今はパニックになる時ではありません!
S&P500 種株価指数は7-9月期に下落したが、年初来では何とか上昇となっている。
ただ実際には、大半の銘柄が値を下げています。
しかも、昨年、S&P500 種株価指数が19%も下げたのです。
一部の市場関係者は、債券利回りの上昇と連邦準備制度理事会(FRB)による利上げで、
「米国経済、最終的には株式市場が力を失うのは時間の問題だ」としています。
ハマスがイスラエルを襲撃し、イスラエルは戦争状態を宣言しました。イスラエルはガザを「完全包囲」すると発表し、緊張が高まっています。
今はパニックになる時でしょうか?
答えはノーです。
リスク管理とは、経済と市場が直面する不確実性にうまく対処していくことです。
まずは現実に目を向けましょう。
歴史を振り返る
木が空に届くまで伸び続けることがないように、株価も永遠に上がり続けるわけではありません。
歴史を振り返ってみてください。強気相場の後には必ず弱気相場がやってきています。そして弱気相場の次に来るのは強気相場ですから、何も問題はないのです。
過去200年を見ても市場は、高値はより高く、安値もより高くなっています。
私の経験では、「株式市場はもう終わりだと」声高に叫ぶ人たちは、たいてい過去にも同じことを繰り返しています。
羞恥心を持つような人たちではありませんが、私にはただ恥をさらしているだけのように見えます。
個人投資家向けインデックスファンドの生みの親といわれるバンガード創業者ジョン・ボーグル氏は、こう指摘しています。
「タイミング良く売り買いしようとするマーケット・タイマーには2つのタイプしかいない。
自分が何をしているのか分かっていない人たちと、自分が何をしているのか分かっていないことを分かっていない人たちだ。」
テレビで自信満々に「市場は次にどう動くか」を語る出演者を見たら、そのことを思い出してください。
勝者は市場の不確実性を受け入れる
市場に不確実性はつきものです。では、優れた投資家は今何をすべきでしょうか?答えは2つあります。
1. 実戦的な投資プランを持つこと。
2. 市場のアップダウンに感情的にならず、投資プランに忠実であること。
長期投資家は、強気相場も弱気相場も動揺せず、生きていく上で当たり前の現実であることを認識しないといけません。
Oxfordクラブと同様に、適切な資産配分を行い、それを維持することです。
それは、毎年最も上昇した資産クラスを減らし、最も下落した資産クラスを増やしていくことを意味します。
資産クラスとは株式、債券、不動産投資信託〔REIT〕、インフレ連動債〔TIPS〕などのことを言っています。個別銘柄ではありません。
ポートフォリオの中で最もパフォーマンスの悪い銘柄を追加するという意味ではありません。
リバランスにより、ポートフォリオのボラティリティを下げられるだけではありません。値上がりしているものを売り、値下がりしているものを買い足すことで、年間リターンをアップすることができるのです。
ベストな投資アイデアが常にうまくいくとは限らない
さらに適切な売却ルールの設定が必要です。
Oxfordクラブの場合はトレーリングストップです。良い時には利益を確実なものにし、悪い時には元本を守ってくれます。
必要な時には売却を実行に移さなければなりません。
短期間でのわずかな損失を避けようとするあまり、長期的に大きな損失を被ってしまう人もいますが、時々の損失は、避けようがありません。
たとえベストだと確信できる投資アイディアでも、常にうまくいくとは限りません。
だからこそ、賢い投資家は、売却ルールなど事前に決めたルールを順守するのです。
それができないのであれば、信頼できる低コストの資産運用会社にポートフォリオを任せた方がよいかもしれません。
最近のような市場の急落に際し、時には感情的になることが悪いわけではありません。誰しも生身の人間ですから、自然に湧き上がる感情というものがあります。
ですが、恐怖や不安のままに行動してしまうと、長期的な利益を生み出すことはできません。
今は株式市場から離れ、見通しが良くなったタイミングでまた株式市場へ戻るのが合理的だと考える人もいるでしょう。
ですが、市場が底値の時に、良い見通しが示されることはまずありません。相場が上向くのを待つうちに、絶好の投資チャンスを逃してしまうことにもなりかねません。
株価が下落するたびに株を売却したくなる衝動とは、断固として戦わなくてはなりません。
長期投資の成功の鍵は、素晴らしい行動を取ることではありません。
馬鹿げた行動をしないことです。そうすれば、おのずと成功できるのです。
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