【政治家の話です】誰もが信じている嘘
政治家の嘘は大小さまざまで、そこに党派は関係ありません。ここ数年、ありとあらゆる嘘を目撃してきました。
新しくニューヨークの下院議員に選ばれたジョージ・サントス氏は、最も嘘をつく政治家かもしれません。
出所:wikimedia.commons
なぜなら、宗教、性的指向、出身校、勤務先、お金の稼ぎ方(そして渡し方)、母親の死、祖母のホロコースト犠牲者としての地位、その他もろもろについて彼は嘘をつき続けてきたからです。
残念ながら、有権者から非難されることなく、彼を非難できる国家政治家もほとんどいません。
なぜ政治家はこれほどまでに大胆な嘘をつくのでしょうか。
それは、何百万人もの有権者が政治家の言葉を信じ、それに従って投票するからです。
政治家のお気に入りは、「金持ちは税金を公平に払っていない」。
しかし、これは政治的パフォーマンスにすぎません。つまり、有権者から人気を集め、投票してもらうためのただの嘘なのです。
「金持ちは税金を公平に払っていない」という主張は簡単に間違っていることを証明できます。
事実、アメリカの歳入庁(日本でいう国税庁)のIRSは、2020年の所得と税の統計を発表。
それによると、上位1%の所得者が、国の所得税のおよそ半分の42.3%を支払っていることがわかります。
出所:IRS,Individual Income Tax Returns Complete Report 2020
さらに上位5%の人々が、所得税全体の62.7%を支払っていたのです。
反対に、下位50%の所得者(「金持ち」が税金をほとんど払っていないことに最も不満を抱いていると思われる人々)は、所得税全体のわずか2.3%しか払っていません。
信じられないことですが、米国の上位3%の所得者は、他の97%の人々の合計よりも多くの連邦所得税を支払っているのです。
この20年間、所得税の負担はますます高額所得者にシフトしています。
IRSが発表した最新の数字によると、上位1%の人々は、20年以上にわたって最も高い税額を支払っていることになります。
しかし、ジョー・バイデン大統領は、2月の一般教書演説でも、「金持ちは公平に負担していない」と訴え続けています。
出所:ニューヨークポスト
なぜ、このようなことを言うのでしょうか。
理由は2つあります。
1つ目は、世論調査で米国人の大半が富裕層への増税に賛成しているから。
これは驚くべきことではありません。
自分より稼いでいる人がいれば、他人がいくら税金を払っていても、心穏やかでないものです。
しかし、もう一つの理由は、金持ちが実際にいくら払っているのか、ほとんどの米国人はまったく知らないのです。
私はこのことを、身をもって知りました。
この話を書くと、「中流階級が税金を多く払っていることは誰でも知っている」というメールが何通も届きます。
この人たちがどこからデータを得ているのかは知りませんが、国税庁のデータではなく、おそらく口が動く政治家の話を鵜呑みしているのでしょう。
その結果、意図しない結果を招くことがあります。
例えば、富裕層がカリフォルニア州、ニューヨーク州、ニュージャージー州といった所得税の高い州から、テキサス州、フロリダ州、テネシー州といった州所得税のない州に大挙して移動しています。
出所:ブルームバーグ
皮肉なことに、高税率の州の議員たちは、歳入不足を解消するために、富裕層へのさらなる増税を行おうとしているのです。
もちろん、それは富裕層の離脱意欲を高めるだけです。
離脱した高所得者たちの税金を最終的に補填するのは、残された人たちです。
誤解しないでください。金持ちが税負担を十分に果たしているかどうかは、重要な議論です。
しかしその議論は、誰が金持ちなのか、いくら払っているのか、何が公平なのか、ということを理解することから始めるべきです。
連邦所得税の半分から3分の2近くを支払っている人々は、何が起こっているのかを正確に理解していることは間違いありません。
そして州の人口統計によれば、自らの足で投票しています。
私は少し前のメルマガで、若者や中高年のリモートワーカーは、州所得税のない州への移住を真剣に検討すべきだと提案したことがあります。
今と同じようにお金を使いながら、同時に数百万ドルの貯蓄をすることができるのです。
つまり今、州の財政に納めているお金を、個人の投資口座に振りこむだけで良いのです。
子供のように足を踏み鳴らして、「そんなの不公平だ」と主張する人もいるかもしれません。
しかし、常識のある人なら、それが賢明でないことに異論はないでしょう。
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