暗号資産は “チューリップ・バブル”か?
最近、ある購読者の方から、
私のアドバイスを受け、
下落相場を利用して優良企業の割安株を購入したという手紙が届きました。
そして、彼は、
「暗号資産も同じように買うべきでしょうか?」と私に尋ねました。
その答えは
・
・
・
NOです。
私は、過去2年間、暗号資産に関して何度も警告をしてきました。
暗号資産の問題が何なのかと言えば、
- 具体的な価値がない。
- 価格変動が激しく、ビジネスには不向きである。
- 環境を破壊する。
(ビットコインのマイニングは、アルゼンチンの国土よりも多くの炭素排出を毎年行っている。) - 業界内の競争や業界外からの規制に対して脆弱である。
- 暗号保有者は、ハッカー、操作上の不具合、マルウェアの影響を受けやすい。
- 投資家は定期的に騙されたり、詐取されたりしている。
- 暗号資産のエコシステムには説明責任や法的手段がないため、信頼の根拠となるものがほとんどない。
暗号資産を「投資」と呼ぶことさえ間違っています。
結局のところ、価値を分析するものが何もないのです。
利払い、売上高、ロイヤリティ、賃貸収入、キャッシュフロー、業績、純資産価値もありません。
暗号資産は、誰かが喜んでお金を払うことにのみ価値があります。
ビットコインに強気の人たちは、米ドルや他の主要通貨と異なり、「発行枚数が限られている」という希少性があると指摘します。
しかし、同じ機能を持つ暗号資産が無限に存在する中で、限定発行にどれほどの価値があるのでしょうか。
また、ビットコインは最も広く受け入れられているデジタル通貨であるため、高値の評価に値すると主張する人もいます。
しかし、過去を振り返ってみると、
『ある時まで最も広く受け入れられていたが、時間と共にその地位を失ったもの』は、いくらでもあります。
例えば、
- ヤフーは最も広く使われていた検索エンジンだった。
- mixiは日本で最も知られていたSNSだった。
- ネットスケープは最も広く使われていたウェブブラウザだった。
ビットコインも今までのサービスと同様、技術革新や競争に弱いものです。
あなたはそれでも、
ほんの10年以上前に、
約0.34円で取引されていた1ビットコインに今、約313万円も払いたいでしょうか?
ビットコイン保有者にとってのもう一つのリスクは、最大の暗号取引所の一つであるFTXの崩壊を受けた規制です。
いくつかの国は暗号資産の支払いを禁止していますし、それを検討している国もあります。
なぜでしょう?
まず、すべてのランサムウェア攻撃は、暗号資産、一般的にはビットコインでの支払いを要求しています。
これは、社会にとって年間数十億円から数千億円のコストになっています。
各国政府は、ただ黙って何もしないままでいるのでしょうか?
もちろん、規制を進めるに決まっていますよね。
さらに、暗号資産を推進する人たちの予言はことごとく外れています。
- 暗号資産は、取引をより迅速にすると言われていましたが、より遅くなりました。
- 安くなると言われていましたが、より高価になりました。
- 簡単になると言われていましたが、より困難になりました。
- 暗号資産はインフレをヘッジすると言われ、「デジタルゴールド」とさえ呼ばれました。
最近、41年ぶりの高インフレを経験し、良い最初のテストができたと思います。
暗号市場は崩壊し、その価値の3分の2以上を失ったのです。
デジタル通貨は、定期的な売買、特に高額商品の売買には、変動が大きすぎます。
これらの通貨で借りたり貸したりするという可能性は、忘れてください。
あなたが貸し手なら、
暗号資産ローンを使った支払いは、円の価値に直すと、貸した金額の数分の一になる可能性があります。
あなたが借り手であれば、
返す金額がすぐに何倍にもなってしまうかもしれません。
だから、事実上誰も「未来の不安定通貨」で売買したり、借りたり、貸したりしていないのです。
しかし、暗号資産の推進派は、
「すぐに売買・貸借できるようになる」
と言い続けています。
本当でしょうか?
テロ組織、麻薬カルテル、重火器商、人身売買、恐喝、税金詐欺、マネーロンダリング、制裁を避けようとする、
ならず者国家などにとっては、暗号資産は天の恵みです。
それ以外の人たちにとって、暗号資産は投機でしかありません。
そしてその投機は、大多数の投資家にとってうまくいっていません。
ビットコインの価格は、
過去12年間で2万倍以上に上昇しているにもかかわらず、スイスの国際決済銀行は最近、73%から81%の投資家が初期投資で損失を出していると報告しました。
経済学者は、ビットコインの主な購入者は35歳以下の「リスクを求める」若者であると指摘しています。
彼らは、分散型金融の価値に関するリバタリアン的な議論ではなく、労せずして大きなリターンが得られるという約束に引き寄せられたのです。
実際、多くの暗号資産は詐欺か、管理不行き届きで崩壊したプロジェクトに過ぎません。
また、ハッキングに弱く、支援者の資金を消失させるものもあります。
暗号市場の最も安全なステーブルコインでさえも、大きな失望を与えています。
何百万人もの人々が真の信奉者であり続けていますが、そのほとんどは、洗練された投資家ではありません。
さて、暗号資産の一つ、ド―ジコインを思い出してください。
ピーク時には12兆円以上の価値があり、
133か国に7,500以上の施設を持つ世界有数のホテル業者、
マリオット・インターナショナル (Nasdaq: MAR) のほぼ2倍の価値があったのです。
これがバブルでないわけがありません。
もちろん、ドージコインはビットコインではありません。しかし、両者の価格には高い相関性があります。
私の研究チームに、過去1年間のドージコインに対するビットコインのチャートを作ってもらいました。
【タイトル】
ビットコインvs. ドージコイン
【グラフ横軸左から】
2月、3月、〜、11月、12月
(出所:TradingViewのデータを基にOxfordクラブ作成 )
ご覧の通り、両者は実質的に一体となって動いています。
前回のメルマガでは、iPhoneが世界を変え、アップルの株主に30倍のリターンをもたらしたことを指摘しました。
真面目な投資家たちはそのことに注目していて、
例えばバークシャー・ハサウェイ (NYSE: BRK-B) はアップル (Nasdaq: AAPL) の株を持ち続けています。
ウォーレン・バフェット会長は暗号市場についてこのように呼んでいます。
「おそらくネズミの毒の2乗」。
暗号資産についての私のアドバイスは、バフェット会長と変わりません。
買っていないなら、買わないでください。
買っている人は、今すぐ売ってください。
確かに、短期的にはもっと上がるかもしれません。
しかし、ある日、暗号資産のトレーダーは目を覚まし、暗号資産に価値がないことを理解するでしょう。
その時、下降トレンドは、より勢いを増すことになります。
17世紀のオランダ共和国では、球根1個の価格が多くの人々の年収を上回ったチューリップ・バブルが今でも投資家の間で語り継がれています。
暗号資産は現代のチューリップ・バブルというだけではありません。
チューリップ・バブルを3乗したようなものです。
そしてそれは、すべての金融マニアが最終的にそうであるように、壊滅的な損失で終わることになるでしょう。そして、涙を流すことになるのです。
アレックス
P.S.
私は、暗号資産のような完全な投機ではなく、
それ自体に価値のある成長企業に“投資”をして、資産を増やしていくことを推奨しています。
成長株(10倍・20倍の株価上昇が期待できる銘柄)の情報は、
毎月、Oxfordキャピタル・レターにてお伝えしているので、ぜひ一度ご覧ください。
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そんな思いで執筆しています。
↓
P.P.S
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