なぜアメリカ人はリッチなのか?
今年6月の米国のインフレ率は
3.0%に低下しました。
これでも高すぎますが、
1年前の3分の1以下にすぎません。
そして、7月中旬には
賃金がインフレ率を上回るペースで
伸びていることが明らかになりました。
米国時間8月4日に発表された
賃金上昇率も勢いが衰えていません。
これは消費者の購買力を高め、
景気後退を回避するのに役に立つかもしれません。
というのも、過去2年間、賃金上昇は
物価上昇によって完全に相殺されていました。
私たちから金を奪う泥棒であるインフレは
過去40年間で最も高い水準で推移しており、
人々は貧しくなったと感じています。
幸いなことに消費者物価は長期にわたって
賃金を上回るペースで上昇していません。
これは「時間価格」を見れば明らかです。
時間価格とは
「ブルーカラーや単純労働者が何かを買うために働かなければならない労働時間の長さ」を指します。
物価はドルで表しますが、時間価格は時間で表します。我々はお金で物を買いますが、時間でその代金を支払っているという考え方です。
例えば、1バレルの石油の価格が75ドルであなたの時給が15ドルだとすると時間価格は5時間です。
そこから石油1バレルの価格が80ドルに上がり、時給が20ドルになれば時間価格は4時間となり、一見石油のコストは高くなっていても、時間価格は安くなっています。
時間価格は、3つの理由から時間の経過でどれくらい「豊かになったか」を測定する優れた方法と言えます。
1. 時間軸上のすべての時点でその時の物価と賃金が使用されるため、時間価格はインフレを過小評価することも過大評価することもできない。
2. 時間価格は為替変動に左右されない。
(ユーロ、円、その他の通貨で測定することができる)
3. 時間価格は幸福度の変化を測定する標準化された方法。
『Superabundance』著者のMarian Tupy氏とGale Pooley氏はの優れた著書の中で1980年から2020年の間に50の商品のコストを測定しました。
その結果、一部ではなく、すべての商品の価格が大幅に下がったのです。石油、天然ガス、小麦、綿花、大豆、牛肉、とうもろこし、豚肉、砂糖など50品目の平均価格下落率はなんと75.2%でした。
言い方を変えれば、ブルーカラーの労働者はこれらの商品を同じ量買うために75%労働時間が短くなったのです。もちろん、ガソリンスタンドや食料品店でない限り、我々は一般的に材料を買うのではなく、完成品を買うでしょう。
しかし、これらの商品の価格下落は劇的でした。
同じ40年間でみると
調理器具セットは51%
食器洗い機は62%
洗濯機は65%
紳士服は72%
自転車は74%
掃除機は83%
フードプロセッサーは86%
下落しました。
これはブルーカラー労働者から見た数字でホワイトカラーの労働者、特に大卒の労働者にとっては物価がさらに下落していることになります。
ノートパソコン、スマートフォン、薄型テレビなど、1980年には想像すらできなかったものばかりです。住宅価格は常に高く見えますが、住宅価格も時間価格で測定すると下落しています。
例えば、1970年の住宅1平方フィートの平均価格は15.33ドルで米国のブルーカラーの時給は3.93ドルでした。時間価格は3.9時間です。
2019年の平均住宅価格は88.89ドル、ブルーカラーの時給は32.36ドルで時間価格は2.75時間になります。つまり、住宅の時間価格は30%近く低下したのです。
さらに、今日の住宅はエネルギー効率が高く、主要な家電製品が数多く搭載され、空調設備やカウンターキッチンなど近代的な設備がほとんど含まれています。
家族を養い、衣服を着せ、屋根をかけ、明かりを灯し、請求書を支払うために労力を費やす時間が減ればあなたは究極の富が得られるでしょう。
つまり、本当にやりたいことをするための時間が増えるのです。
これは十分に立証された事実です。
しかし、意外なことに
この事実を知ると怒る人が多いのです。
なぜでしょうか?
次回は、その理由を説明しましょう。
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