長生きの秘訣と投資
もしあなたが投資アナリストだったとしたら、おそらく周りの人たちは「今の市場についてどう思うか?」という質問をあなたにするでしょう。
そのような質問に対して、私なら「あまり考えないようにしている」と答えます。
もちろん何も考えていないわけではありません。偉そうにしているわけでもありません。ただ、多くの投資家は、市場に執着するあまりに多くの時間を費やしすぎているのです。
割高なのか、割安なのか、今の相場はいつまで続いて、いつになったら終わるのか。
これらに「良い答え」はありません。なぜなら、これらは「良い質問」ではないからです。
説明しましょう。
ある友人が「正しい食生活を送ってより健康になる!」と決意したとします。
その結果、彼は月に数時間、スーパーマーケットのことについて考えるようになりました。
近くにあるのか、値段は高すぎないか、品揃えは十分か、営業日はいつか、何時に閉店するのか。
もちろんこれは正しい食生活を送ることとは全く関係がありません。
健康になりたいのであれば、スーパーマーケット「そのもの」を研究するのではなく、スーパーマーケットで「何を買えば良いのか」を研究すべきなのです。
私の友人であるホールフーズ・マーケットの創設者兼会長、またベストセラー本『The Whole Foods Diet : The Lifesaving Plan for Health and Longevity(仮邦題:ホールフーズ・ダイエット 健康と長寿のための救命プラン)』の著者であるジョン・マッキー氏は、できるだけ長く、健康で、病気になりにくい人生を送りたいなら、90%植物由来のホールフーズ・ダイエットをするべきだと提言しています(ホールフーズvs.大手チェーンスーパーマーケットではなく、未加工食品vs.加工食品という意味です)。
彼の主張は、山ほどある科学的研究によって裏付けられています。
そしてより健康になりたいのであれば、様々な食品を摂るべきです。例えばイチゴだけでなく、ブルーベリー、ラズベリー、ブラックベリー。レタスだけでなく、タマネギ、ピーマン、ビーツ、トマト、カリフラワー。そしてピーナッツだけでなく、クルミ、ピスタチオ、ヘーゼルナッツ、マカダミアナッツなど。このような食品を摂り入れることが大事でしょう。
ジョンはこれらをホールフーズで買ってもらいたいと思っていますが、重要なのは「どこで購入するか」ではないと彼は主張します。
本当に大事なのは、あなたが「何を購入するか」だからです。
これは、投資においても同じことが言えます。
市場の動きに一喜一憂するよりも、 「どの銘柄を保有すべきか」ということに時間を充てるほうが大切なのです。
ナッツやベリーなど様々な食品を摂って、1日1万歩歩いて、健康で長生きをしようと思った時に、それよりも先にあなたのポートフォリオが潰れてしまっては意味がありません。
では、あなたのポートフォリオの健全性を高めるには、何を買えば良いのでしょうか?
それは…
・市場シェアを拡大している
・ブランド名や特許、商標に守られている
このような持続的に成長をしている優秀な企業です。
これは経営が健全で、負債が適度で(あるいはゼロで)、株主資本利益率が高く、バリュエーションが低く、理想的には企業経営陣の自社株保有が大きい銘柄とも言えます。
また料理(食品)を多様化していく必要があるように、ポートフォリオも多様化していく必要があります。大型株も小型株も必要ですし、グロース株やバリュー株、外国株、国内株も忘れずに組み込みましょう。
これらの資産クラスは同時に同じ方向に動くことはないので、分散投資によって投資リスクを軽減することができます(あるものが上昇すれば、他のものは下落するという意味です)。
また、大きな利益をもたらす銘柄を所有できる可能性も高くなります。
実際のところ、これがインデックス運用における利点の一つです。最もパフォーマンスの高い銘柄をすべて保有することが保証されているからです。
(もちろん、パフォーマンスの悪い銘柄も保有することになります。そのため、広範に分散されたポートフォリオよりも、集中されたポートフォリオの方が高いリターンが得られるでしょう。)
今夜、夕食のメニューを考える時、スーパマーケットを調べることからは始めないですよね。同様に長く快適な老後を楽しむために、S&P500種株価指数にこだわる必要もありません。
最も重要なのは、市場ではなく、その中で何を買うかなのです。
良い投資を。
アレックス
P.S.
今の市場でどんな株を買えば良いのか…?
私はこのような株をおすすめしています。