投資情報

中国に投資すべきでない理由

 

これまで、GDP世界第2位の中国は、世界経済のエンジンであるかのように思われてきました。しかし、今は違います。

私の見解では、中国はもはや投資対象ではないのです。

これは中国国民にとって悲劇的な展開です。

30年前、私は中国が経済的に自由化するにつれて、政治的にも自由化すると期待していました。

しかし、そうはなりませんでした。

事実、中国は逆の方向に進んでいて、その動きは加速しています。

 

中国の政治的動向

昨年からの政治的動向を見ている限り、私は中国に拠点を置く企業の株を所有したり、推奨したりしないでしょう。

(少なくとも、習近平国家主席が権力を握っている間は)。

中国の労働人口は減少しています。高齢化が進み、出生率は低下しています。

そして不動産ブームが一転して不況となりデフレが定着しました。物価が下がれば、消費者は消費をしなくなります。

観光業は崩壊しました。輸出は暴落しています(今年7月の輸出は前年比14.5%減少で、2020年2月以降で最大の落ち込みとなりました)。そして建設債務が膨らんでいます。

ブルームバーグによると、メキシコは今年、中国を抜いて最大の米国貿易相手国となりました。

 

(出所:bloomberg)

 

これは単なる一過性の落ち込みではありません。

 

共産主義の動向

自由市場や成長よりも共産党を優先する習近平氏の新しい経済戦略は、中国に大きな損失を与え続けるでしょう。

共産主義では、頭がよく無関心な官僚たちが、変化の激しい経済を監督・管理できるとふんでいますが、それは不可能であるということです。世界の歴史上、そんなことは一度も実現しなかったのに、中国政府はそれを証明しようとしているのです。

昨年、共産党は習近平氏が言うところの「資本の無秩序な拡張」を抑制するために、さまざまな産業を恣意的に取り締まりました。

(習近平氏は、経済学者のヨーゼフ・シュンペーター氏が「創造的破壊」と呼ぶ経済ダイナミズムの必然的な結果を理解していないようです。古い企業や技術は必然的に新しいものに取って代わられるのです)。

彼の強引な政策の結果、ビジネスマンや投資家は中国を見限りつつあります。

北京は今年、2023年を「対中投資の年」と銘打ちましたが、実際は逆のことが起きています。2023年4 – 6月期の中国への海外直接投資(FDI)は、前年比マイナス87.1%の492億ドルに減少しました。これは1998年以降で最も低い額です。

 

資金と人材の流出

ゴールドマン・サックスのエコノミストは、今年は中国への海外直接投資が中国からの海外直接投資とほぼ同じになって、中国への実質的な投資流入がゼロになるだろうと予測しています。

40年以上にわたって、海外から莫大な投資資金を流入させてきた中国にとっては、驚くべき大反転になります。

中国経済は、技術革新と生産性維持のために海外からの投資と専門知識に依存している状態にも関わらず、資金と人材は流出してしまっているのです。

中国のGDP成長率は2010年代初頭から劇的に鈍化しており、新型コロナウイルスのロックダウン後の、期待されていた景気回復は現れていません。

 

共産党の弾圧

今年7月、中国政府は衝撃的なデータを発表しました。16歳から24歳までの若者の6月失業率が

同時に中国政府は「若者の失業率の公表を一時停止する」と決定しました。

これは、政治における一番の目標が市民の生活向上ではなく、党の支配を拡大する場合に起こることです。

中国共産党は、大都市に集中する若者の不満により権威が脅かされることをよく理解しています。

しかし、中国共産党は不満を持つ若者のニーズに応える経済プログラムを作る代わりに、弾圧を倍増させているのです。

中国共産党は知識人、権利弁護士、活動家など、基本的に反対意見を持つ者を取り締まってきました。

党に異議を唱えたと疑われる者は検挙され、組織は解散させられたのです。

そして政府は、広範囲に及ぶ監視カメラから携帯電話の追跡、顔認識技術に至るまで、あらゆるものを使って人々の動きや考えを監視しています。

この全体主義は徹底しており、中国はいまや北朝鮮と比較されることが多くなっています。

 

