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投資情報 | 世界で「信頼」が壊れ始めた日


信頼が揺らぎ始めた2026年


2026年の幕開けと同時に囁かれ始めた
「価値の切り下げ」という言葉が、
全ての始まりでした。

今、その気配ははっきりと感じ取れます。

連邦準備制度理事会(FRB)の会合のたびに漂う、言葉にしづらい緊張感。

国債市場に見える、落ち着きのない動き。

そして、「まだ大丈夫だ」と言い聞かせるように話す
政策担当者たちの声。

けれど、現実は違います。

彼らはもう、状況を完全にはコントロールできていません。

世界中で続けられてきた
「問題を先送りしながら、その場をしのぐ」というやり方は、
ついに限界に近づいています。

そして、信頼にひびが入ったとき、
金はただ光る存在ではなくなります。

これまで以上に、
はっきりと輝き始めるのです。

 


サイクルの悪役


どの時代にも、
「これが悪かった」と言われる存在があります。

2008年は、ウォール街。

出所:Reuters

2020年は、ウイルスでした。

出所:Reuters

 

では、今回はどうでしょうか。

  • FRB議長
  • インフレ
  • 借金

ではありません。

今回、本当に失われているものは、
「信頼」そのものです。

ドルへの信頼。
政治への信頼。

そして、
「明日も、今日と同じ感覚でお金が使えるはずだ」
という当たり前の感覚です。

こうした信頼が、
時間をかけて、
少しずつ削られてきました。

だからこそ、
人々は、何千年も前から価値を保ってきた金へと向かいました。

その結果1月26日に、
金は1オンス当たり5,000ドルを超える水準まで上がったのです。

出所:日本経済新聞

 

同様に、
銀は1月28日に110ドルを超え、
プラチナも1月26日に2,100ドルを超えました。

お金の価値を下げることが長く続くと、
「この仕組みは大丈夫だろうか」という気持ちが消えていきます。

そして一度、
その気持ちが薄れてしまうと、
どれだけ立場の高い人が出てきても、元には戻せません。

お金はあとから作れても、
信頼だけは、後から足すことができない
のです。

 


ほころびを見せる偽りの信頼


投資家たちは、
ようやくこの見せかけに気づき始めています。

「経済は強い」という言葉の裏で、
米国政府は再び貿易政策を武器として使い始めました。

そして次に狙われているのは、カナダと韓国です。

彼らはなぜ狙われているのでしょうか?

それは、ホワイトハウスから「従え」と命じられたとき、
素直に従わなかったからです。

新たな関税の脅しを出すというのは、
ドルの棺桶に、また一本釘を打ち込むことと同じ意味でもあります。

その結果、
世界中の資金は、
光るものすべてへと、一斉に逃げ出していくのです。


6,000ドルは通過点なのか


ゴールドマン・サックス (NYSE: GS) は、
2026年の金の目標価格を
1オンス当たり4,900ドルから5,400ドルへと引き上げました。

モルガン・スタンレー (NYSE: MS) は、5,700ドルを見ています。

そして、
派手な予測を恐れないドイツ銀行は、
年末までに金は6,000ドルに達すると予想。

さらに、
ソシエテ・ジェネラルも、
金が6,000ドルに到達すると見ています。

FRBの次期会長指名の影響で金は急落しましたが、
これらの予測は強気とは言えないように見えます。

ただし、彼らは適当に数字を出しているわけではありません。

彼らは市場の動きを見ています。

世界中の投資家が、
ドル建て資産を手放し、
実物資産へと資金を移している様子を、
はっきりと確認しているのです。

ブルームバーグによると、
iシェアーズ・シルバー・トラスト (NYSE: SLV) 」には、
1日で1億7,100万ドル以上という、過去最大の資金流入がありました。

「金に強化剤を打った存在」とも呼ばれる銀は、
今や世界で最も混み合った「恐怖の取引先」になっています。

あまりの過熱ぶりに、中国・北京当局は、
唯一の銀の上場投資信託の立ち上げを中止し、
投機の熱がさらに高まるのを止めなければならなかった
ほどです。

そしてここからが、本当に面白いところ。

賢い投資家たちは、既に次の一手を考え始めています。

銀の下落に賭ける上場投資信託にも、
新たな資金が流れ込み始めました。

商品市場の循環を知っている人なら、
欲が、どれほど早く恐怖に変わるかをよく分かっています。

 


80/50の法則


この法則は、
金や銀を見てきた人たちの間では、
とてもシンプルな目安として知られています。

金と銀の値段の差が大きくなりすぎて、
その比率が80を超えたとき、
銀が安く見られています。

逆に、
50を下回るようになると、
今度は銀が高くなりすぎている状態です。

2025年の半ば、
「解放の日」※と呼ばれた大きな相場の崩れが起きた直後、
この比率は100を超えました。

※2025年4月2日トランプ大統領が「相互関税」を発表した日

 

これは、
「今は銀の番だ」と教えてくれる、
かなり分かりやすい合図でした。

その後、何が起きたでしょうか。

ほんの数か月で、
銀の値段は二倍、三倍という勢いで跳ね上がりました。

そして今、
金の暴落などを受けて比率は急騰しましたが、
それでも比率は59付近を推移しています(2026年2月3日時点)。

出所:TradingView

金が一気に売られたことで、
バランスが大きく変わったのです。

つまり、
今の銀は、少しずつ安い存在へと変わろうとしているのです。

お金の流れは、少しずつ銀へ戻ろうとしています。

これは、ちょっとした知識や占いの話ではありません。

経験のある投資家が、
自然にやっているお金の動かし方です。


【まとめ】居場所を変えるお金


ではなぜそんな動かし方をするのか。

それは、通貨の仕組みが揺らいでも、
お金そのものが消えるわけではないからです。

お金は消えません。
居場所を変えるだけです。

米ドルは、
世界でいちばん信じられてきた紙のお金です。

約束と信頼によって成り立っていますが、
無理なやり方が続けば、
その信頼は少しずつ減っていきます。

赤字が積み重なり、
新しい関税の話が出るたびに、
「本当に大丈夫なのか」という気持ちが広がっていきます。

そんな中で、

  • プラチナ

これらは、ただの材料や商品ではなくなります。

もはや、
不安なときに頼れる、
救命ボートのような存在なのです。

 

マシュー・カー

 

〜編集部〜

 

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Matthew Carr(マシュー・カー)

Oxford クラブ・ジャパンのチーフ・インベストメント・ストラテジスト。金融業界で20年のキャリアを持つ。 企業の中ではある一定のサイクルで株価が上下する銘柄があると言われており、マシューの専門はそのサイクルを見つけ出すこと。 彼の専門領域は石油・ガスといった伝統的な産業から、AI、5Gといった最先端テクノロジーなど多岐にわたる。 マシューの記事一覧 ≫

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