米国の資本主義が頂点に君臨する理由
最近友人とランチをした際、彼女は北欧ほど住みやすい場所はないと言いました。
「医療費無料、大学の授業料無料、政府年金も充実している。どこにでも住めるとすれば、北欧ほど最適な場所はない」と主張するのです。
収入のほとんどを税金で取られる国、特に消費税が20%以上もかかる国は、「無料」に対して大きな価値を提供できていない、と答える人もいるかもしれません。
ただ今回、その議論はちょっと脇に置いておきましょう。
北欧は住むのに本当に最適な場所なのでしょうか?
確かに、多くの地域よりも生活の質は高いでしょう。
そして、経済的平等や安全性に高い価値を見出す人であれば、その答えは「イエス」かもしれません。
一方、ビジネスチャンスや金銭的自由を重視する人は、「ノー」と答えるでしょう。
これは私に限った考え方ではありません。
英国の『エコノミスト』誌は最近、過去30年間の米国の経済パフォーマンスに関する報告書を発表しました。
それによると、米国経済は単に優勢であるというだけではなく、その力は加速度的に高まっているのです。
1990年、米国経済はG7諸国のGDPの40%を占めていましたが、2022年には58%を占めました。
米国の一人当たりの所得は、西欧の一人当たりの所得より1990年は24%、現在では約30%も高くなっているのです。
米国人は所得が高く、税金が安いだけでなく、より豊かな生活を送っています。
スタティスタによると、米国の成人1人あたりの平均金融資産は58万ドル。一方、欧州の成人1人あたりの平均金融資産は9万4,000ドル未満です。
米国人は欧州に旅行する余裕がありますが、ほとんどの欧州人は米国に旅行するのは簡単ではないのです。
なぜ米国人は所得が高く、豊かなのでしょうか。
確かに、労働時間が長いのは事実です。しかし、それだけではありません。
米国人は所得が高く、豊かな理由その①
より少ない労力でより多くの仕事をこなしているから。
米国の労働生産性は1990年から2022年の間に67%増加したのに対し、欧州では55%、日本では51%の増加でした。
そして、パンデミックからの経済回復は、主要な経済大国の中で米国が最も強力でした。(一方、ユーロ圏は6月8日、再び景気後退に陥ったと発表しました)。
米国人は所得が高く、豊かな理由その②
米国はイノベーションの分野で世界をリードしているから。
海外で有効な特許のうち、米国が占める割合は22%で、2004年の19%から上昇しました。これは他のどの国よりも多い数字です。
1990年、米国は世界経済の4分の1を占めていました。
その後、中国は経済大国となり、世界第2位の経済大国となりましたが、米国は依然として世界経済の4分の1を占め、その優位性を保っています。
米国人は所得が高く、豊かな理由その③
米国の株式市場が、過去30年間、世界で最も高いリターンを生み出してきたから。
1990年に1万ドル(約140万円*)をS&P500種株価指数に投資していれば、現在23万ドル(約3,200万円*)以上を手にしていたでしょう。
代わりに米国株を除いた世界的な株価指数に1万ドル投資していれば、現在では約5万1,000ドル(約720万円*)に留まっていたはずです。
*1ドル140円換算
つまり、米国人は欧州人よりも収入が多く、資産を持ち、高い株式リターンを享受しているのです。
それは、米国の資本主義がダイナミズムに傾き、より自由な市場とより小さな福祉国家を持つからに他なりません。
米国経済は、現実のどのような代替案よりも優れています。
しかし、規制された市場、高い税金、大きな福祉国家を主張する人たちから攻撃を受けています。
確かに、より平等な社会の実現は可能です。
しかし、それは誰もが、より少ないものしか手に入れることができないということです。
今度、誰かが「欧州の経済モデル」の利点を褒め称えるときは、このことを思い出してください。
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