資産形成プランを立てるコツ
2021年10月、私の同僚であるレベッカとその夫は家を売って新居を買い、アメリカ国内の半分にもなる距離を移動して引っ越しました。人生で最も多忙を極めた6週間だったと聞いています。
「家を売る」「新居を買う」「引っ越しをする」
どれか1つだけでも大変な作業だったでしょう。この3つを同時にこなすのは(さらに子育てとフルタイムの仕事も)きっと過酷なはずです。しかし、彼女たちは一度に1つのアクションを段階的に実行することで、すべて成功させることができました。
実は彼女のToDoリストには、大きな目標が3つだけあったわけではなく、何百もの小さな目標があったのです。
これらは優先順位、期日、場所など、あらゆるアイテム別に整理されていました(彼女はA型人間かもしれませんね)。毎日、そのToDoが「完了」する度にチェックマークを付けていました。これによって、大きな目標の達成がはるかに管理しやすく、現実的になったのです。そして、すべての人がこれと同じ戦略を人生の他の局面でも活用したほうが良いと私は思っています。
例えば、これからマラソンの練習をするのであれば、最初のステップを 「マラソンをする」にはしないでしょう。次のようなToDoリストになると思います。
1. トレーニングスケジュールを作成する。
2. 健康的な食事のレシピを保存する。
3. 新しいランニングシューズを買う。
4. ランニング用アプリをダウンロードする。
5. 自分に喝を入れてくれる友達を見つける。
6. スケジュールに沿ってトレーニングを開始する。
これは資産形成プランにも必要な、段階的なアプローチ方法です。
このように「ゆっくりと着実」なアプローチの方が「速くて軽率」なアプローチよりも、はるかに大きなリターンを得られると認識しておきましょう。これは非常に重要なことです。そしてこれは「複利成長」というものが前提にあるからです。投資リターンによって、積み立てた資金はこの図のように飛躍的に増えていくでしょう。
ここであなたに質問です。
あなたの大きな、そして長期的な目標は何でしょうか?
早期退職、別荘の購入、年に一度の大きな旅行などかもしれませんね。どんな目標であれ、それを達成するためのベストな方法は、小さなタスクを一つずつ「完了」させていくことです。これがあなたに資産形成プラン用のリスト作成をお勧めする理由です。
各アクションに、およその現実的な期限を設けることが大切です。そして、1つのアクションにくっ付いているサブアクションがある場合は、それも書きましょう。そうすれば、ほぼ毎日「完了」のチェックを入れることができるはずです。
大きな目標が「5,000万円の老後資金を貯める」ということであれば、以下のようなリストになるでしょう。
1. 毎月の支出と個人資産のリストを作成する。(1日目終了時)
2. 必要であれば、何を削減するか決める。(2日目終了時)
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細かく言葉にすることで、アクションがより整理されていきます。
そして、月末までにあなたはほとんどのアメリカ人よりも、ファイナンシャル・ウェルネス(金融の健康度)のためにより多くのアクションを実行していることでしょう。リストはまだまだ続きますが、それぞれのアクションは、あなたの「大きな目標」に明確につながるものでなければなりません。
何から始めればいいのかわからないという方のために、他の人たちが退職後の目標に向けて行っているアクションをご紹介します。
アクションにチェックマークを付けたり、色を付けたり、取り消し線を引いたりしても、そのアクションが見えるようにしておきましょう。
自分の進捗状況を把握できるから、です。毎日、自分の達成度を確認することができます(あるいは、それを見て「もっと頑張ろう!」という気持ちになるかもしれません)。「何かを成し遂げたいなら、忙しい人に任せなさい」と言われることがよくあります。
なぜなら、何かを達成すればするほど、他のことを達成する勢いがつくからです。
やるべきことを先延ばしにすることは、精神的にも感情的にも重荷となります。さらに、経済的な面で大きな代償(お金)を伴います。早く行動すれば、投資金額は増え、貯蓄も増えていくでしょう。
貯蓄が増えれば、大きな目標を早く達成することができます。準備ができたら、この2つの大切なことを忘れないようにしてください。
1つ目は、必ず小さな勝利を祝うことです。
多くの人が怖くてできないようなアクションを実行している自分を誇りに思ってください。小さな一歩が、あなたの心の重荷を軽くしてくれます。
2つ目は、自分に優しくすることです。
現実的に考えれば、自分で決めた期限をすべて守れるわけではありません。挫折、緊急事態、修正といったこともあるでしょう。そんな時は、小さな目標を見直し、それが大きな目標にどのように影響するか(もしあれば)見極めましょう。
退職などの大きな目標に向けて計画し始めるのに、早過ぎるということはありません。将来の安心を手に入れられるように、今のうちに準備しておきましょう。
マシュー
~編集部コメント~
資産形成プランのステップ1はこちらから始めてみてもいいかもしれません。