投資情報 | 今後10年間で企業が「2種類」に分かれる

AIの本質を語る講演
以前、Oxford クラブで毎年開催される、Investment Uというイベントに参加しました。
このイベントでは株式、債券、コモディティ、通貨、暗号資産、不動産、など、あらゆる資産クラスの見通しについて発表が行われます。
その中で、私にとって最も印象的だったのは、人工知能(AI)の未来に関する講演でした。
講演者は、著者であり未来学者のショーン・デュブラバック博士と、起業家でコンサルタントのブラッド・コスタンゾ氏です。
ブラッド・コスタンゾ氏に会うのは今回が初めてでしたが、私は非常に感銘を受けました。
過去数年、多くのAI「ジェネラリスト(一般論者)」の話を聞いてきましたが、ブラッドのプレゼンは違いました。
彼は、起業家や経営者がAIを活用してどのように事業を成長させ、コストを削減し、生産性を高め、利益を増やせるか?その具体例を数多く示してくれたのです。
AIがもたらす「超人的資源」
彼は自身のビジネスを「Accelerated Intelligence(加速された知性)」と呼んでいます。
なぜなら、AIとは本質的に創造性と生産性を加速させるツールとなるからです。
講演では、企業がどのようにAIを業務に統合し、生産性を何倍にも向上させられるかについて語りました。
たとえば、彼は「AIは人事部を“超人的資源(Superhuman Resources)”に変える」と述べました。
どういう意味かというと…
AIは食べず、眠らず、トイレにも行かない。
疲れることも、機嫌を損ねることも、指示を誤解することもなく、人間に仕事を振るよりも速くタスクを完了させます。
AIは仕事を奪うのではないか?確かに奪われるものもあるでしょう。
しかし、それは必ずしも悪いことではありません。
かつてアメリカ人の大多数は農業に従事していました。
機械化によってその構造は変わりましたが、農業労働者は他の生産的な仕事を見つけました。
数千万人のアメリカ人が製造業で働いていました。
自動化と海外の安価な労働力がそれを変えましたが、工場労働者も新たな仕事を得ました。
インターネットは何百万人もの仕事を消しました。とくに仲介業者など、中抜きが不要になった人々です。
しかし、インターネットによって私たちの生活は豊かになり、失職した人々もまた別の仕事を見つけたのです。
つまり、AIはいくつかの仕事を奪う一方で、何百万もの新たな仕事を生み出します。
ブラッドと話したとき、私は「もし今、最も有望なキャリアを1つ選ぶとしたら、AIの力を活用してビジネスを強化する方法を経営者や労働者に教える仕事だ」と伝えました。
彼も当然のように賛同しました。
彼自身、AIコンサルティングで成功しているのですから。
AIはあなたのビジネスに、調査、執筆、戦略立案、分析、企画、ブレーンストーミング、要約、コミュニケーションなど、大量のデータ処理や論理的思考を要するあらゆる業務を支援できます。
ブラッドのプレゼンでは、AIがグラフィックアートを作成したり、文章を編集したり、リサーチを効率化したり、さらには音声動画を任意の外国語に翻訳する様子まで実演しました。
「良くて、速くて、安い」を実現するAI革命
多くの企業は、「より良く」「より速く」「より安く」を提供することで顧客を惹きつけます。
ブラッドはこれを「サービスのトリレンマ(Service Trilemma)」と呼んでいます。
▼サービスのトリレンマ
- 「良くて速い」ものは安くない
- 「安くて速い」ものは良くない
- 「良くて安い」ものは速くない
しかし、AIはこの常識を覆します。
AIによって、製品やサービスをより良く、より安く、より速く提供できるようになるのです。
これこそがAIが「革命」と呼ばれる理由です。
AIは、コンピュータや機械が人間の生活をより便利で快適にするための限界を押し広げています。
膨大なデータを処理し、瞬時に結論を導く能力をAIは持っています。
データ収集・入力、請求書の作成、顧客対応メールの返信、ソフトウェアテストなど、人間的なタスクをAIがこなすことで、労働者はより創造的で判断力のいる仕事に集中できます。
そしてこの分野の投資機会は計り知れません。
現在、世界では1日あたり2.5クインティリオンバイト(25京バイト) のデータが生成されています。
これを処理・活用できる唯一の手段がAIなのです。
AIはコンピュータやロボットが、人間の知覚・学習・問題解決・意思決定を模倣できるようにします。
これにより、機械は人間の介入なしに正確性を高めながら特定のタスクを実行できるようになるでしょう。
【まとめ】すべてのビジネスに訪れるAI時代
AIの応用範囲は、音声認識、言語処理、ウイルス・スパム防止、自動操縦、画像認識、リアルタイム推薦、そして自動株式取引にまで及びます。
人間の知性でできることはすべて、AIによって高速化・高度化されます。
教育、創造性、問題解決、健康、長寿…
あらゆる分野で人々はより良い成果を得るようになるでしょう。
要するに、近い将来、すべてのビジネスパーソンが「無限に忍耐強く」「無限に知識があり」「無限に助けになる」24時間稼働のパートナーを持つことになります。
その結果、生産性つまり「より少ない労力でより多くの成果を上げる力」は劇的に向上し、経済成長を押し上げ、新しいアイデア、新しい職業、新しい産業を生み出すでしょう。
AIは人間の知能を拡張し、これまで以上に迅速かつ優れた問題解決を可能にします。
私の見解では、この10年の終わりまでに企業は2種類に分かれます。
AIをビジネスに取り入れた企業と、存在しなくなった企業。
この2つです。
P.S.
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