金融リテラシー | 株で勝つ3つの方法

株式投資で大きな利益を狙うためにやってはいけないこと
それは「いつ」株を買って「いつ」株を売るのかのタイミングを図ることです。
大きな利益を狙えるかどうかは、大きな値上がりが期待できる「個別銘柄」を保有できるかどうかによって決まります。タイミングではなく、個別の銘柄の選定。これが、優れた投資家が大きな利益を上げている理由なのです。
多くの投資家に「史上最高の銘柄選択者は誰か」と尋ねれば、ウォーレン・バフェット氏を筆頭に、さまざまな良い答えが返ってくるでしょう。
しかし同じ人々に「それでは、史上最高のマーケットタイマーは誰か」と聞くと、小さなひそひそ声が聞こえてきて、そしてシーンとなってしまいます。
バンガードの創業者であるジャック・ボーグル氏の有名な言葉が、それを裏付けます。
この仕事を始めて50年近くになりますが、市場の動向を見計らってうまくいった人を私は知りません。その投資手法で成功した人を知っているという人もいません。
大きな利益を狙いたいなら、ニュースや新聞を見るのをやめて、代わりに電卓を取り出してください。
ビジネスを分析すること
売上高の増加、市場シェアの拡大、2桁%または3桁%の利益成長、高い自己資本利益率(ROE)を達成した企業の株価は上昇します。
それらを達成しない企業の株価は、上昇しません。
しかし一人の人間が不器用なスタート(思春期)を経て、熟練し成功する時期(成熟期)に達し、そしてゆっくりと、あるいは急激に衰退する時期(老齢期)を経験するように、企業にも限られた全盛期があります。
2018年6月、ダウ・ジョーンズ工業株の最後のオリジナル構成銘柄のゼネラル・エレクトリック (NYSE: GE) が一世紀以上の時を経て指数から外された時に、そのことを目の当たりにしました。
信じられないかもしれませんが
- マーケットリーダーであるアップル (Nasdaq: AAPL)
- アマゾン (Nasdaq: AMZN)
- ネットフリックス (Nasdaq: NFLX)
- グーグルの親会社であるアルファベット (Nasdaq: GOOG)
いつかは他の企業がその地位を取って代わることでしょう。
しかし、それはまだ先の話です。
自分でビジネスを運営したことのある読者の方はお分かりのように、企業が利益の出るニッチな分野を見つけて、それに全力で取り組んでいるときに、何かの変化によって見通しが完全に変わってしまうことがよくあります。
その「何か」とは、既存の価値基準を打ち砕くような新技術であったり、手強い競合他社の台頭であったり、あるいは、ただ消費者の嗜好の変化であったりといったことです。
しかしどのような理由であれ、いったん市場シェアを失い始めると、それを取り戻すのは(不可能ではないにしても)困難であることが多いので、だからこそ、いつまでも持ち続ける価値のある企業は少ないのです。
すべての投資家が個別株で市場に勝つためには、何を買うかという厳格な基準と、いつ売るかという厳格な規律の二つが必要になります。
銘柄選択の三つの方法
▼35年の経験から私が見つけた銘柄選択の三つの方法は
- モメンタム投資
- バリュー投資
- 企業の関係者に便乗して成功すること
です。
モメンタム株とは、売上高や業績の伸び、製品の革新性、価格の動きなどで市場をリードしている企業のことを指します。強気の市場では上昇が早く、弱気の市場や調整局面では下落が激しくなる傾向があります。
バリュー株とは、株価売上高倍率 (PSR)、株価収益率(PER)、株価純資産倍率(PBR)のいずれかが、割安な企業のことを指します。また平均よりも多くの配当を支払っていることが多いのも特徴です。これらの銘柄は、強気の市場ではあまり上昇しないかもしれませんが、弱気の市場ではよく持ちこたえます。カメがウサギに勝つ理由の良い例です。
また、企業の関係者に便乗する、とは、役員や取締役、大株主が、自社の株を大量に取得した情報を参考にするということです。米国では、これらの情報は全てSEC(米国証券取引委員会)に提出され、一般公開されます(提出しなかった場合はインサイダー取引として違法になります)。
このような人たちは、自社の将来の事業見通しに関するさまざまな重要未公開情報にアクセスできるため、彼らが自社株を個人的に大量購入したというのは、その企業の業績が大きく伸びる1つの重要なサインです。
これらの三つの異なるアプローチは、全く異なる評価基準を必要とします。しかしいずれも、これから成長が期待できる「個別銘柄」を選ぶ際の重要な方法です。
良い投資を。
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