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株式は弱気相場なのか? そうとも言えるし、そうとも言えない。

今年に入り、市場が激しく揺れ動き急落する中、何人かの読者から「これは弱気相場なのか」という質問を受けました。

私の「そうとも言えるし、そうとも言えない」という答えは、一見矛盾しているように聞こえるかもしれません。

しかしそれはすべて、あなたが何に注目するかによるのです。

弱気相場とは、頂点から20%以上下落した場合を指します。また強気相場は、底値から20%以上上昇した場合です。

ラッセル2000(米コンサルタント会社のラッセルインベストメント社が1984年に開発した米国の代表的な小型株指数。)は20%以上下落しています。つまり小型株が弱気相場に入っていることを意味しているのです。

ダウ・ジョーンズ平均株価指数、ナスダック、S&P500種株価指数は、高値から10%下落した場合と定義される「調整相場」に移行したに過ぎません。

しかし今後数週間で弱気相場の領域に突入する可能性があるでしょう。いや、率直に言えば突入するのです。

そこで弱気相場の歴史を振り返りながら、今後の展開について考えてみましょう。

弱気相場の歴史


1929年以来、S&P500種株価指数は14回のリセッション(景気後退)を経験しています。

(2018年のクリスマスイブに抜け出した19.8%を含めれば、本当は15回ですが。)

記録上最も短い弱気相場は、直近の2020年1 – 3月期のものです。底を打つまでわずか11日間しか続きませんでした。

最も長かったのは1937年3月から1942年4月まで。そして最も深刻だったのは、1929年9月から1932年6月のもので、株価は86%下落しました。

平均的な弱気相場はほぼ10か月続き、ピークから39%の損失を出しました。

(2020年の弱気相場は瞬く間に終わりましたが、株価の下落率はほぼ平均値でした。)

弱気相場を正確かつ一貫して予測することはできないため、投資家は事前に弱気相場に備える必要があるのです。

それは現金で保有し、実質的なリターンがマイナスになることを意味するものではありません。

また市場に飛び込むことでもありません。そのようなことをすれば、調整局面では市場に参入し、上昇局面では退場するリスクがあるからです。

弱気相場への備えは、私が20年以上にわたって推奨している方法で行うべきでしょう。

1. 優良株のみを購入する。
2. 複数のセクターに幅広く分散投資する。
3. 元本と利益を守るため、厳格な売却ルールを守る。
4. 貴金属、ハイグレード債、ハイイールド債、インフレ調整済み国債など、株式市場以外へのリスク分散を図る。

もちろん、これで弱気相場において全く痛手を負わないわけではありません。

世界最高の投資家でも、一時的に(しかし大幅に)ポートフォリオが目減りすることもあります。

しかしマーケットタイマー(安いときに買い、高いときに売却しようとする人)は弱気相場について、紛れもない災難であるかのように語ることが多いのです。

もちろん低位株や高位株をレバレッジで保有している人にとっては、そうなる可能性があります。

最大レバレッジで取引を行う株式ポートフォリオでは、50%の下落は完全な失敗です。

このような事態に陥った場合、最初からやり直す以外、回復する方法はありません。

(これが最大レバレッジで取引をしてはいけない良い理由です。)

自分がうまくやる方法を知っていると思い込んでいる記憶力の悪いパーマベア(常に弱気な投資家)やマーケットタイマーは、市場の底値で株を保有するのは騙されやすい人か愚か者であるという印象を持っています。

しかしそれは間違いなのです。

ウォーレン・バフェットやピーター・リンチ、ジョン・テンプルトンなど、歴史に残る偉大な株式投資家たちは、弱気相場で割安な株をただ保有していただけではありません。

彼らはより多くの割安株を熱心に探したのです。

平均的な投資家は、自分のポートフォリオの現在の価値と最高値を比較し、最高値で売却しなかった自分を責めますが、賢い投資家はそれをチャンスとして利用するのです。

 


良い投資を。

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Alexander Green(アレクサンダー・グリーン)

Oxford Club チーフ・インベストメント・ストラテジスト。金融・投資関係の4冊のベストセラーの著者で、40年のキャリアがある。米国で金融・投資のニュースレターであるOxfordキャピタル・レターを20年以上執筆しており、ハルバート・ファイナンシャル・ダイジェスト社はこのニュースレターをここ10年以上もの間、最もパフォーマンスの高い投資ニュースレター・ベストテンに選出している。 アレックスの記事一覧 ≫

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