけです。
マーケット・タイミングで成功することは、単に難しいというレベルではありません。
それは不可能に近いのです。
つまり、マーケット・タイミングを試みる人には、2種類しか存在しません。
自分が何をしているのかわかっていない人と、わかっていないことにすら気づいていない人です。
この点については、私の言葉を信じていただいても構いませんし、ご自身で試して高い代償を払って学んでいただいても構いません。
世界で最も優れたマーケット・タイマーの名前を思い浮かべてみてください。
恐らく、何も思い浮かばないはずです。
なぜなら、歴史的に見て優れた株式投資家たちは常に「ビジネスを分析する人」だったからです。
優れた投資家は「ビジネス」を見ている
彼らは、売上高、利益、営業利益率、業界のトレンド、製品の革新性、経営陣の質などを丁寧に見ています。
これらについては、これまでも何度も書いてきましたが、今日はその中でも「経営陣」に注目したいと思います。
どの企業も、チームによって運営されています。
そして、優れたスポーツチームに優秀な監督が必要なように、優れた企業にも優れた経営者が不可欠です。
中でも最も優れた存在であることが多いのが「創業者」です。
資産運用会社クレセットのチーフ・インベストメント・ストラテジストであるジャック・アブリン氏は、創業者が率いる企業を「現代の株式市場において、最も魅力的な構造的投資機会のひとつ」と表現しています。
創業者が率いる企業が強い理由
しかし、これは控えめな言い方にすぎません。
過去5年間において、S&P500に含まれる創業者主導の企業は、同指数を167%ポイントも上回る成績を収めました。
一方、外部から招かれた「プロ経営者」が率いる企業は、指数を11%ポイント下回っています。
多くの企業は、ストックオプションや譲渡制限株式を与えることで、 経営陣にオーナー意識を持たせようとします。
しかし、これはほとんど効果がありません。
まず、プロのCEOが保有する株式は、創業者が持つ持分の5分の1にも満たないのが実情です。
さらに彼らは、より良い条件を求めて転職することを常に考えています。
スターCEOを引き留めるのは、スター選手を引き留めるのと同じくらい難しいのです。
どの企業も欲しがり、誰かが必ずより高い条件を提示するからです。
一方で、創業者は簡単に会社を去ることはありません。
マーク・ザッカーバーグ氏がマイクロソフトに引き抜かれることはありませんし、ジェンスン・フアン氏がアップルのCEOになるために会社を離れることもありません。
さらに創業者は、自社の事業、従業員、取引先、製品、そして多くの場合、市場そのものについても、誰よりも深く理解しています。
彼らは次のような特徴を備えています。
▼創業者の特徴
- 事業運営に関する深い知識
- 将来の成長要因に対する明確な洞察
- 自ら資金を投じている当事者意識
- 自社ビジネスに対する揺るぎない確信
そして、もう一つ見落とされがちな重要な要素があります。
それは、創業者にとって「会社そのものが自分のアイデンティティと結びついている」という点です。
長期間にわたって成功し、利益を上げ続けることは単なる成果ではなく、自分自身の価値を証明することでもあります。
彼らは大きなリスクを取り、困難を乗り越え、確率や競争相手に打ち勝ち、その成果を手にしています。
その価値を金額で表すことは簡単ではありません。
テスラ、エヌビディア、メタ、セールスフォース、ブラックロック、パランティアといった創業者主導の企業を長期保有している投資家に聞いてみれば、よくわかるはずです。
歴史や学術研究を見ても、創業者による自社株の購入は、市場において数少ない、一貫して信頼できる指標のひとつとされています。
【まとめ】予測よりも「人物」に注目せよ
結論はとてもシンプルです。
経済を予測する必要もありませんし、市場のタイミングを当てる必要もありません。
FRBの利下げを言い当てる必要もありません。
自分が経営する会社について誰よりも理解している、極めて優秀な少数の人物に注目することから、 次の有望株探しを始めればよいのです。
現在、成長スピードが速い創業者主導企業には、エッセント・グループ、ハロウ、カーバナ、MongoDB、クラウドストライク、キャピタル・ワン、スポティファイ、メルカドリブレなどがあります。
私は、これらすべての株を購入することを勧めているわけではありません。
ただし、優れた銘柄を探す「出発点」としては、非常に良い候補だと考えています。
多くの経営者にとって、仕事が自分のアイデンティティの大部分を占めるほど没頭することは、必ずしも健全とは言えません。
しかし創業者にとって、それは避けられない現実です。
そしてその姿勢は、多くの場合、他の株主にとってもプラスに働くのです。
P.S.
今回の記事はいかがでしたか?
あなたの資産形成に少しでもお役立ていただければ幸いです。
Oxford クラブでは、このような記事を33万人のメールマガジン会員様に毎日無料でお届けしております。
公式サイトからでも1週間にお届けする7つの記事のうち4つはお読みいただけますが、3つはメールマガジン会員様に宛てたものとなっております。
毎日2分メールをお読みになるだけで、少しずつ米国株による資産形成のコツを身に付けていただけるでしょう。




