投資情報 | 2025年、金や株を凌駕する“見過ごされた資産”

伝説の兄弟が仕掛けた史上最大の賭け
1970年代のこと。
当時、ドルは下落しており、
 新聞の見出しには連日のように
 「ハイパーインフレーション」の文字が踊っていました。
そんな中、ネルソン・ハントとウィリアム・ハント
 という兄弟が、ある野心的な計画を立てます。
それは、歴史上最も壮大な市場操作として
 語り継がれることになる出来事でした。
彼らは、ドルの下落が
 貴金属価格を押し上げることを理解していました。
そこで彼らが目をつけたのはある貴金属。
それは金やプラチナ、パラジウム
 といった一般的な貴金属ではありません。
彼らが目をつけたのは「銀」でした。
当時、1979年初頭、
 銀の価格は1オンス※当たりわずか6ドル。
とはいえそれは、
 後に訪れる壮大な物語のほんの序章に過ぎなかったのです。
では、その理由を説明しましょう。
数十億ドル規模の資源バブルの崩壊
ハント兄弟は、可能な限り多くの銀を買い集めました。
すると、1979年が終わる頃には、
 銀の価格は1オンス当たり25ドルに上昇。
年初の4倍以上です。
しかし、本当の急騰、そして崩壊は
 ここから加速していきます。
1980年1月18日、
 銀は史上最高値となる1オンス当たり50.
そう、金に比べて地味だと思われてきた銀が、
 わずか1年あまりで713%もの上昇を遂げたのです。
その結果、ハント兄弟は10億ドル規模の資産を築き、
 先物取引を通じて1億オンス(約2,835トン)
彼らは世界市場を揺るがせ、
 世界の銀の3分の1近くを支配していたのです。
もちろん、彼らの巨額の持ち分は
 マージン取引(信用取引)によって成り立っていました。
そしてついに当局は、
 ハント兄弟の影響力を無視できなくなります。
1980年1月7日、COMEX(ニューヨーク商品取引所)は、
 ハント兄弟の過剰な取引を抑制するために
 悪名高い「シルバー・ルール7」を導入。
これは銀のマージン取引を規制するものです。
さらに連邦準備制度理事会(FRB)は、
 銀行に対して投機目的の融資を停止するよう要請。
こうして資金の流れを断たれたハント兄弟は、
 過剰なレバレッジを抱え、資金調達の手段を失いました。
そして、追証(マージンコール)に応じることができず、
 その影響は世界中に波及しました。
その日は1980年3月27日。
後に「シルバー・サーズデー(銀の木曜日)」
その日、貴金属市場は大混乱に陥り、
 銀の価格はわずか1日で50%以上暴落。
1オンス当たり10.80ドルへと急落しました。
その後に訪れたのは、誰もが目を疑うような壮絶な崩壊劇です。
しかし、ハント兄弟にとっては、
 債権者への支払いと長年の裁判に追われる地獄の始まりでした。
こうして銀市場は、その後何十年にもわたって
 この“市場操作の悪影響”に苦しむことになります。
ですが、あれから45年以上が経った現在、
 この貴金属は新たな歴史を書き始めています。
止まらない銀の復活劇
2025年10月9日。
銀はついに1オンス当たり50ドルの壁を突破。
多くの投資家にとって、
 銀と金はまるで正反対の動きを見せてきた2つの資産です。
金は常に見出しを飾り、
 史上最高の1オンス4,300ドルを超えて輝きを放っています。
一方で銀の上昇は控えめで、
 金融メディアではほとんど話題にされません。
しかし、重要なのはここからです。
銀の上昇は、まだ終わっていません。
著名投資家ピーター・シフ氏は、
 「銀は1オンス当たり100ドルへ向かっている」
 と語っています。
その理由は明快です。
金の歴史的高騰を支えている要因である、
- ドルの下落
 - 世界各地で激化する貿易戦争
 - 投資家の間で高まる不安の空気
 
これら全てが、銀の記録的な上昇を後押ししているからです。
とはいえ、投資家が見落としてはいけない“落とし穴”
確かに2025年、
上昇率は64%。
しかし銀はさらに勢いがあり、
 なんと価格は85%も上昇しているのです。
どちらもS&
しかも、銀が金を上回るパフォーマンスを見せるのは、
 今回が初めてではありません。
過去の銀のパフォーマンス:
- 2008年〜2011年(世界金融危機後): 金は160%上昇したのに対し、銀はその2倍以上の400%上昇
 - 2020年(コロナ禍): 金が25%上昇したのに対し、銀は90%以上も上昇
 
そして今、再びその歴史が繰り返されようとしています。
金は輝きを増し、1オンス当たり4,500ドルを目指し、
 銀は光を放ち、1オンス65ドルへ
そしてもしシフ氏の予想が正しければ、
 その先には100ドルの大台が見えています。
【まとめ】なぜ今、銀が”最後の避難先”なのか
経済が揺らぎ、ドルが縮み、
 金と銀はもはや単なる「最古の投資対象」ではありません。
それは、2025年の不安定な世界における
 “最後の避難先”の一つであり、
マシュー・カー
〜編集部〜
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