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利下げ後の世界に突入。変わった点と変わらない点は?

今週は株式市場における最重要イベントの一つ、米連邦公開市場委員会(FOMC)における政策金利の発表がありました。

米国は利下げに転じ、金融政策の方向性を変更したということで、節目の週と言えます。

利下げ幅が0.5%となった点について、連邦準備銀行(FRB)のパウエル議長は、発表後の会見で、

『(金利を)緩和するのが遅ければ経済や労働市場が過剰に弱まることとなる』と説明しています。

つまり、2022年以降、インフレ対策(物価高)を最優先課題として政策運営がなされてきましたが、

今後は景気や労働環境を重視しながら金融政策が決定されるということが示唆されています。

(余談ですが、今回、ほぼ全会一致での決定でしたが、影響力のあるボウマン理事が反対票を投じています。理事による反対票は異例ですが、彼女は2018年のトランプ政権時代に任命されたことから、大統領選後まで利下げカードを切りたくなかったのかもしれないという見方が一部でなされています)

 

また、今回の会合では、四半期に一度更新される、FOMCメンバーによる金利予想(ドットプロット)も発表されました。

グラフ1

内容としては、年内の会合(11月と12月)であわせて0.5%の追加利下げがなされる予想となっていますが、これについては、会合前の市場予想と整合的です。

また、先週の私のメルマガで、来年7月には政策金利が3%から3.25%となっているという市場の見方がなされているとご紹介しましたが、

市場における長期的な政策金利についても、会合前と会合後で大きな変化はありません。

参考まで、日本時間20日午前10時時点の市場想定は以下のとおりです。

グラフ2

とはいえ、先行きの予想については、大統領選の結果次第で変化するので、市場の織り込みはあくまで暫定値という見方をしておくと良いですね。

 

ということで、我々投資家としては、インフレよりも景気・雇用を重視する姿勢を踏まえ、

これまで以上に、付加価値を生む企業、雇用を増やす企業に着目していくと良いと考えます。

一般に株価は、『市場における認識と、企業の将来の姿(実体)が乖離していて(認識にギャップがあり)』、『そのギャップが埋まると期待されるときに動く』ものです。

株価指数(インデックス)への投資は、ある意味運を天に任す要素があるとも言えますが、

個別企業の選別投資の分散、そして**投資手法の多様化(デリバティブの活用を含む)**によって、自らの手でリターンをたぐり寄せ、また、積み上げることが可能です。

米大リーグ(野球)の大谷選手は本日、歴史的な51-51(本塁打と盗塁)の記録を打ち立てましたが、これも日々の努力の積み上げの賜物です。

(今年4月3日、私は幸運にもにドジャースタジアムで今期の第1号本塁打を見ることが出来ました。今では遠い昔のことのように感じます^^; 今後も継続してアメリカの生の市場・企業情報をお届けできたらと思っています。)

投資によるリターン積み上げは、大谷選手ほどの才能や日々の努力がなくとも、取り組みが適切であれば誰でも達成できます。

毎年コツコツ貯めるリターンは、10年20年と継続することで大きく化けますので、是非、長期的な視点でスキルの獲得を意識されることをお勧めします!

志村暢彦
追伸1

米国株を中心とした長期資産形成においては、配当投資にフォーカスしたインカム・レターと、成長株にフォーカスしたキャピタル・レターにおいて、グローバルな視点で銘柄アイデアをご案内しています。

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私からの情報発信力を充実させるため、今更ではありますが、noteを利用しはじめました。

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志村 暢彦

Oxford Club Japan チーフ・ストラテジスト 助言統括者。金融業界歴24年。業界経験としてはファンドマネージャーとしての期間が最も長い。2019年Oxford Clubチーフ・ストラテジストに就任。日ごろより、金融力は国力そのものであると考えおり、金融業界の心臓部や裏側で働き、政官財を含め、日本の金融の実態を見てきた経験をもとに、日本の金融リテラシー向上と、個人の理想的な資産形成の実現について、情報の収集と発信をしている。 著者の記事一覧 ≫

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