投資情報

成人した子供に仕送りをすべきか?

以前、USAトゥデイが「アダルトチルドレンに老後の生活を奪われないためには(Don’t Let Your Adult Kids Drain Your Retirement)」という記事を掲載しましたが、これは悲しく、そしてショッキングな内容でした。
 
メリルリンチの調査によると、今日、80%の親が成人した子供に何らかの経済的支援をしています。
 
実際には、成人した子供のために使うお金は、老後のための貯蓄に回すお金の2倍にもなります。
 
また親の半数は貯金を取り崩し、4分の1はリバースモーゲージなどの借金をしてでも資金援助をしたいと答えています。
 
ほとんどの親が愛情を持ってやっているのは間違いありませんが、それでも大きな間違いであることはちがいありません。
 
なぜなら、親の中には老後を快適に過ごすための十分な資金がない人もいるからです。そして、子供たちが苦労して成功する機会や、お金がないことの意味を身をもって知る機会を奪ってしまうことになるからです。
 
私の場合、両親は私が大学を卒業した後、一銭も出してくれませんでしたし、私も要求しませんでした(私は仕事の経験が少なく、クレジット・スコアもなかったので、最初の自動車ローンは父が連帯保証人になってくれました。ですが支払いは私でした)。
 
私はぽんこつ車に乗っていました(ステレオのほうが車本体よりも高価なくらいでした)し、好きでもない同僚と一緒に暮らしていました。支出は控え、外食もほとんどしませんでした。
 
それでもそのような月日は私の人生の中にとって最高の経験でしたし、1ドルの価値について教えてくれました。
 
しかしUSAトゥデイの記事によれば、今日、多くの親が成長した子供たちの家賃、食料品、ケーブルテレビ、スマートフォン、さらには休暇にまでお金を払っていると指摘しているのです。
 
誤解しないでほしいのですが、もしあなたにお金が有り余っていて、自分がまだ生きている間にそれを子供たちに分け与えたいと思っているのなら、それはそれで良いことだと思います。
 
しかし子供の生活を少しでも楽にすることと、子供を自分勝手なモンスターにしてしまうことには大きな違いがあります。
 
以前UNCウィルミントンの学生である娘のハンナに(彼女もパートタイムで働いていますが)お小遣いをあげていることを友人に話したことがあります。
 
その時の友人が私を見る目は、金持ちのくせにケチだと言わんばかりでした。
 
彼にはとっくに大学を卒業している3人の成人した子供がいて、実際に給与が発生するような商業活動をしていたわけではなかったのですが、全員がまだ家族から収入をもらっていたのです。
 
将来の老後が完全に保証されている人間としては、娘に大学在学中に好きなものをいくらでも与えることは簡単です。
 
簡単ですが、私に言わせればそれは大きな間違いなのです。
 
私は娘に、自分が欲しいものと必要なものの違いを知り、選択することを学んでほしいと思っています。
 
もし娘がコンサートや旅行に行くような特別な機会があれば、私や母親が援助するでしょう。しかし彼女は高級デパートで買い物をしたり、町の高級レストランに行ったりはしません。
 
(実際、彼女はクレジットカードではなくデビットカードしか持っていないので、使いすぎるといった危険な誘惑はありません)。
 
愛情や自分の貧しい子供時代を取り戻そうとする気持ち、あるいは罪悪感から、子供が望むものを何でも与えてしまう親は、一度蛇口を開けてしまうとなかなか止められないことに気づきます。
 
また自分が老後を迎えたときに十分な資金がなかった場合、子供たちは親をサポートしてくれるのでしょうか?もしそうだとしたら、子供たちにとってそれは負担ではないでしょうか?
 
個人的にはそうはなりたくありませんが、最近では私のような存在は珍しいようです。
 
中年の友人や隣人の中には、成長した子供たちに経済的サポートを行っている人がたくさんいます。『となりの億万長者:成功を生む7つの法則』の著者であるトーマス・スタンリー博士とウィリアム・ダンコ博士によると、自力で大金持ちになった人の多くは、子供への援助は行わないそうです。
 
自分の子供が深刻な危機に陥ったとき、それを助けられるだけの経済的な余裕があるのは素晴らしいことです。
 
しかしすべての危機が命に関わるわけではありません。私の経験では、自重し、自分で問題を解決し、自分の身の丈に合った生活をすることで、貴重な教訓を得ることができるのです。
 
私の考えでは、もしも子供に援助をしたいと思いその余裕があるならば、そうすべきです。
 
しかし残りの人生をかけてその支払いをすることになるのであれば、それはお勧めできません。
 
良い投資を。
 
アレックス

Alexander Green(アレクサンダー・グリーン)

Oxford Club チーフ・インベストメント・ストラテジスト。金融・投資関係の4冊のベストセラーの著者で、40年のキャリアがある。米国で金融・投資のニュースレターであるOxfordキャピタル・レターを20年以上執筆しており、ハルバート・ファイナンシャル・ダイジェスト社はこのニュースレターをここ10年以上もの間、最もパフォーマンスの高い投資ニュースレター・ベストテンに選出している。 アレックスの記事一覧 ≫

関連する記事

Back to top button