◯◯が悪化すれば、株価は上がる?
ミシガン大学が1950年代に消費者態度指数*の運用を開始して以来、米国の家庭はこれまでで最も落ち込んでいます。
*米国の消費者マインドを表す経済指標で、ミシガン大学信頼感指数とも呼ばれる。
そして消費者は、今が「史上最悪の経済状態」だと言っています。
・1970年代のスタグフレーションやガソリンスタンドに行列ができていた時よりも…
・1980年代の10%以上のインフレと超高金利の時代よりも…
・米国同時多発テロ事件の後、そして住宅バブルによって起こった金融危機の時よりも…
最悪だと言っているのです。
しかし私はそのようには思っていません。
確かに過去40年間で最も高いインフレが起きています。
連邦準備制度理事会は金利を大幅に引き上げており、
世界のサプライチェーンは混乱しています。
またウクライナでは残忍な戦争が続いていますし、
投資家は2022年の前半に起こった弱気相場に耐えてきました。
しかしその一方で米国経済は成長し続けており、
雇用市場は人で溢れかえっています。
さらに米国の家庭は記録的な額のお金を保有していて、
企業の収益も上昇しています。
インフレはすでにピークに達しており(ガソリン価格はすでに下がっていますが)、
サプライチェーン問題は毎日少しずつ解決に向かっています。
そして言っておかなければいけないことは、
米国の歴史上、完全雇用*の状態で不況が始まったことは一度もありませんでした。
*労働の意思と能力のある者がすべて働いている状態のこと。
では、なぜ米国人はこれほど「史上最悪の経済状態」だと
不安に感じているのでしょうか?
それは、賃金を上回るスピードで物価が上昇し、
景気後退に追い込まれてしまうことを中央銀行が恐れている中でも、
バイデン大統領が淡々と政策を実行しているからでしょう。
しかし、トンネルの終わりには光があります。
消費者態度指数の70年近い歴史は、
重要なことを明らかにしています。
それは消費者心理が悪化すればするほど、
その後の数か月間、株式市場のパフォーマンスは向上するということです。
消費者心理の悪化とS&P500種株価指数の底打ちの間には、
大きな相関関係があるのです。
消費者心理は最高の逆張りサインの一つです。
その理由を理解するのは難しいことではありません。
人々が経済についてどう感じているかは、
彼らの経済生活の中で起こったばかりのこと、
あるいは今起こっていることに基づいています。
それは遅行指標と呼ばれています。
一方、株式市場は先行指標です。
昨日や先週のことは、もう過去のことです。
その代わり投資家は先を見越して、
将来どうなるかを占おうとします。
6か月後、9か月後を予測するのが精一杯で、
それ以上先のことは予測できませんが、
今年の下落相場は、
消費者が今感じているあらゆる懸念が
織り込まれています。
有力な見方は、
この後もインフレが進み、
景気後退に陥るというものです。
しかし…債券市場や金市場は、
インフレが緩やかになると声高に叫んでいます。
では、株式市場は景気後退を予測しているのでしょうか?
確かにそのように見えますが、
経済学者のポール・サミュエルソン氏は過去
「株式市場は過去5回の景気後退を9回も予測した」
と皮肉ったことがあります。
株価だけを見て、景気を判断してはいけないということです。
もし株式市場が今、これからの景気後退を織り込んでいるとすれば、
株価がこれから大きく上昇する可能性は十分にあるでしょう。
消費者態度指数は、
まさにそれを示しているのです。
もちろん短期的に株価が下がることもありえますし、
一直線に株価が上昇していくと言っているわけではありません。
しかし投資家は株式への適正な配分を維持し、
すでに現れている多くのチャンスを積極的に活用すべきだということです。
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