投資情報 | AIでも壊せない産業とは?

「HALO」とは? AI時代に生き残る資産モデル
ここ数週間、私とアナリスト仲間の間で、
ある言葉が頻繁に話題に上るようになりました。
それが、HALO(Heavy Assets, Low Obsolescence)*という考え方です。
※2026年初めにウォール街で注目され始めた投資コンセプト。
AI時代に代替されにくい企業群の特徴を表現した言葉。
これは、大きな設備投資が必要な一方で、
技術的に古くなりにくい資産モデルを指しています。
実はここ十数年、企業経営の常識はまったく逆でした。
「資産をできるだけ持たない経営に切り替えなければ、
と、言われ続けてきたのです。
その背景にあったのが、
SaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)
ソフトウェアが世界を席巻し、
「コードこそが王様」とまで言われる時代になりました。
その結果、
鉄鋼やコンクリートで造られた設備、
あるいはディーゼルエンジンのような重厚な産業は、
すでに時代遅れの存在だと見なされるようになったのです。
ところが、
2026年、その流れが大きく変わり始めています。
今の市場には、
ある極端な空気が流れ始めているのです。
それは、
「AI関連なら何でもいい」
と言わんばかりの熱狂です。
ただし、これは
「AIが失敗するかもしれない」
という不安から生まれているわけではありません。
むしろ逆です。
AIの力によって、
その現実が、
投資家たちに強い衝撃を与えているのです。
そして今、そうした状況の中で、
投資家たちが新たに注目し始めているのが、
「AIでも壊すことができない数少ない産業」です。
静かに資金を移し始めているウォール街
2026年が始まって以来、ハイテク株をめぐる市場には、
どこか“終末論”のような空気が漂い続けています。
その引き金の一つとなったのが、
OpenAIの有力なライバルとして知られるアンソロピックです
同社はここ最近、AI「Claude」に新機能を次々と追加。

その進化した能力と潜在力が、
あらゆる産業の構造そのものを揺るがしかねないとして注目を集め
もしアルゴリズムがホワイトカラーの仕事を次々と代替し、
企業がそれによって高い利益率を実現できるとしたら——
これまで安泰だと思われてきた企業のビジネスモデルにも、
巨大な壁が立ちはだかることになります。
実際、かつて
「完璧なモデル」
投資家の視線は徐々に離れ始めています。
例えば、
- SAP ADR (NYSE: SAP)
- データドッグ (Nasdaq: DDOG)
- アドビ (Nasdaq: ADBE)
- スノーフレーク (NYSE: SNOW)
- セールスフォース・ドット・コム (NYSE: CRM)
- サービスナウ (NYSE: NOW)
- ワークデイ (Nasdaq: WDAY)
といった代表的なソフトウエア企業の株価は、
2026年に入ってからおおむね20%前後、
あるいはそれ以上の下落を記録。
ソフトウエア関連銘柄で構成されるETF、
iシェアーズ拡大テクノロジー・ソフトウエアセクターETF (Cboe: IGV) も、
年初来で下落となりました。
さらに影響は、ソフトウエア企業だけにとどまりません。
例えば、
- ビザ (NYSE: V)
- アメリカン・エキスプレス (NYSE: AXP)
といった決済企業も、
サイバーセキュリティ分野でも、
- クラウドフレア (NYSE: NET)
- クラウドストライク・ホールディングス (Nasdaq: CRWD)
- ゼットスケーラー (Nasdaq: ZS)
などが、
また、
- ブルー・アウル・キャピタル (NYSE: OWL)
- アポロ・グローバル・マネジメント (NYSE: APO)
といった投資会社の株価下落も、見過ごすことはできません。
ところが、その一方で、
これまで「古いビジネス」と見なされてきた企業の株価は、
むしろ上昇基調にあります。
特に注目されているのが、
デジタルではなく、実体のある“モノ”を動かす産業です。
例えば、
- 資本財セレクト・セクター SPDR ETF (NYSE Arca: XLI)
- iシェアーズ 米国素材ETF (NYSE Arca: IYM)
- エネルギー・セレクト・セクター SPDR ETF (NYSE Arca: XLE)
です。
もちろん、
イラン情勢や米国北東部の猛吹雪といった
地政学的要因も影響しています。
しかしそれ以上に、
市場の大きなテーマとして浮上しているのが、
「HALO」トレードです。
AIのデジタル支配を現実に変えるもの
年初来で最も好調な銘柄の一つが、
多くの投資家がすっかり忘れかけていた老舗企業、キャタピラー (NYSE: CAT) で

同社の株価は、今年に入ってからわずか3か月ほどで約21%上昇
これは、
いわゆる「ミーム株」のような短期的な人気でも、
派手な新アプリを発表したスタートアップでもありません。
むしろ、その逆です。
これこそが「HALO」トレードの典型的な例です。
キャタピラーは、重機や建設機械をつくる企業。
そして現在、同社は
- 過去最高の年間売上
- 過去最高の四半期収益
- 512億ドルという過去最大の受注残(バックログ)
を抱えています。
デジタルに熱狂する世界の中で、市場は今、
「AIでは簡単に代替できないもの」に価値を見出し、
そこにお金を流し始めているのです。
素材や産業分野が好調なのも、理由があります。
それは、AIデータセンターの建設に深く関わっているからです。
現在、いわゆる4大ハイパースケーラーと呼ばれる
- アルファベット (Nasdaq: GOOGL)
- アマゾン・ドット・コム (Nasdaq: AMZN)
- メタ・プラットフォームズ (Nasdaq: META)
- マイクロソフト (Nasdaq: MSFT)
は、今年だけで約6,

これは、前年より約70%も多い規模になります。
さらにメタは、
今後数年間でAIの開発を進めるため、
6,000億ドル規模の投資を行うとも表明しています。

つまり、
世界がAIとデジタルによって作り替えられていく中で、
膨大なお金が、実体のある“物理的な世界”
その一方で、多くのハイテク企業は、
アンソロピックのAI技術によって、
厳しい競争にさらされていくでしょう。
【まとめ】「古い産業」こそが、AI時代の新たな主役に
こうした流れの中で生まれているのが、
「HALO」トレードです。
これは単なる一時的なテーマではありません。
今、市場で起きている最も大きなトレンドの一つ。
そして、
時代の流れそのものと言える変化なのです。
マシュー・カー
〜編集部〜
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