米国株入門 | 【1万ドル→25万ドル】アメリカン・ドリームは終わらない

昨年、ウォール・ストリート・ジャーナルとNORCの共同調査によると、「アメリカンドリーム(努力すれば報われ、上を目指せる社会)」が実現可能だと信じている人の割合が、過去最低の36%にまで落ち込みました。
約半数の人が「昔は可能であったが、今は違う」と答え、17%は「もともとそんな夢は存在しなかった」と感じているそうです。
他の調査でも、同様の結果が出ています。私はこの結果に、強いショックを受けました。
そして、そのショックがきっかけとなり、1冊の本を書くに至ったのです。
タイトルは『The American Dream: Why It’s Still Alive… and How to Achieve It』(英語版がAmazonで予約受付中です。)
多くのアメリカ人がドリームを信じられなくなった理由のひとつは、「この国そのものに対する信頼」を失ってしまったからかもしれません。
大学の教授やメディアの論客たちは、アメリカをよく、「欠陥だらけで、衰退し、称賛に値しない国」として表現しています。
このストーリーは、特に若い世代の間で影響力を増してきました。
しかし、実際のアメリカは、歴史上もっとも豊かで、もっとも多様性があり、もっとも活気に満ち、もっとも強い国のひとつです。
その理由のいくつかを、以下にご紹介します。
アメリカが「例外的な国」と呼ばれる理由
アメリカ人は世界人口のわずか4.3%ですが、世界の年間経済生産のほぼ25%を生み出しています。
アメリカの経済規模は、中国と日本を足したものよりも大きいのです。
テクノロジーの革新で世界をリードしています。電話、テレビ、飛行機、インターネットはすべてアメリカ発。輸血や心臓移植、多くのワクチンも同様です。
Apple、Google、Facebook、Amazon、Microsoft、Tesla、Nvidiaなど、時代を変えた企業のほとんどがアメリカで生まれました。
アメリカは世界中の特許の22%を保有しており、これは他国を大きく上回ります。
米ドルは世界の基軸通貨。これによってアメリカの企業は有利な資金調達ができます。
農業でも世界一級。1930年代と比べて、同じ面積で5倍のトウモロコシを育てています。
シェール革命により、世界最大の産油国かつ輸出国に。
世界の大学ランキングで、トップ10のうち8校がアメリカの大学です。
アメリカ人の生産性は世界トップ。1時間あたりの労働成果で常に上位です。
起業もしやすく、多くの移民がアメリカで億万長者になっています。
製薬業界でも世界をリード。過去10年の新薬の半分以上がアメリカから生まれました。
科学、工学、エンタメ、芸術でも突出しています。
なぜ世界を動かす存在になったのか?
地理的な要因もあります。
アメリカは大西洋と太平洋に囲まれ、広大な土地と豊富な資源がありました。(ただし、これはロシアやブラジルも同じです)
他国にも素晴らしい文化や歴史がありますし、私も南アフリカやオーストラリア、アルゼンチン、パリ、ローマなどを訪れるたびに心が躍ります。
しかし、世界中で語られているのは「フレンチドリーム」でも「チャイニーズドリーム」でもありません。
誰もが「アメリカンドリーム」と言います。
それは、アメリカが「努力する人にチャンスを与える文化」を持っているからです。
やる気と粘り強ささえあれば、誰でも成功の階段を上ることができます。
それがこの国の魅力です。
JPモルガンのCEO、ジェイミー・ダイモンはこう言っています。
「アメリカは世界最高の大学、病院、企業を持ち、起業家精神と革新力にあふれています。金融市場は最も透明で流動性が高く、国民は“やればできる”という姿勢を持っています。」
その姿勢が、通信、輸送、製造、医療、ロボット、AI、遺伝子技術など、あらゆる分野で世界を動かしてきたのです。
経済データから見る「アメリカの圧倒的優位性」
英国の経済誌『エコノミスト』は、過去30年のアメリカ経済についてこう述べています。
▼過去30年のアメリカ経済
- アメリカ経済の「優位」は止まるどころか、さらに加速している。
- G7の中で、アメリカは1990年にGDPの40%を占めていましたが、2022年には58%に増加。
- 1990年の時点で、西ヨーロッパの1人あたり所得より24%高かったのが、今では約30%高くなっています。
- 労働生産性の伸びは、ユーロ圏、カナダ、イギリスの2倍。
米主導のAI革新は、この格差をさらに広げるでしょう。
さらに米国の株式市場は、世界全体の時価総額の64%を占めています。
債券市場も世界の41%を占有。外貨準備の58%が米ドル建て。国際取引の半分以上がドルで行われています。
Nvidiaの時価総額は、ロンドン証券取引所全体より大きく、Appleはパリ証券取引所より、Amazonはドイツ証券取引所より、Metaは北欧証券取引所より、Microsoftはスイス証券取引所よりも大きいのです。
「富と成長」は、国民にも恩恵を
▼アメリカは、国民の多くが株式や資産を保有し、世界トップクラスの資産形成と市場リターンを実現している「投資大国」です。
- アメリカ国民の60%以上が証券口座や年金口座で株式を保有。
- 米連邦準備制度の報告では、12.4%の家庭が100万ドル以上の資産を保有(不動産を含めれば18%近く)。
- アメリカ人の平均金融資産:58万ドル。ヨーロッパ人は9万4,000ドル未満。
- 米国の貧困率も過去最低水準に。
- 株式市場は過去30年で世界最高のリターンを記録。
1990年にS&P500へ1万ドル投資していれば、2024年末には25万1,000ドルになっています。
一方、アメリカを除いたグローバル株式インデックスに投資した場合は、約4万5,000ドル止まりです。
【まとめ】アメリカンドリームは、今も生きている
アメリカ人は、他国よりも高い収入、より多くの資産、より高い投資リターンを得ています。
なぜかというと、アメリカの資本主義は「自由でダイナミック」な構造を持ち、政府の干渉が比較的少ないからです。
もちろん、過去には間違いもあり、今も課題は山積みです。
しかし、アメリカという国が生まれたことは、歴史上もっとも偉大な出来事のひとつであることに変わりはありません。
世論調査では、アメリカンドリームが失われた、子どもたちに希望がない、文明が衰退している…といった悲観的な声が聞こえます。
ですが、アメリカンドリームは、今も確かに生きていて、努力する人には十分に手が届くものです。
どんなに大きな問題があろうとも、それにどう向き合い、どう乗り換えるかによって未来は変わっていくのかもしれませんね。
P.S.
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