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金融リテラシー | 投資を始める前にやるべき“本当のこと”とは?


若者たちのお金に対する不安と無関心


前回のメールマガジンでは「アメリカンドリームなんてもう信じられない」と感じている若者たちの苦境についてご紹介しました。

彼らの多くは、何をどう始めればいいのかわからず、立ち止まったままなのです。

一方で、すでに動き出している若者たちの中には、「ミーム株」や暗号資産、超短期のゼロデイト・オプションといったリスクの高い投資に手を出している人も少なくありません。

彼らは、アイビーリーグ(名門大学)よりもはるかに高くつく“人生の授業料”を払うことになるでしょう。

しかし、もっと深刻なのは、そもそも「スタート地点にすら立てない」若者が非常に多いことです。

例えば、2022年にフィデリティは18〜44歳を対象に「マネーマインドセット調査」を行い、若者がお金とどう向き合っているかを分析しました。

その結果は、このように驚くべきものだったのです。

▼若者がお金とどう向き合っているか

  • 59%が「銀行口座の残高を見るのが怖い」と感じている
  • 51%が「口座にお金が入っていれば支出は気にしない」と回答
  • 65%が「もっと貯金すべきだと分かっているが、ストレスで考えたくない」と言っている
  • 57%が「予算を立てることが怖い」と答え
  • 54%が「食事制限のほうが家計管理より簡単」と感じている
  • 61%が「みんながやってるからという理由で、予定より多くお金を使ってしまう」と認めている

ここで注目してほしいのは、これが「一部の」若者の話ではなく、「大多数の」若者に共通する感覚だということです。


行動を起こさない限り、未来は変わらない


そして、この調査結果の中で最も衝撃的なのが、次の数字です。

71%の若者が、「お金を貯める必要があるのは分かっているが、今のライフスタイルを変えるつもりはない」と答えました。

つまり、10人中7人以上が「貯金の必要性を理解しながらも行動を起こさない」と言っているのです。

(ちなみに残りの29%の中にも、「変える」と言いながら、本音では変えるつもりのない人もきっといるでしょう。)

これは、かなり深刻な問題です。

多くの人は、投資をしなければ経済的自立や安定に到達することができません。

ただ、投資を始めるには、まず「貯金」が必要です。

そのためには、「今の楽しみを我慢して、身の丈に合った生活をする」覚悟が求められます。

それができなければ、大切な目標を達成することは難しいのです。

では、誰が悪いのでしょう? 親? 学校? 政府? 雇用主? 富裕層? 資本主義?

いいえ。

自分自身なのです。

だからこそ、成功者の多くが、「富の再分配こそ格差解消のカギだ」と言われると、違和感を抱くのです。

彼らが冷たい人間だというわけではありません。

ほとんどの人は、最低限のセーフティネットを整える社会制度には賛成です。

ただ、今求められているのは、「努力して働き、貯めてきた人たちのお金を、ライフスタイルを変える気のない人たちに与える」ことです。

これを「公平」と呼ぶのは、少し違うのではないでしょうか。


成功は努力と根気の先にある


私の兄(元・建設業者)は、こんなことをよく言います。

「みんな“収入の格差”は騒ぐけど、“努力の格差”には触れないよな」

アメリカンドリームは「与えられるもの」ではなく、「勝ち取るもの」です。

しかも、そのプロセスこそが一番の醍醐味なのです。

努力して働き、節約し、賢く投資する、これは確かに大変です。

ただ、最終的に得られるリターンは非常に大きいのです。

社会科学者であり、アメリカン・エンタープライズ研究所の元代表でもあるアーサー・ブルックス氏は、「成功体験(Earned Success)」こそが人間の幸せと充実感の原動力だと述べています。

彼の定義する「成功体験」とは、「自分の努力・スキル・粘り強さによって、自分や他人の人生に価値を生み出せているという実感」のこと。

お金は、幸福の“手段”にはなっても、目的そのものにはなりません。

本当の幸せは、「自分で成し遂げた」と思える体験の中にあります。

政府の支援だけに頼っていると、人生に意味や目的を見いだしにくくなります。

そこには「尊厳」がないからです。

なぜなら、それは「自分で得たもの」ではないからです。

キャリアを築き、家庭を育て、スキルを磨く。

それによって得られるのは、単なる物質的な豊かさだけではありません。

「進歩」と「達成感」も得られるのです。

この国では、どんなバックグラウンドの人でも成功をつかむことができます。

でもそれには、努力・根気・自立心が必要です。

(古い格言にもあります。「“成功”が“努力”より先に来るのは、辞書の中だけだ」と。)


【まとめ】挑戦を楽しみ、自分の力で未来を切り開こう


最後に、今困難に直面している若い人たちに伝えたいことがあります。

確かに、今の経済状況は厳しいです。

請求書を払うのも、前に進むのも簡単ではありません。

だからこそ、考え方を少し変えてみてください。

「口座残高を見るのが怖い」「投資は難しすぎる」と感じる代わりに、夢の実現を「楽しいチャレンジ」としてとらえるようにしてみてください。

旅路を楽しんでください。

そして、ゴール――つまり「お金の心配をしなくていい状態」にたどり着いたとき、本当のご褒美は、持っている金額や手に入れたモノではなく、「自分の力で成し遂げた」という実感なのです。

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Alexander Green(アレクサンダー・グリーン)

Oxford Club チーフ・インベストメント・ストラテジスト。金融・投資関係の4冊のベストセラーの著者で、40年のキャリアがある。米国で金融・投資のニュースレターであるOxfordキャピタル・レターを20年以上執筆しており、ハルバート・ファイナンシャル・ダイジェスト社はこのニュースレターをここ10年以上もの間、最もパフォーマンスの高い投資ニュースレター・ベストテンに選出している。 アレックスの記事一覧 ≫

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