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長生きのための12の方法

昨年末のメールマガジンでは、豊かな人生を支える4つの柱のうち、「健康的な食事」と「十分な運動」の2つを取り上げました。

今回は研究者が「現代の健康における最も重要な欠落」と呼ぶ、3つ目の柱について考えてみましょう。

自分自身はもちろん、子供や孫のためにも、健康であることほど切に願うことはありません。

生まれたばかりの赤ちゃんを徹底的に検査した後、産科医がもしもこのように言ったとしたら、どんなショックを受けるか想像してみてください。

「あなたの子供は一生の間、何度も昏睡状態に陥ります。それは時に死のようなものです。そしてそこに横たわっている間、彼の心はしばしば奇妙で予測不可能な幻覚で満たされることになるのです。この状態が人生の3分の1を占めるのです」。

もちろん医師はこんなことは言いませんし、その必要もありません。なぜなら我々は皆、「睡眠」の本質を理解しているからです。

睡眠は自然界で最も奇妙な進化適応の一つと言えるでしょう。

結局のところ眠っているときは、食べることも、交流することも、交尾することも、自分を守ることも、子孫を守ることもできないのです。

しかし睡眠は不可欠です。なぜなら睡眠が人間の健康に大きく影響するからです。

睡眠は、学習能力、記憶力、論理的判断力など、さまざまな機能をサポートします。

また免疫力を高め、感染症を予防し、病気を寄せ付けないようにします。

他にも食欲を調整したり、血圧を下げたり、マイクロバイオーム(人間が健康を保つ上で重要な役割を果たしているとされる人体にいる微生物の相対)を繁栄させたりします。

脳と体の健康をリセットするために我々が毎日行っていることの中で最も効果的なことは、睡眠なのです。

しかし世界保健機関によると、先進国の成人の3分の2以上が、同機関が推奨する1日8時間の睡眠をとれていないそうです。

政府機関は、世界の先進国全体で睡眠不足が蔓延しているとさえ断言しています

「蔓延」というと極端に聞こえるかもしれません。

しかしカリフォルニア大学バークレー校の人間睡眠科学センター所長で、全米ベストセラー『睡眠こそ最強の解決策である』の著者であるマシュー・ウォーカー博士の話を聞けば、そうとは思えなくなるでしょう。

日常的に睡眠時間が6~7時間未満だと、免疫システムが破壊され、がんのリスクが2倍以上になります。睡眠不足は、アルツハイマー病を発症するかどうかを決定する重要な生活習慣の要因でもあります。睡眠不足は、たとえ1週間ほどのわずかな減少であっても、糖尿病予備軍と分類されるほど血糖値を大きく乱します。睡眠時間が短いと、冠動脈が詰まってもろくなり、心血管疾患、脳卒中、うっ血性心不全になる可能性が高くなるのです。

また睡眠障害は、うつ病、不安神経症、自殺願望など、精神疾患の原因にもなります。

忙しく働いている人は、「死んだら寝よう」とよく冗談で言います。しかしそのチャンスは他の人たちよりも早く訪れるかもしれません

複数の研究によれば、睡眠時間が短いほど寿命が短くなると結論付けられています。

睡眠不足は健康への影響だけでなく、他の望ましくない結果も生み出します。

例えば居眠り運転は、毎年何十万件もの交通事故や死亡事故の原因になっています。

居眠り運転による交通事故は、アルコールと薬物による事故を合わせたものよりも多いのです。

つまり十分な睡眠をとることは、健康で長生きするために不可欠なのです。

では、どうすればより多くの睡眠をとることができるのでしょうか?

ウォーカー博士は12個のアドバイスを行っています。

  1. 睡眠スケジュールを守る。毎日、同じ時間に寝て、同じ時間に起きる。
  2. 早朝に、あるいは就寝の2〜3時間前までに運動する。
  3. カフェインとニコチンを避ける。
  4. 就寝前のアルコールは避ける。
  5. 深夜に大量の食事をしない。
  6. 睡眠を妨げるような薬は避ける。(不明な場合は医師に確認すること。)
  7. 午後3時以降に昼寝をしない。
  8. 寝る前にリラックスする。読書や癒しの音楽を聴くのも効果的。
  9. 寝る前に熱い風呂に入る。
  10. 寝室は暗く、涼しく、電子機器類は置かない。
  11. 正しい日光浴をする。昼間の光は睡眠パターンを整えるのに役立つ。毎日30分以上、自然な日光を浴びるように心がけよう。
  12. 眠れないままずっと横にならない。眠れないという不安は入眠を難しくするだけだ。再び眠くなるまで起きて読書やオンライン講義を聴くなど、リラックスできることをしよう。

睡眠は人間の生命維持に欠かせないものです。

睡眠時間を20分増やすだけでも、気分が良くなり、健康が増進され、寿命が延びます。

睡眠は予防医学の最たるものなのです。そしてこの多くの恩恵のコストはゼロなのです。

アレックス

Alexander Green(アレクサンダー・グリーン)

Oxford Club チーフ・インベストメント・ストラテジスト。金融・投資関係の4冊のベストセラーの著者で、40年のキャリアがある。米国で金融・投資のニュースレターであるOxfordキャピタル・レターを20年以上執筆しており、ハルバート・ファイナンシャル・ダイジェスト社はこのニュースレターをここ10年以上もの間、最もパフォーマンスの高い投資ニュースレター・ベストテンに選出している。 アレックスの記事一覧 ≫

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