
小さな習慣が人生を変える
ジェームズ・クリアという作家をご存じでしょうか。
彼のベストセラー『Atomic Habits(アトミック・ハビット)』では、人生の成果は“習慣の積み重ね”で決まるということが語られています。
たとえば──
▼習慣がもたらすもの
- 知識は、「読書と学び」の習慣の結果
- 健康は、「食事と運動」の習慣の積み重ね
- 資産は、「貯金と投資」の習慣によって築かれる
というようなものです。
あなた自身も、言葉にしたことはなくても、なんとなく「そうかもしれない」と感じていたのではないでしょうか。
でも、クリアの主張の本質はここからです。
目標を立てることよりも、習慣(システム)を持つことの方が、人生においてはるかに大きな違いを生みます。
そしてその「習慣」は、ほんの小さな行動から始めてみてもいいのです。
彼はそれを「アトミック(=極めて小さく、強力な)」と呼びます。
20代の気づきが始まりだった
20代の頃の私は、毎年、確定申告を税理士にお願いしていました。
別に複雑な資産があったわけではありません。
ただ単純に、あの“1040フォーム”(アメリカの確定申告書)を書くことが好きではなかったのです。
税理士から「今年は追加でこれだけ税金を払わないといけませんね」と言われるたびに、なんだかモヤっとした気持ちになりました。
彼女はこう言いました。
「もし2,000ドルをIRA(個人型年金)に拠出していれば、税金を節約できたし、老後資金にもなったのに」
当時、IRAの年間拠出限度額は2,000ドル。
私は雇用主からの退職制度もなかったので、自分で積み立てるしかありませんでした。
でも私はこう答えました。「そんなお金、今はありませんよ」。
税理士さんは肩をすくめ、「それなら仕方ないですね」と答えました。
でも、ここからが始まりでした。
後日、少し調べてみると、「20th Century(現在のAmerican Century)」という投資会社が、初期投資額ゼロでIRA口座を開設できることを知りました。(40年前ではかなり珍しい話です。)
月額2,000ドルを12カ月で割ると、およそ166.66ドル。(23,000円)
そこで私は、その金額の小切手を送り、さらに毎月166.66ドルを口座から自動引き落としに設定をしました。
「知らずに始めた“最強の習慣”」
これは今で言うところの「ドルコスト平均法(DCA)」という投資手法です。
【まとめ】自動化された習慣がもたらした成果
毎月決まった額を積み立てることで、価格が高いときは少なく、安いときは多く買える──
結果的に“平均購入単価を抑える”ことができる仕組みです。
しかも、タイミングを読む必要がなく、感情に左右されずに淡々と積み立てられる。
相場が落ちているときこそ「より多くの株が買えている」と前向きに考えることもできます。
この習慣を続けたことで、私の投資口座は数万ドルから数十万ドル規模へと育っていきました。
ポイントは、「自動化された小さな習慣」
この結果を生んだのは、私の“投資の才能”ではありません。
▼自動化された小さな習慣
- 一度だけ「自動積立」を決めた
- その後は「毎月ビール代程度の額」を自動で積み立て続けた
- それを何年も、上がっても下がっても、変わらずに続けた
それだけです。
クリアなら、こう言うでしょう。「システム(=習慣)を動かし続けたから、成果が出たのだ」と。
投資は、ロケット科学ではありません。
誰にでもできます。
ただ、誰もが“できる”ことを、“続ける”ことは難しいのです。
だからこそ、「小さく始めて、自動で積み上げる」という仕組みを持つことが、将来のあなたや、お子さん、お孫さんの資産形成においても、大きな意味を持ちます。
ドルコスト平均法は、これから投資を始める人にとって、間違いなく最良の入り口です。
P.S.
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