投資情報

賢い投資家だけが知っていること

ギャラップ社は、「報道機関に対する信頼度」を定期的に調査しています。

ある調査では、新聞を「大いに信頼している」「かなり信頼している」と答えた人は、わずか16%でした。

テレビのニュースについては、さらに悪い結果が出ていて、テレビニュースを信頼している米国人は、わずか11%しかいません。

その理由は明らかです。

本来ジャーナリストは、関連する事実や優れた証拠を収集し、提示するのが仕事です。

しかし、単に「誰が・何を・いつ・どこで・どうした」と報道する時代は終わっていて、今は編集が全てなのです。

それなのに、ジャーナリストはニュースだけでなく、すべての問題について、個人的な解釈、道徳的判断、政治的意見を伝えます。

そして、ギャラップ社の数字が示すように、そのプロセスに対する信頼が大きく失われているのです。

しかし、米国人は依然としてメディアから強い影響を受けています。

 

ウクライナ戦争も、地球温暖化も、米国政府の陰謀も、ジャーナリストからの情報以外、ほとんどの人が何も知らないのです。

残念ながら、すべてのテーマにネガティブなバイアスが蔓延しているのが事実です。

良いニュースは軽視されるか、まったく報道されません。(研究によれば、ニュース記事の90%はネガティブな方向に傾いているそうです)。

しかし、それではニュース価値がないと判断し、メディアはその見出しを採用しませんでした。

その結果、12億5,000万人が極度の貧困を脱した事実は誰も知らないのです。

多くの投資家が気づいていないだけで、今日の世界には他にもいくつかのポジティブなトレンドがあります

・人間の寿命はかつてないほど長くなっている。

・乳幼児死亡率はかつてないほど低くなっている。

・生活水準はかつてないほど高くなっている。

・教育水準はかつてないほど向上している。

・凶悪犯罪は、メディアで目にする機会が多いものの、長期的に減少の一途をたどっている。

・大気汚染と水質汚濁は、数十年にわたって減少している。

・米国の世帯収入と純資産は昨年、記録的な水準に達した。

・新薬や医療機器によって、寿命が延び、生活は向上している。

・新しいテクノロジーは、通信をより速く、交通をより安全にし、仕事やレジャーをより簡単にする。

・世界の民主主義国家の数は増え続けている。

・そして、世界の繁栄も続いている。
 

これは、世界情勢を知るための単なる知識ではありません。

人生とは「次から次へと悪いことが起こるのではない」という姿勢の修正につながります。

さらに、こうした長期的なトレンドの多くは、継続するだけでなく、加速しているのです。

作家で未来学者のピーター・ディアマンディス氏は、この先、いくつかのエキサイティングな展開が待ち受けていると予測しています。

1. 世界中で中産階級が増加し、世界の豊かさが増している

2. 5Gと衛星ネットワークのおかげで何兆もの新しいデバイスが接続され、すべての人が低コストで接続するのを可能にする。

3. 新しいバイオテクノロジーのソリューションにより、今後10年間で、人間の健康寿命が10年伸びると予想される。

4. 国際資本の流れにおいて、史上最高値が世界の繁栄を増大させている。

5. 拡張現実(VR)と5Gネットワークは、教育、小売業、エンターテインメントを変革する。

6. 低コストの微細なセンサーと広帯域ネットワークの展開により、あらゆるデバイスが「インテリジェント」になる。

7. 人工知能(AI)と機械学習により、現在の数分の一のコストで新しいベンチャー企業が誕生する。

8. AIが日常業務に定着し、従業員の認知的な協力者として機能するようになる。

9. AI対応ソフトウェアは、ニーズを予測し、健康を監視し、問題解決を支援する。

10. 太陽光、風力、地熱、水力、原子力の電力システムの進歩により、安価で豊富なユビキタスな再生可能エネルギーが推進される。

11. 機械学習、ユビキタスセンサー、低コストのゲノム解読、ロボット工学の融合により、リスクを検知し、災害を防止し、保険料を下げる。

12. 自律走行車は、輸送コストを下げ、都市計画を変革する(子供や高齢の親が運転しなくなる)。

13. オンデマンド生産と配送により、全国で数時間以内に製品が手に入ようになる。

14. 地球規模の画像衛星、ドローン、世界規模のマトリックスセンサにより、消費者と企業は「いつでも、どこでも、何でも」知れるようになる。

15. AIは、欲求をカスタマイズし、自動化することで、広告を破壊する。

16. 細胞農業は、これまで考案された中で最も倫理的で栄養価が高く、環境的に持続可能なタンパク質生産システムを構築する。

17. 広帯域のブレイン・コンピューター・インターフェースが一般に普及し、記憶や知能を含む基本的な認知能力を補完する。

18. 軽量で高解像度のVRヘッドセットが、ショッピング、特に不動産販売に変化をもたらす。

19. AIが可能にする材料工学のブレークスルーが、廃棄物や環境汚染の大幅な削減をもたらす。

20. CRISPRと遺伝子治療により、様々な感染症が治癒する。さらに、ゲノム編集技術により、何百もの遺伝的な病気を治療し、最終的に治癒する。
 

ディアマンディス氏の予想がすべて実現するわけではありません。

いずれにせよ、すぐには無理でしょう。

しかし、『フォーチュン』誌が「世界で最も偉大な50人のリーダー」の一人に選んだ医師、エンジニア、起業家を軽視するのは間違いです。

私はディアマンディス氏を、主流メディアやソーシャル・メディアの容赦ない否定的な意見に対する解毒剤と見ています。

その他、グレッグ・イースターブルック著「The Progress Paradox(仮邦題:進歩のパラドックス)」、マット・リドリー著「繁栄 明日を切り拓くための人類10万年史」、スティーブン・ピンカー著「21世紀の啓蒙」、マリアン・トゥピー著「Superabundance(仮邦題:超豊富)」なども参考にするのをお勧めします。

アレックス
 

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Alexander Green(アレクサンダー・グリーン)

Oxford Club チーフ・インベストメント・ストラテジスト。金融・投資関係の4冊のベストセラーの著者で、40年のキャリアがある。米国で金融・投資のニュースレターであるOxfordキャピタル・レターを20年以上執筆しており、ハルバート・ファイナンシャル・ダイジェスト社はこのニュースレターをここ10年以上もの間、最もパフォーマンスの高い投資ニュースレター・ベストテンに選出している。 アレックスの記事一覧 ≫

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