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インフレが現実的な水準に戻ってくる理由

2022年の市場は急落で始まり、その後少し反発しました。

現在は売りと買いを繰り返しながら、小刻みに動いている状態です。

その原因はインフレです。消費者物価の上昇率は7%と加速し、過去40年間で最も高水準となりました。

インフレは我々から全てを奪う泥棒です。

それは購買力や利益率、そして我々の生活水準を低下させます。

また金利を上昇させ、割引キャッシュフロー分析に基づく株式価値の縮小を引き起こすのです。

今日の高いインフレ率は、米政府や海外の多くの政府によるパンデミック対策の失敗が主な原因です。

経済の封鎖措置は製造業や運輸業、小売業に打撃を与え、世界のサプライチェーンを完全に狂わせてしまいました。

(多くのビジネスや生活も破壊されました。)

また何兆ドルもの過大な「景気刺激策と救済策」によって懐が肥えた結果、何百万人もの人々が働かないようになり、労働力不足を深刻化させました。

さらに物価の急上昇が明らかになったにもかかわらず、連邦準備制度理事会(FRB)は短期金利をゼロに抑え、大規模な量的緩和策を継続するなどして、対策は完全に後手に回っています。

消費者は怒っています。

食料品店で高い買い物をするのも、給油で50ドルも払わされるのもウンザリしているし、諸経費を支払った後に使えるお金が少なくなるのも我慢の限界なのです。

投資家も不満を抱えていて、多くの人は高いインフレは今後も続くと考えています。

しかし、そうではありません。

なぜ債券の利回りがまだ2%以下で、金(ゴールド)の値段がほとんど動かないかお分かりでしょうか?

それはインフレが2022年半ばには落ち着き、年末には半分以下にまで下がるからなのです。

 

収束はもうすぐ


FRBは自分たちが失敗したことを理解していて、だからこそパウエル議長らは短期金利の上昇と量的緩和の解除を世界に通告したのです。

金利が上がれば消費者や企業が借金をする際のコストが高くなり、それにより物価に押し下げ圧力が働くことになります。

何兆ドルもの赤字支出を追加する「ビルドバックベター(よりよい復興)法案」は、失敗に終わったのです。

民主党はこの法案のいくつかの条項を今年中に成立させるでしょう。しかし財政的なインパクトはほとんどないと思われます。

米政府のインフレ支出はそろそろ収束に向かうはずです。

2021年10 – 12月期の経済成長率は6.9%でした。その結果、1984年以来最も強いGDP成長率を達成することができました

しかし、それはすでに過ぎた出来事です。

エコノミストによると、GDP成長率は2021年1 – 3月期の大規模な景気回復期から減速すると予測しています。

実際、アトランタ連邦準備銀行は今期のGDP成長率を、0.1%というわずかな数字にとどめると予想したばかりです。

経済成長の鈍化はインフレ率も低下させます。

またパンデミックによって、消費者のサービスに対する支出は大幅に減少しました。

(外出を控えると、食事やレジャー、旅行、娯楽に費やす額が減りますね。)

政府からの現金で潤った消費者はネットで商品を購入するようになり、コンピューターや家具、家庭用運動器具、電子機器などを大量に購入しました。

その結果、パンデミック前の2年間で個人消費に占める物品の割合は平均31%だったのに対し、2021年の春には36%に跳ね上がりました。

しかし、オミクロンの衰退とともに、大きな変化が起きています。

商務省の発表によると、モノへの支出が減り、意外にもサービスに対する支出が増えてきているというのです。

これがインフレ抑制につながるのでしょうか?

消費者がより多くのサービスを購入し、モノへの支出を減らせば、サプライチェーンへの圧力が緩和されます。

またパンデミックに対する支援が薄れれば、より多くの人々が仕事に戻る気になり、労働力不足が緩和されるでしょう。

要するに、経済の減速、パンデミック救済の終了、景気刺激型ではないFRB、労働力の増加、モノよりサービスを優先することによって、物価は現実なレベルに戻ってくるのです。

これにより特に選挙年である2022年は、FRBに対する利上げ圧力が緩和されるでしょう。

これは経済、小売売上高、企業収益、そして最終的には株式市場にとってもプラスになるのです。

良い投資を。

アレックス

PS
そしてその時、投資家である我々は何をすべきなのか?
ここで一緒に考えましょう。

詳しくはこちらです

 

Alexander Green(アレクサンダー・グリーン)

Oxford Club チーフ・インベストメント・ストラテジスト。金融・投資関係の4冊のベストセラーの著者で、40年のキャリアがある。米国で金融・投資のニュースレターであるOxfordキャピタル・レターを20年以上執筆しており、ハルバート・ファイナンシャル・ダイジェスト社はこのニュースレターをここ10年以上もの間、最もパフォーマンスの高い投資ニュースレター・ベストテンに選出している。 アレックスの記事一覧 ≫

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