選挙であなたのポートフォリオを台無しにしないように
米国の歴史において、政治的見解がこれほど二極化していることはありませんでした。
もちろん、政治的な違いは避けられませんが、
私はどの政党が政権を握っているか、誰が大統領になるかによって、市場が上昇したり下落したりすると予測するのはおすすめしません。
例えばオバマ政権の時代に、株式投資を避けていた保守派の友人が何人かいました。
税金、支出、規制、医療、債務に関するオバマの政策に強く反対したからです。
私自身もオバマ政権の政策の多くに賛同しませんでした。
しかし私は、それによって市場に対する見方を変えませんでした。
その判断は合っていました。
オバマ大統領の2期の間に、S&P 500指数は235%のリターンを上げたのです。
そしてトランプ大統領の際も、同様のことがありました。
その時もトランプ氏の反対派閥、民主党を支持していた友人が何人かいます。
2016年の選挙の前後にお気に入りの政治評論家が何を言っているのかを当てにしていました。
例えば、同年6月、クリントン政権の元財務長官でオバマ政権の主席エコノミストであるラリー・サマーズ氏は、
「トランプ政権下では、長期にわたる不況が予想される…
その被害は米国をはるかに超えて広がるだろう」と述べました。
選挙直前のニューヨーク・タイムズ紙で 、MITの経済学教授サイモン・ジョンソンは、
「トランプは株式市場を暴落させ、世界不況に陥る可能性が高い」と心から同意を示していました。
オバマ前大統領の自動車産業担当大臣スティーブ・ラトナー氏は、
「トランプ氏が勝利すれば、歴史的な規模の市場暴落が起こるだろう…市場はトランプ氏を恐れている」と語りました。
選挙の翌日、 ニューヨーク・タイムズの コラムニスト、ポール・クルーグマンはこう書いています。
「今や本当にドナルド・J・トランプ大統領の時代となり、市場は暴落している。
回復はいつ見込めるだろうか?…第一印象では決して回復しないだろう…
したがって、終わりの見えない世界的な不況に直面する可能性が非常に高い」
終わりの見えない不況と「決して」回復しない市場を予見したノーベル賞受賞経済学者、なんて素晴らしいのでしょう。
しかし実際には、トランプ政権では当時パンデミックが起こっていたにもかかわらず、猛烈な強気相場の時代となりました。
私は、彼らが経済や金融市場への見解を見誤ったことを責めているわけではありません。
私が責めているのは、彼らが政治的見解を良識よりも優先させたことです。
また、トランプ大統領の減税や規制緩和政策が雇用、賃金、設備投資に良い影響を与えたのは事実ですが、大統領が市場に与える影響は限られています。
はるかに影響力があるのは、インフレ、金利、FRBの政策、エネルギー価格、通貨変動、労働者の生産性、消費者信頼感、企業収益です。
大統領の政策が経済全般に与える影響は限られているにもかかわらず、
有権者は経済状況について現職大統領の功績を認めたり非難したりすることが多々あります。
しかし歴史を振り返ってみると、共和党政権と民主党政権の両方において株式市場が利益を上げてきたことがわかります。
米国大統領の任期中における S&P 500 の平均年間収益は以下のとおりです。
ジミー・カーター(民主党): 6.8%
ロナルド・レーガン(共和党): 9.8%
ジョージ・H・W・ブッシュ(共和党): 12.8%
ビル・クリントン(民主党): 15.8%
将来の大統領がどのような功績を残すかは、時が経てば明らかになるでしょう。
それまでの間、あなたの政治的見解が何であれ、市場から目を背けないでください。
商業は政治に勝ります。
そして、選挙が近づいている今特に、市場への関与を続けることが重要です。
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