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トランプ2.0における最大の勝者

選挙の2週間前、23人のノーベル経済学賞受賞者が、

「トランプ氏が大統領に選出されれば、彼の政策が米国に経済的大惨事をもたらすだろう」と予測し、一面のニュースとなりました。

出所:23人のノーベル経済学賞受賞者、トランプ政策の難点を指摘|会社四季報オンライン

 
選挙の結果は、トランプ氏は7つの激戦州すべてで勝利し、一般投票と選挙人の投票でも勝利しました。

そして経済の先行指標である株式市場は、1896年以来最大の選挙後上昇を記録。

ナスダックとS&P500は新たな高値を記録しました。(S&P500の11セクターすべてが選挙週を上昇して終えました。)

ダウ平均株価は2年ぶりの大幅な1日の値上がりを記録しました。

出所:RefinitivのデータよりDZHフィナンシャルリサーチ作成
※ダウ平均、S&P500、ナスダック総合は2023年末を100として指数化

 

中小企業がトランプ政経の恩恵を受ける

また、小型株のラッセル2000指数は
8%上昇し、2020年以来最高の週となりました。

なぜ中小企業が共和党圧勝の最大の恩恵を受けたのでしょうか?

なぜなら、彼らが最も多くの利益を得るからです。
そして、最高のものはまだこれからです。

その理由は…

中小型株企業は、大型株企業に比べて、
国内事業による収益が大きい割合を占めています。

これは、国内の成長と製造業の促進を重視する
トランプ大統領の「アメリカ第一主義」の経済政策とよく一致しています。

国内経済活動の増加により、小型株は不釣り合いなほど大きな恩恵を受けると考えています。

 

法人税削減

トランプ大統領は1度目の任期中、2017年の減税・雇用法を通じて大幅な法人税削減を実施し、税率を35%から21%に引き下げました。

これは、改革前は大規模な多国籍企業よりも高い実効税率を支払っていた中小企業に非常に大きなプラスの影響を及ぼしました。

トランプ大統領は、こうした低い税率を維持するだけでなく、法人税率を15%まで引き下げる意向を示しています。

これにより、小型株の収益性がさらに向上するでしょう。

 

規制緩和

トランプ政権はさまざまな分野で規制緩和を推進し、
コンプライアンスコストと運用上の負担を軽減しました。

これらのポリシーにより、
規制の複雑さを管理するためのリソースが少ない中小企業にとって、
事業の拡大と投資がしやすくなります。

 

関税引き上げの影響を受けない

輸入品に対する関税引き上げを含むトランプ大統領の保護主義的な貿易姿勢は、広範な世界的サプライチェーンを持つ大手多国籍企業にとって課題を生み出すことになるでしょう。

しかし、主に国内で事業を展開している中堅企業は、こうした関税引き上げの圧力の影響を受けません。

実際、関税の引き上げによって国内で生産される商品やサービスの需要が増加すれば、中小企業は利益を得ることになります。

 

国内経済成長に敏感

中小企業は大企業よりも国内の経済状況に敏感になる傾向があります。

経済成長を刺激し、消費者信頼感を高めることを目的としたトランプ大統領の政策は、彼らにとって好ましい環境を作り出すでしょう。

市場の急騰はすでに、トランプ大統領の政策が中小企業にもたらす潜在的な利益を反映し始めています。

しかし、私の意見では、この初期の熱狂は、小型株セクターに対する投資家の関心の始まりに過ぎません。

 

大企業の技術力によって利益が広がる

過去数年間、アップル、グーグル、マイクロソフトといった、
いわゆる「マグニフィセント・セブン」がS&P500のリターンの大部分を占めてきました。

しかし、彼らの技術革新は、この少数の巨大企業グループの枠を超えて、より広範な経済に利益をもたらすことになるでしょう。

このプロセスが進むにつれて、中小企業が利益を得て、成長と株価のパフォーマンスが向上するでしょう。

12年サイクル

しかし、今後数か月で小型株が大企業を上回る業績をあげる大きな理由がまだあります。

これを「平均への回帰」といいます。

歴史的に、大型株と小型株の市場リーダーには周期的なパターンがあるのです。

ほぼ100年にわたるデータ分析によれば、大型株と小型株の間の市場リーダーが変わるのは、おおよそ12年ごとに起こっています。

 

割安な小型株

小型株が大型株よりも優れたパフォーマンスを見せることを支持する主な理由は、両者間に広がった大きな価値評価の格差です。

小型株の現在の評価額は、大型株と比較して過去25年間で最低水準に低くなっています。

これにより、小型株には大きな上昇の可能性が生まれています。
長期的に見ると、大型株は平均で年間約10%のリターンを提供していますが、小型株は12%のリターンがあります。
(小型企業は通常、よりボラティリティが高く、株主へのリターンを高めることが期待されます。)

そして、最も優れた小型株は大幅に高い収益を生み出します。

これは小型企業に投資を増やすのに理想的な時期です。

トランプ新政権が提案する経済政策は、特に小型株にとって有利な環境を作り出しています。

小型株がスポットライトを浴びる時がきました。

そして今、国内経済の成長、税率引き下げや規制緩和による恩恵を拡大し、多国間の貿易摩擦の影響を受けないことから、小型株は「トランプ効果」の最大の恩恵を受けることになります。

 

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Alexander Green(アレクサンダー・グリーン)

Oxford Club チーフ・インベストメント・ストラテジスト。金融・投資関係の4冊のベストセラーの著者で、40年のキャリアがある。米国で金融・投資のニュースレターであるOxfordキャピタル・レターを20年以上執筆しており、ハルバート・ファイナンシャル・ダイジェスト社はこのニュースレターをここ10年以上もの間、最もパフォーマンスの高い投資ニュースレター・ベストテンに選出している。 アレックスの記事一覧 ≫

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