投資情報

バフェット氏の長年のパートナー

米投資会社バークシャー・ハザウェイを率いるウォーレン・バフェット会長の盟友で、
長年のビジネス・パートナーでもあったチャーリー・マンガー氏が昨年99歳で亡くなりました。

出所:日本経済新聞 「バフェット流、飛躍の立役者 脱・割安偏重の実り大きく」

マンガー氏は、バフェット氏と共に米国史上最大ともいえる財産を築き上げた人物です。

彼は投資先の選定において極めて厳格で、

バフェット氏から

「The Abominable No-Man(容赦なくノーと言う男)」

というあだ名をつけられるほどです。

実際、安い価格でそこそこの企業を買うのではなく、

適正価格で素晴らしい企業を選ぶべきだ
バフェット氏に説いたのはマンガー氏でした。

その理由は、豊富なキャッシュフローを継続的に生み出す企業は、

たとえ初期に高い価格を支払ったとしても、その価値を十分に超える利益をもたらすからです。

マンガー氏はハーバード・ロー・スクールを卒業しましたが、

自らを独学で成功を掴んだ人物と述べています。

金融だけでなく人生における成功の鍵は

「世の中を渡っていくための基本的な知恵」にあると考えていました。
 

では、その「基本的な知恵」とは何でしょうか?

マンガー氏は科学、哲学、宗教、歴史、文学など多岐にわたる分野を学び、広範な教養を身に付けることが重要だと提唱していました。

このような教養は、物事を広くかつ体系的に捉え、異なる学問分野から得た知識を組み合わせて
実践的な行動計画を描き出す助けとなるのです。

どう生計を立てていくかは学んでも、人生を切り開く方法は学ばない学生が多すぎます。

とはいえ、この2つは互いに相容れないものではありません。

2007年、USCグールド・ロースクールの卒業式でマンガー氏はこのように述べました。

「知恵を身につけることは私たちの道徳的義務です。

成功する人々を見てきましたが、彼らが特に頭が良いわけでも、非常に勤勉なわけでもありません。

ただ、彼らは学び続けています。

毎晩、その日の朝よりも少し賢くなって眠りにつくのです。

人生を豊かにするのは、そういった継続的な学びです。

特に、まだこれから長い人生が残っているならば、学び続けることほど価値あることはありません。」

新聞や雑誌は取るに足らない最新ニュースで溢れかえり、情報を得ようとすることがかえって
教養を深めることの妨げになることさえあります。

私たちが手に取るべきなのは本です。

情報収集が目的ではなく、物事を理解する力を身に付けるためです。

マンガー氏が言ったように、

「生涯において出会ったすべての賢者は、常に本を読んでいた。」

優れた読み手は、優れた思想家になるのです。

優れた思想家は、働き手としても、配偶者としても、子を持つ両親としても、友人としても、そして一市民としても、つまりは一人の人間として、より優れた存在となります。

そしてマンガー氏が証明したように、より良い投資家にもなれるです。

皆さんにより良い投資家になってもらうことは、このメールマガジンの存在意義でもあります。

ウォール・ストリート・ジャーナル紙のジェイソン・ツヴァイク氏とのインタビューで、マンガー氏は次のように語っています。

出所:WSJ 「Dinner With Charlie: The World According to Mr. Munger」

 

ウォーレンも私も、できる限り合理的であることが道徳的な義務だと感じています。

ある分野では非常に優秀な人が、それ以外の分野ではまったく意味のない決断を下してしまうのはよくあることです。

私たち二人は、世の中にはびこる愚かさをチェックリストにしています。

チェックリストに載っていることはすべて避けようと、日々努めています。

悪くない考えですよね。

私も長い時間をかけ、投資家の愚かさをチェックする自分なりのチェックリストを作ってきました。

(マンガー氏のチェックリストと重なる部分も多いと思います。)

 

「危険な12項目」


基本的な出発点として、この「危険な12項目」に目を通してください。

そして正直に回答し、いずれの項目にもチェックが入らないことを確認してください。

1. 将来が不安なため、全く投資をしていない。

2. 将来が楽しみなあまり、大きすぎる資金を投資している。

3. 自分にはお金を管理する資格がないので、全資産をファイナンシャル・アドバイザーに委ねている。

4. 投資信託に多額の手数料を払っているのは、運用会社の過去の実績が優れているからだ。

5. 経済見通しが良いため株を買っている。(経済見通しが悪いため株を売っている。)

6. 市場が上昇トレンドにあるため株を買っている。
(あるいは市場が下降トレンドにあるため株を売っている。)

7. この会社には好感が持てるから、買い増ししている。

8. この勝ち組を売るのは、利益を出して悪いことは何もないからだ。

9. ブローカーの目標株価に達したため、この株を売る。

10. この株は買った値段よりも価格が下がっているため保有し続けている。

11. 投資の見通しが良くなるまでは、株から手を引いているつもりだ。

12. 十分な分散投資をしたいので、何百もの銘柄を買っている。

前四半期のGDP成長率、現在の市場動向、FRBの政策、政治動向の変化、自分自身のポジティブな感情、
あるいはアドバイザーが見せる強気の構えなどを理由に株式に投資しているのであれば、それは単に間違いを犯しているだけではありません。

マンガー氏の言葉を借りれば、あなたは愚かな投資家になっているのです。

大切なお金は、真剣に扱うべきです。

つまり、自分が何をしているのか、なぜそうするのかを正確に把握する必要があります。

金融市場は、しっかりとした計画を持ち、それを実行できる人に対し、そうでない人から吸い上げた富を分配するものです。

それは今も昔も変わりません。これからも変わることはないでしょう。

チャーリー・マンガー氏は亡くなりました。

ですが、彼を世界で最も裕福な一人へと導いた賢明なアドバイスに、耳を傾け続けたいと思います。

彼の常識的な投資アプローチは、私たちの中で生き続けるのです。
 

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→エヌビディアのイベントに隠された投資チャンスとは?

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Alexander Green(アレクサンダー・グリーン)

Oxford Club チーフ・インベストメント・ストラテジスト。金融・投資関係の4冊のベストセラーの著者で、40年のキャリアがある。米国で金融・投資のニュースレターであるOxfordキャピタル・レターを20年以上執筆しており、ハルバート・ファイナンシャル・ダイジェスト社はこのニュースレターをここ10年以上もの間、最もパフォーマンスの高い投資ニュースレター・ベストテンに選出している。 アレックスの記事一覧 ≫

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