投資情報

悲観論

投資には株式、債券、不動産、金などのアセットクラス(資産クラス)がありますが、これまでの歴史を振り返ってみると、そのリターンは驚くほど一貫していることが分かります。1926年以来、株式市場は96年のうち71年でプラスのリターンを上げているのです(最近のように株価が下落し始めたら、このことを思い出してください)。

株式というのは、ただ企業名が書かれた紙ではありません。株式は企業の一部であり、発行する場合、購入者はその企業の運命を共有する権利を持つということになります。

株式がもたらす驚異的なリターンは、特に「永遠のベア*」と呼ばれる人たちを驚かせることがあります。
*株や株式の価値が下がると期待して一貫して行動する投資家のこと

例えば、ある読者が次のような文章を送ってきました。

株価は1929年に高値を付け、その後投資家は37年間も高値の更新を待っていた。1932年の底値から34年間上昇し、1966年に次の頂点に達した。

そして再び下落し、投資家はその後29年間負け続けている。そして1995年、ダウは再び1966年以来の水準に達した(インフレ調整後)。

これを聞くだけでは恐ろしく思えますが、これは誤解を招くような内容です。

なぜなら配当金を除いて、指数の水準だけを見ると、実際のリターンを大きく歪めてしまうからです。1929年の暴落の前に投資家が最高値で買ったとしても、配当を再投資している投資家の資産が元に戻るまでには、わずか4、5年程度しかかかりません。

 

もちろん、将来の株式のリターンを知ることはできません。しかし長期的なリターンが過去の平均を大きく上回ったり下回ったりすることはないと考えるのが妥当です。

パトリック・ヘンリー氏の有名な言葉に、“ I know no way of judging the future but by the past(過去を知らずして未来を語る術など、私は知らない)”というのがあります。

私が言う「過去」とは、ここ数週間や数か月のことではなく、数十年、数百年のことです。

たしかに、ネガティブな言葉というのは多くの人を惹きつけます。

しかし、偏ったメディア、無能な政治家、膨大な借金があるにもかかわらず、米国は地球上で最も自由でダイナミックなイノベーターで構成されているというのが真実です。毎日、米国人は新しい技術を発明し、新しいビジネスを立ち上げ、画期的な医薬品を開発し、現実の問題を解決しています。そして、これこそが米国を世界史上最大とも言える富を生み出す国に変えたのです。

過去100年間に我々が見た技術の進歩について考えてみてください。

数え切れないほどの医療技術の進歩、テレビ、インターネット、パソコン、スマートフォン、電子商取引、飛行機、宇宙開発。我々の祖先は、現代の生活にどれほど驚くでしょうか? 12億人が貧困から脱し、世界の平均寿命は飛躍的に延びました。我々のイノベーションは、何十億もの人々に、より長く、より健康で、より豊かな生活をもたらしてきました。

メディアはネガティブな報道が多く、決してこのようなことは報じません。

そして、世界はより良くなるということを信じてきた米国人に対して、驚くべき富を生み出してきたのです。

政治家が次に何をするか心配するよりも、投資家が時間をかけるべきことはたった一つです。

それは、最先端の新技術を生み出し、画期的な製品を発売し、四半期ごとに売上目標を達成し、株主に利益をもたらす偉大な企業を見極めることなのです。

アレックス

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Alexander Green(アレクサンダー・グリーン)

Oxford Club チーフ・インベストメント・ストラテジスト。金融・投資関係の4冊のベストセラーの著者で、40年のキャリアがある。米国で金融・投資のニュースレターであるOxfordキャピタル・レターを20年以上執筆しており、ハルバート・ファイナンシャル・ダイジェスト社はこのニュースレターをここ10年以上もの間、最もパフォーマンスの高い投資ニュースレター・ベストテンに選出している。 アレックスの記事一覧 ≫

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