習近平が克服できない問題

習近平氏は、悪化する経済からの影響を抑えたいと考えているでしょう。しかし、彼には克服できない問題があります。

それは、市場は封じ込めたりコントロールしたりできないということです。中国共産党の経済政策に対する世界の判断は、誰の目にも明らかです。

以下は、中国の主要株価指数とS&P500種株価指数を比較したチャートです。

<米国株が中国株をアウトパフォーム>

(青)S&P500 種株価指数P500種株価指数 (緑)上海総合指数
出所:Bloomberg のデータを基にOxfordクラブ作成

 

ご覧の通り、米国株は中国株を圧倒的な差で上回っています。2021年に入ってから、中国の主要株価指数である上海総合指数は10%近く下落しているのに対し、S&P500種株価指数は18%以上上昇しています。

このような悲惨なパフォーマンスの結果、中国を除外した新しい新興市場指数が登場しています。

昨年の10 – 12月期以降だけでも、ゴールドマン・サックス、パトナム、ウィズダムツリーなどの資産運用会社が、中国株を除外した10の上場投資信託や投資信託を発表しています。

驚くなかれ、これらのファンドは中国株価指数に勝っています。

中国株は世界で最も割安な部類に入ります。しかし、私ならそんなファンドには手を出しません。

低いバリュエーションは、生産性の低迷、売上高の減少、期待はずれの業績の結果です。

要するに、「独裁リスク」が投資家の頭の片隅にあるのです。

中国は単に最適な投資先ではないだけではなく、世界の資本にとって潜在的なブラックホールなのです。

ロシアがウクライナに侵攻したとき、ルーブルは暴落し、ロシア経済は落ち込み、同国の株式は取引不能となりました。

同様に中国が台湾を手に入れた時、習近平氏が権力を握り、歴史的な経済衰退から国民の目を逸らそうとしている以上、同じような下落が起きる可能性はあります。

私は、中国市場がこれから短期的な上昇を経験しない、あるいは本格的な強気相場にならないとは言っていません。

しかし、もっと良い投資リターンは、もっとリスクの少ない他の場所にいくらでもあるのです。

 

P.S.

今日は中国について私の考えをお話ししました。

やはり自由主義で成長する米国株への投資をお勧めします。

過去13倍、49倍、392倍…と株価上昇を果たした
3つの半導体企業と同じ、「株価上昇のサイン」が点灯している米国株は

→こちら

 

P.P.S

今回の記事はいかがでしたか?

あなたの資産形成に少しでもお役立ていただければ幸いです。

Oxford クラブでは、このような記事を33万人のメールマガジン会員様に毎日無料でお届けしております。

公式サイトからでも1週間にお届けする7つの記事のうち4つはお読みいただけますが、3つはメールマガジン会員様に宛てたものとなっております。

毎日2分メールをお読みになるだけで、少しずつ米国株による資産形成のコツを身に付けていただけるでしょう。

6つの高配当米国株レポート

ちなみに…メールマガジン登録者様にはもれなく『永久に持っておきたい6つの米国株レポート』も無料プレゼントしています。

株式投資というと、「いつ買うか?」というタイミングが大事というイメージが一般的…ですがこの6つは「いつ買ってもいい」銘柄です。

しかも「いつ売るか?」に頭を悩ませることも不要…「持っておく」だけで資産が積み上がることが狙える6つの銘柄を6,200株以上の中から厳選しました。(それが「永久」の由来です)

メールマガジンをお読みになって米国株のコツがつかめてきた頃、投資をする余裕が出てきた頃などなど…

あなたのタイミングで投資をご検討されてはいがかでしょうか?

投資リスクの低いものをお選びしているので米国株投資の初心者にもオススメです。

→「6つの永久に持っておきたい米国株」を無料で知る

Alexander Green(アレクサンダー・グリーン)

Oxford Club チーフ・インベストメント・ストラテジスト。金融・投資関係の4冊のベストセラーの著者で、40年のキャリアがある。米国で金融・投資のニュースレターであるOxfordキャピタル・レターを20年以上執筆しており、ハルバート・ファイナンシャル・ダイジェスト社はこのニュースレターをここ10年以上もの間、最もパフォーマンスの高い投資ニュースレター・ベストテンに選出している。 アレックスの記事一覧 ≫

関連する記事

Back to top button