テレビ出演の舞台裏

私はよく、金融ニュース番組に出演したり、
さまざまな株式の見通しについてコメントを求められたりします。

数年前、CNBC「Talking Numbers」という番組に出演し、
ある有名な通信株について語る機会がありました。

その際、私は「その株が気に入っている」と述べました。

実際、その時点では良い見通しを持っていたからです。

しかし、私が発行している『インカム・レター』の購読者に対しては、
その銘柄を推奨しませんでした。

なぜそうしたのか、その理由を後ほど説明します。

その前にテレビ業界の裏側について少しご紹介します。

テレビ出演の舞台裏

番組のプロデューサーから「この株について意見を聞かせてほしい」と依頼されるとき、

彼らは強い意見を求めています。

「どちらとも言えない」というような中途半端な答えは、視聴者の興味を引かないからです。

もし明確な意見を示さなければ、他の誰かがその機会を得るでしょう。

テレビで何十万人もの視聴者に話せるチャンスを得たい人はたくさんいます。

ただし、私は自分の意見に自信がない限り、テレビで発言しません。

これまでにも「その銘柄については強い意見を持っていません。」と、
プロデューサーに伝えたことがあります。

また、プロデューサーが上昇派の意見を求めている中で、
私が否定的な見解を持っていた場合には

「すみません、その銘柄は好きではありません」と正直に答えます。

テレビで話した内容が、視聴者に影響を与えることを私はよく理解しています。

本来、人々は90秒間のテレビコメントだけで、株を買うべきではありません。

しかし、現実にはそうしてしまう人もいます。

以前の職場の上司は、
自分の市場予測に対する責任を求められた時、拒否をしていました。

そして、視聴者からの「あなたのアドバイスで損をした」という
メールを読むのは私の役目になっていたのです。

そこで、私はテレビでの発言には慎重さが必要だと痛感しました。

配当株の選び方

では、なぜ私が、その通信株をテレビでは肯定的に評価したにもかかわらず、

『Oxford インカム・レター』の購読者には推奨しなかったのでしょうか？

それは、私が採用している投資戦略に関係しています。

この戦略は「10-11-12システム」と呼ばれるもので、
10年で11%の配当利回り、12%の複利成長を目指すものです。

そして、『Oxford インカム・レター』で紹介するモデルポートフォリオの目的は、

今日の安定した収入を生み出すこと、そして将来的にさらに高い収入を実現することです。

そのため、配当を増やし続ける企業の株式が重要な役割を果たします。

特に、毎年10%以上の配当増加を実現している企業に注目しています。

このような配当成長は、インフレ率を大きく上回ることができるからです。

例えば、年間2.4%のインフレ率の場合、
今日1,000ドルのものは5年後に1,126ドル、10年後には1,268ドルになります。

しかし、年間10%の配当成長を実現する株式なら、それ以上の利益をもたらします。

例えば、ベスト・バイ（NYSE: BBY）という企業は、配当成長株の良い例です。

同社は過去5年間で平均11%の配当増加を達成しています。

そして、現在の配当利回りは4.4%*。

もし今後もこの成長率を維持すれば、数年後には非常に魅力的な配当利回りになるでしょう。

もしあなたが、

短期的な収入を重視する場合：高配当株
将来の収益拡大を狙う：大きく配当が成長する銘柄

を選ぶようにするといいでしょう。

少しでも、参考になると幸いです。