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エヌビディア決算と激化する産業政策の国際競争

昨日(米国時間28日引け後)には注目のエヌビディア (Nasdaq: NVDA) の5 – 7月期決算発表がありました。

今やシリコンバレーで最も賃金の高いハイテク企業とも言われるエヌビディアの本社。宇宙船のような外観でその名もボイジャー。出所:筆者撮影)

 

発表された数値は強く、事前の市場予想を上回りましたが、株価は前日比で6%強の下落。

株式市場は、往々にして、企業の思惑をよそに、勝手に「過度に期待して、失望する」ものですが、今回はそれが体現される形となりました。

また本日(米国時間29日引け後)は、デル・テクノロジーズ (NYSE: DELL) が5 – 7月期の四半期決算を発表

AIサーバーの受注好調を背景に事前の市場予想を上回りましたが

こちらは、引け後市場で株価が上昇しており、エヌビディアとは異なる反応となっています。

我々個人投資家は、同業種かつ同じく良好な決算であったとしても、期待値次第で異なる株価の反応となり得ることを理解したうえで、

短期的な動き(実現していない評価益・評価損)に一喜一憂するのではなく、中長期的な視点で、業績成長と株価の成長がリンクする状況を見ながら投資を継続していけると良いですね。

投資手法の多様化やスキルアップでそれは実現可能と考えています。)

また、昨夜はテレビ東京系列ワールドビジネスサテライトにて、

官民で“半導体”開発 政府がラピダスに出資へ」という情報が放映されていました。

周知のとおり、エヌビディアは半導体の開発・設計に特化しており、製造工場をもたないファブレス企業で、

TSMC(台湾セミコンダクター)をはじめとした外部の製造企業(ファウンドリー企業)に製造を委託しています。

国家レベルの安全保障の観点からも、米中の摩擦が継続し、サプライチェーンが寸断されるリスクへの対応の優先度合が高まるなかで、

バイデン政権は2022年にいわゆるCHIPS法を成立させ、半導体の製造企業を財政で支援。自前での製品確保や雇用創出を目指すこととしました。

この流れのなか、半導体関連企業の老舗であるインテル (Nasdaq: INTC) が、アリゾナ州やオハイオ州で補助を受けつつ、新工場を建設中です。

(シリコンバレーにあるインテル本社。以前は屋上に小さな風車がたくさん据えられていたのですが、いつのまにか撤去されています。出所:筆者撮影)

 

(再オープンとなったインテルミュージアムの展示物の一つ。創業者で、かの有名な“ムーアの法則”の、ムーア氏の名刺。インテル的にはモーアの法則と呼んでほしいのかもしれません!? 出所:筆者撮影)
 

日本政府によるラピダスへの出資検討も、大まかな趣旨は似ていて、

激化する産業政策の国際競争」に対して、立ち向かわないリスクを考慮し、日本として取り組んでいくことを決定する過程にあるといえます。

私事ですが、今月はラピダスのシニアメンバーの方や、政府関係者の方と懇親して、ベースとなる視点をお伺いするとともに、

今週は直近までインテル本社に所属していた方と懇親する機会があり、それぞれの思惑や考え方についてお聞きする機会がありました。

AIへの対応が国力を左右する時代に突入するということで、ラピダス社のプロジェクト進捗が日本全体にプラスとなる状況を祈念しています。

テクノロジーやイノベーションは、我々の生活や地球全体の課題を解決する重要なファクターなので、

投資でサポートするという側面からも、何かの役に立っていけたらと思っています。
 

志村暢彦
 
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志村 暢彦

Oxford Club Japan チーフ・ストラテジスト 助言統括者。金融業界歴24年。業界経験としてはファンドマネージャーとしての期間が最も長い。2019年Oxford Clubチーフ・ストラテジストに就任。日ごろより、金融力は国力そのものであると考えおり、金融業界の心臓部や裏側で働き、政官財を含め、日本の金融の実態を見てきた経験をもとに、日本の金融リテラシー向上と、個人の理想的な資産形成の実現について、情報の収集と発信をしている。 著者の記事一覧 ≫

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