歴史に学ぶ。長期投資が有意な理由
今年の1 -3月期は、投資家にとって厳しいものとなりました。
インフレ率は上昇し、株価と債券価格は下落しています。米連邦準備制度理事会(FRB)は超金融緩和策を終了し、パンデミックは依然として労働やグローバルサプライチェーンに悪影響を及ぼしています。
そしてウクライナでは戦争が勃発しています。
確かに異常な年だと言えますが、歴史を学んでいる人なら、このような状況がそれほど珍しいことではないと気づいているはずです。
世界には常に悪いニュースで溢れていますが、それが過ぎ去ると、我々はすぐに忘れてしまうのです。
『サイコロジー・オブ・マネー:一生お金に困らない「富」のマインドセット』の中で著者のモーガン・ハウセル氏は、過去170年の間に、次のようなことがあったと指摘しています。
- 130万人の米国人が9つの大きな戦争で死亡した。
- 設立された企業のおよそ99.9%が倒産した。
- 4人の米国大統領が暗殺された。
- インフルエンザの大流行により、1年間で67万5,000人の米国人が死亡した。
- 30の自然災害でそれぞれ少なくとも400人の米国人が犠牲になった。
- 33の不況が累積48年続いた。
- 株式市場は少なくとも102回、直近の高値から10%以上下落した。
- 株式は少なくとも12回、その価値の3分の1を失った。
- 年間インフレ率は20年にわたり7%を超えた。
それでも人生は続き、我々の生活水準はこの170年間で20倍にもなりました。
このような混乱の中で、株式投資家が規律を守り続けることは容易ではありません。ですがそれは非常に重要なことなのです。
見通しが悪いときに売りに走るのは、困難な時期には安全な戦略のように思われます。
しかしそうではありません。
過去にそのようにしてうまくいかなかったし、今後もうまくいきそうにないのです。
過去200年の相場を振り返ってみると、そのすべてが買い場であったことは明らかです。
しかし市場が大きな打撃を受けると、人々は感情的になり、何かしなければという気持ちが強くなるのです。
そしてよほど強い逆張り本能がない限り、その「何か」が間違っていることが多いのです。
下落市場は、一般に予期せぬ出来事によって引き起こされます。
1990年のサダム・フセインのクウェート侵攻、2001年の米国同時多発テロ事件、2008年のベアー・スターンズとリーマン・ブラザーズの破綻、2年前に始まった世界的なパンデミック、今年のロシアのウクライナ侵攻などを考えてください。
どれも青天の霹靂のような出来事だったのです。
投資に関するアドバイスの多くは、投資家が「何をすべきか」ということに焦点が当てられています。
しかし恐怖を感じるわずかな間に「何をしないか」が絶対的に重要なのです。
ウォーレン・バフェット氏が指摘するように、投資家に最も重要な資質は「知性」ではなく「気質」です。
株式市場に関して言えば、不安定な天才よりも、冷静で計画的な常識人である方が良いのです。
特にその良識が歴史的な視点に基づくものであればなおさらです。
悪いことは上記に記したように、散発的かつ突然起こります。しかし良いことは定期的に起こり、概して時間がかかるのです。
株式の保有期間リターン は、驚くほど一貫しています。
歴史的に見ると、米国株式市場で儲かる確率は、1日では五分五分、1年では68%、10年では88%、20年では100%です。
2022年1 -3月期のように、株価が低迷したときにはこのことを思い出してください。
歴史は、長期的に普通株式の分散ポートフォリオを上回るものは何もないことを明確に示しています。
より良いのは、稀に見る優れた銘柄を集めた分散型ポートフォリオなのです。
良い投資を。
アレックス
PS
私が思う最高の分散型ポートフォリオは、これです。