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私が弱気相場で「買う」5つの理由

先日サウスカロライナ州のチャールストンにある美しいホテル、ベネットで開催されたセミナーに参加しました。

その時の話題のほとんどが、一般的な弱気相場…特に今年の弱気相場に関してばかりでした。

弱気相場は株式市場が20%以上下落したことを意味します。

一方で強気相場は20%以上の上昇ということになります。

これまでの歴史を振り返ると、弱気相場の後には強気相場があるように、強気相場の後には弱気相場がやってきます。

強気相場と弱気相場は、季節が変わりゆくぐらいに当たり前のことではありますが、季節よりもはるかに予測不可能なものだと言えるでしょう。

多くの投資家がそれを恐ろしいと感じるのも無理はありません。

しかし、私はそうは思いません。

セミナーの初日、私は参加者に対して、

「私は心理的に何か問題があるのかもしれません」

と笑いながら話しました。

なぜかと言うと、私は「相場が下がれば下がるほど興奮するから」です。

1987年に株価が暴落した時、私はまるでお菓子屋さんで食べたいものを選ぶ子供のような気分でした。

甘くて美味しそうなお菓子が、全てセールになっているのです。

しかし、当時私が抱えていた顧客はそのように感じなかったようです。

彼らはとても驚いていました。

私はすぐに自分の興奮をおさえ、冷静に話をしなければならないと悟りました。

しかし、私の努力の甲斐は虚しい結果に終わります。

ほとんどの人が弱気相場では、新しいポジションを取ったり、既存のポジションを増やしたりすることを嫌がったのです。

私自身は、将来後悔しないように、まだ割安のうちにお宝銘柄をたくさん買っていました。

そして私の考えは正しかったのです。

その後数十年間、私は優良企業の株を買い続けました。

1990年の弱気相場、2000年3月から2002年10月までのドットコム・ショック、米国同時多発テロ以降、金融危機と大不況、そして新型コロナウイルスショックなど、株価が低迷するたびに、どんどん株を買い足していったのです。

そして今日、私たちは2022年の弱気相場の真っ只中にいます。

人々は私に「アレックス。あなたは今、自分のお金でどんな投資をしていますか?」と尋ねてきます。

当然私はこのように答えています。

「今は、株を買っています」

すると、このような質問をされます。

「でも、株価はもっと下がると思いませんか?」

不安になる気持ちは分かりますが、株価は常に下がり得るものです。強気相場でも、もみ合い相場でも、弱気相場でも下がることがあります。予想以上に下がることもありますし、長い間下がることもあります。

ですが、とにかく私は買い続けます。

その理由は次の5つです。

 

①過去を振り返らず、前を向いている

多くの投資家は、自分のポートフォリオがピークからどれだけ下がったのかということばかりに執着します(その一方で、株式を保有していなければ、そのピークに到達することはなかったということをほとんど思い出しません)。

私は次のピーク時に自分のポートフォリオがどの程度の価値になるかを決めるために、今できる行動にだけ興味があるのです。

 

②長期的な時間軸を持っている

私は短期的に必要になるお金を株式市場には置いておきません(あなたもそうするべきではありません)。

ですので、たとえ短期的に株価が下がっても、生活に大きく影響が出るようなことはありません。

 

③資産分配を決めている

不動産、高格付け債券、高利回り債券、米国物価連動国債(TIPS)、貴金属などに分散投資しているので、株式市場にすべてを賭けているわけではありません。

 

④長期的に見れば、有利になることを理解している

このS&P500種株価指数の長期チャートを見てください。
S&P500種株価指数
小学5年生のクラスに「最高の買い場はどこだったか」と聞くと、どこを指し示したと思いますか?

5秒程度分析した後、彼らはそれぞれの弱気相場を指し示したのです。

米コメディアンのジェフ・フォックスワーシー氏は、テレビのクイズ番組でこのように尋ねます。

「あなたは小学5年生より頭がいいですか?」(もちろん皮肉です。)

 

⑤ある面で投資はゲームだと思っている

投資とは、計画を持たない人や実行できない人から、計画を持っていてそれを実行できる人に資金が移動するゲームです。

前者のグループには入りたくないものです。

たしかに、保有する株式の価値が一時的に下がるのは嫌なことです。

しかし少し考えてみてください。

米国の株式市場は過去100年間、1年で74%、5年で86%、10年で94%、20年で100%上昇しています。

もちろん弱気相場では、不安や恐れ、後悔を感じても問題ありません。恥ずかしくても、怒っても良いのです。

株式市場で成功するために、無感情なロボットになる必要はありません。私が言っているのは、そのような感情を抱くのは構わないということです。

しかし、その感情をそのまま行動に移し、現金に戻す。そして、あとで状況が良くなったら株式市場に戻ろうと自分に約束するのは全く別の話です。

当然ですが状況が良くなれば、株価は上がります。しかしそれは、思っているよりずっと高くなるかもしれないのです。

ウォーレン・バフェット氏は、2008年の金融危機の際にウォール・ストリート・ジャーナルの論説で次のように記しました。

今から1カ月後や1年後に株価が上がるか下がるかということは、私には見当もつかない。しかし、株式相場は、センチメントや景気が上向く前に、恐らく大きく上昇することになるとみている。コマドリが来るのを待っていると、春は終わってしまうだろう。

株式投資の大きな皮肉は、見通しが悪く、コンセンサスが悲観的で、株価が低いときこそ、絶好の買い場であるということです。

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Alexander Green(アレクサンダー・グリーン)

Oxford Club チーフ・インベストメント・ストラテジスト。金融・投資関係の4冊のベストセラーの著者で、40年のキャリアがある。米国で金融・投資のニュースレターであるOxfordキャピタル・レターを20年以上執筆しており、ハルバート・ファイナンシャル・ダイジェスト社はこのニュースレターをここ10年以上もの間、最もパフォーマンスの高い投資ニュースレター・ベストテンに選出している。 アレックスの記事一覧 ≫

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