投資情報

“金の卵”

今年もまた「ある季節」がやってきました。

新年の抱負を諦めることについて話しているのではありません。

バレンタインデーが迫っていますが、あらゆる出会い系アプリに登録することについて話しているのでもありません。

これから私がお伝えするのは「金の卵」の伸びについてです。

最近、市場はひとまず安堵しました。

というのも、毎月の消費者物価指数(CPI)が発表され、米国のインフレ率が予想ほど急速に上昇していないことが明らかになったからです。

一方、投資家が注目すべき数値の一つに、価格が急速に上昇している必需品があります。

それは…卵です。

米国では1ダースの卵の価格は11月の3.65ドルから12月には4.15ドルに値上がりしました。

さらに、この1年で1ダースの卵の平均価格はほぼ2倍に上昇しています。

その上、卵の価格上昇はこの1年間の食品価格の平均上昇率の約15倍に相当するのです。

さらに、1ダース4.15ドルという価格はあくまで平均的な価格です。

ニューヨークでは1ダースの卵の平均価格は6.25ドル、カリフォルニアではAグレードの卵1ダースは8ドル以上もします

では、高騰の原因は何なのでしょうか?

風邪の脅威にさらされる卵

卵は世界中で欠かせない食品です。

目玉焼き、スクランブルエッグ、固ゆで、半熟、衣や生地に混ぜるなど、地球上のほとんどの人が卵を口にしています。

そして多くの物と同様に、中国は卵の主要生産国です。

実際、中国の生産量は、他の7か国の合計を上回ります。

ちなみに日本は、1人当たりの卵消費量が世界で最も多い国であり、平均的な日本人は年間320個の卵を食べています。

つまり、ほぼ毎日1個のペースです。

そのため、米国と日本の消費者は、卵価格の高騰に頭を悩ませているのです。

では価格高騰の原因は何なのでしょうか?

それは鳥インフルエンザです。

事態はどれほど深刻なのでしょうか?

最近、日本の生産者は500万羽の家畜を殺処分しました。

そして、卵の価格は15%上昇したのです。

そして、米国最大の卵生産業者であるカル・メイン・フーズNasdaq: CALM)は、卵の需要が供給を上回っていると発表しました。

同社は、顧客ニーズを満たすために、第三者供給業者から購入せざるを得なくなっているのです。

しかし、卵価格の高騰と需要のおかげで、結果的に同社の四半期収益は82%増の9億5470万ドルに急増しました。

鳥インフルエンザは感染力が非常に強く、壊滅的な打撃を与える可能性があります。

特に、過密状態の工業的畜産においてその影響が大きいでしょう。

さらに米国では間もなく渡り鳥の移動シーズンが始まるため、鳥インフルエンザの封じ込めはほぼ不可能です。

忘れ去られる卵価格の高騰

ここ数年、米国ではインフレが常に話題の中心となってきました。

多くの報道が、サプライチェーンの混乱、エネルギー価格の上昇、半導体の不足に焦点を当ててきました。

しかし、卵価格が上昇したことが一因だったことは、忘れさられています。

2022年12月、米国におけるAグレードの大型卵1ダース当たりの価格は、2021年12月と比較して137%上昇しました。

1.79ドルから4.25ドルへの驚異的な上昇です。

そして、卵の価格は2023年1月に1ダース当たり4.83ドルという記録的な高値を付けました。

これも鳥インフルエンザが原因です。

2022年2月以降、鳥インフルエンザが急速に広がり、米国の産卵鶏の数は約5.8%減少。

2023年になると、米国の鶏の数が回復し始め、卵の価格も下落しました。

しかし、先ほどのグラフを見るとわかるように、これは長くは続きませんでした。

鳥インフルエンザが猛威をふるい、卵の価格が再び上昇したのです。

そして2025年を迎える頃、米国は暗い節目を迎えることになりました。

2022年2月以来、鳥インフルエンザにより1億4,100万羽以上の鶏と七面鳥が殺処分されたのです。

メリーランド州の私の小さな農場の周辺でも、鳥インフルエンザの感染が確認されたケースが増加しています。

しかし、消費者が卵の高騰により痛手を負う一方、カル・メイン・フーズのような企業は利益を享受しています。

卵の価格は最近の最高値から落ち着くかもしれません。

しかし、2025年内は高値が続く見通しです。

つまり、これは投資家が注目しておくべき季節的な話題です。

特に、2025年に自分だけの“金の卵”を手に入れたいと思っている人にとってはそうでしょう。

マシュー・カー

 

〜編集部〜

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Matthew Carr(マシュー・カー)

Oxford クラブ・ジャパンのチーフ・インベストメント・ストラテジスト。金融業界で20年のキャリアを持つ。 企業の中ではある一定のサイクルで株価が上下する銘柄があると言われており、マシューの専門はそのサイクルを見つけ出すこと。 彼の専門領域は石油・ガスといった伝統的な産業から、AI、5Gといった最先端テクノロジーなど多岐にわたる。 マシューの記事一覧 ≫

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