「打たないシュートは100％外れる」

20年前。

あるコメディアンが観客に向かって「スポーツオタクの定義は何か？」と聞いているのを見ました。

そのオチは「ウェイン・グレツキー*以外のホッケー選手の名前を言える人」というものでした。
*アイスホッケーの神様と呼ばれるカナダ出身選手

ホッケーの長年のファンであれば嘲笑するかもしれません。しかし、ホッケーにとっての「ザ・グレートワン*」というのは、レゲエにとってのボブ・マーリーのようなものです。
*ウェイン・グレツキーの愛称

グレツキーは21年間で894ゴール、1,963アシストを記録しました。アシスト数だけでも、歴代選手の総ポイント数（ゴールとアシストを合わせた数）以上です。

どうやってこの偉業を成し遂げることができたのかと聞かれた彼は2つの答えを返します。これは今では名言となっています。

1. ゴールを100％外すのは、打たなかったシュートだけだ。
2. パック*が今ある場所ではなく、パックがこれからどこに行くかに焦点を合わせる。
*球技におけるボールに相当するアイスホッケーの試合球のこと

この言葉には、投資家にとって重要な知恵がつまっています。

打たないシュートは100％外れるように…勝ち組になるような株も、当然ですが買わなければ100%当たりません。

アップル（Nasdaq: AAPL）、アマゾン（Nasdaq: AMZN）、ネットフリックス（Nasdaq: NFLX）、テスラ（Nasdaq: TSLA）といった銘柄が100倍以上に値上がりするのを見ておきながら、どれほどの投資家が「投資をするタイミングが来た！」と一度も思わなかったのでしょうか？

彼らは、密かにシュートを100％外していたのです。

パックがこれからどこに行くかに焦点を合わせるのではなく、パックが今ある場所に焦点を合わせることを、投資の世界では「パフォーマンスを追いかける」と言います。

23年前、投資家はドットコム銘柄を追いかけていました。そしてそれは暴落し、彼らは多くの資金を失ったのです。

その10年後に起こった不動産市場のバブル崩壊も同じです。

暗号資産の投機家（私は彼らを「投資家」と呼びません）は、ビットコインや他のデジタル通貨を高値圏に追いやりました。今、多くの人が大きな損失を抱えています。

1年前、投資家は”破壊的イノベーションをもたらすハイテク企業”に魅了されましたが、それは決算発表前であるばかりでなく、収益を生み出す前でもありました。

結果、そのような企業に投資する資産運用会社であるアーク・イノベーションETF（NYSE: ARKK）は、今年に入ってから3分の1近く下がり、この9か月で価値は半分ほどになってしまいました。

これらの投資家は、グレツキーの賢明なアドバイスを無視したということです。彼らはパックの行く先ではなく、パックのある場所に焦点を合わせていたのです。

これは投資家にとって永遠の課題です。

例えば今日、ほとんどの投資家は、ここ数か月で市場をアウトパフォームした少数の「バリュー株」を追いかけています。

たしかに、ここにはまだ多少の上昇余地があります。

しかし、私が1年以上前に推奨したバリュー株は、今では大きく上昇しています。

私は”人気があるから”という理由ではなく、”人気がなくなったから”という理由で推奨したのです。

もしあなたもグレツキーの賢明なアドバイスに従った投資をしたいなら、市場で今最も有望で割安なセクターの一つ、小型の医療技術に数ドル投資しておくのが１つでしょう。

この先、大きなリターンが期待できる理由が3つあります。

一方で医療分野を含む小型ハイテク株は、不人気かつ過小評価され、安値がつけられたままです。そこに大きなチャンスがあるのです。

さて、最後に…

今、ウェイン・グレツキーはあなたに何を語りかけるでしょうか？

おそらくこのように尋ねるでしょう。

「Will you take the shot?」（あなたはシュートを打ちますか？）」

良い投資を。

アレックス

PS
Oxford キャピタル・レターでは、私がオススメする「医療技術でイノベーションを起こそうとしている銘柄」を紹介しています。

→こちら