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「この市場は一体どうなっているのか?」

数週間前にサンディエゴで開催された投資カンファレンスでのこと

その場にいた多くの人は同じ疑問を抱えて参加していました。

それは、「この市場は一体どうなっているのか?」というものです。

もちろん、今起きているようなことは過去にもありました。食料品やエネルギー価格の高騰、金利の急上昇、世界的なサプライチェーンの混乱、欧州での武力戦争が起こっているような状況において、投資家が無闇に価格を吊り上げるようなことはないでしょう。

しかし、経験豊富な投資家でさえ少し不安になるのは、そのボラティリティ(変動性)です。ある日の市場は大幅に下落し、次の日には大幅に上昇します。そしてその翌日にはまた下落するのです。この原因は、今年の後半に起こるシナリオを投資家が整理しているからだと考えられるでしょう。

弱気な投資家は、一般的にこのように考えています。

「高いインフレが続き、サプライチェーンの課題は少なくとも来年まで続き、中央銀行の積極的な利上げは景気後退に追い討ちをかける」

一方で強気な投資家は、このように考えています。

「インフレは一時的であり(すでにピークに達しているかもしれない)、サプライチェーンの課題は解決しつつあり(自動車や半導体など一部の例外を除く)、経済縮小というよりもポストコロナに訪れるであろう好景気の入り口に立っていると考えています。

いずれにせよ、短期的に株価がさらに下落しないとは限りません。あるいは、突然相場が反転し、再び景気が好転する可能性もあります。

 

ここで例を出してみましょう。

強気相場は、ファンダメンタルズやセンチメント(市場心理)が好転するかなり前から始まっています。

2020年3月に始まった急激な上昇を振り返れば、それは一目瞭然です。(パンデミックの影響で経済がロックダウンした直後でした)。

しかし投資家がまずすべきことは、何が待ち受けているかを事前に予測しようとすることではなく、それに備えて自分のポートフォリオを準備することなのです。

保守的な株式投資家は、生活必需品、ヘルスケア、公益事業などの優良銘柄を中心に投資することを考えましょう。中程度のリスクなら許容できるという投資家は、エネルギー、金融、商業用不動産などのセクターに注目しましょう。そしてより積極的で、より長い時間を費やせる投資家は、テクノロジーや小売など、売り込まれて割安になった銘柄を探しましょう。

また下落相場では、大型株、中型株、小型株の順で持ちこたえる傾向があることも覚えておいてください。超小型株は、必要とされていない傾向があります。

より多くの下落局面からポートフォリオを守りたいのであれば、大企業にこだわれば良いのです。

 

しかし次の強気相場では、この順位は逆転する可能性があります。

歴史を振り返ると、強気相場の初期には超小型株が最も好調で、次に小型株、中型株、最後に大型株の順になる傾向があります。次の上昇局面で最大限の利益を得たいのであれば、中小企業、特に売上高は伸びているけれども、まだ利益が出ていない企業に集中させることをお勧めします。

これらの銘柄の多くは、健全であるにもかかわらず見過ごされる傾向にあります。

多くの場合、業績予想を下回ることも、悪いニュースを出すこともなく、株価は60%、70%、80%以上下落しています。投資家がリスクを回避して売却に向かうとき、最も痛手を負うのは超小型株なのです。

リスクを分散させることが重要です。そうすれば、不況の中でもポートフォリオは守られ、事態が好転したときに大きな利益を得ることが期待できます。

良い投資を。

アレックス

 

P.S.
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Alexander Green(アレクサンダー・グリーン)

Oxford Club チーフ・インベストメント・ストラテジスト。金融・投資関係の4冊のベストセラーの著者で、40年のキャリアがある。米国で金融・投資のニュースレターであるOxfordキャピタル・レターを20年以上執筆しており、ハルバート・ファイナンシャル・ダイジェスト社はこのニュースレターをここ10年以上もの間、最もパフォーマンスの高い投資ニュースレター・ベストテンに選出している。 アレックスの記事一覧 ≫

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