なぜこのインフレがチャンスに変わるのか?
1970年代、人々の間に“ある恐怖”が広がっていました。
それは、人口が急激に増えていることに対してです。
なぜ、恐怖だったかと言うと、1968年にスタンフォード大学のポール・エーリック教授とその妻アンが執筆した「人口爆弾(原題:The Population Bomb)」という本の内容にこう書いてあったからです。
「将来的に世界の人口が制御不能となり、何億人もの人が餓死する。さらに、この事態を食い止める手段はない」
この本は、1970年代、世界の人々が人口増加による将来への不安からパニックに陥る状況と、それを受けて1980年に中国が打ち出した悪名高い一人っ子政策にも言及しています。
そして、この本がもたらした恐怖心は、2022年という近未来を舞台にした「ソイレント・グリーン」など、当時のSF作品にも影響を及ぼしました。
さて、実際2022年を迎えた私たちは止まらない人口増加に恐怖を感じているかというと…
おそらく、そんなことはないと思います。
では、現在の私たち、特に投資家が1番恐れるものは何でしょうか?
ウォール街から迫る恐怖
投資家、そして消費者を恐怖に陥れるもの。
それは、インフレ(物価が上がり続ける状態)です。
インフレは塩のようなものです。
味付けに適量の塩があると美味しいですが、過剰になると食べられたものではありません。
同じように、経済を活性化するには、少々のインフレは必要ですが、過剰になれば悪影響が出てきます。
昨年12月、米国の年間インフレ率は7%に加速しました。
これは過去20年で最も高い数値です。
それに加え、1982年6月以来の高水準でもありました。
これらを踏まえれば、経済情勢が過度な塩漬け、つまりインフレが過熱していることは明白です。
なので、本当に問題なのはインフレが過熱しているかどうかという、わかりきったことではありません。
インフレの度合いが、我々の許容できる範囲かどうかなのです。
現在のインフレの進行は、新型コロナウイルス感染症によって引き起こされています。
あなたもご存知のように、このパンデミックによって、国やそれぞれの都市は連鎖的な閉鎖を余儀なくされました。
工場は閉鎖され…企業は休業し…人々は外出を控える…
そう、世界は物理的に動きを止めてしまったのです。
一方デジタルな世界は加速し発展を続けました。
食事や食料品、日用品の買い物は通信販売などのオンラインへと移行し、
ビジネスミーティングはSkypeやZoomを使って行われるようになります。
ここで考えないといけないのは、世界が物理的に閉鎖されている中でも、食事や商品の注文は変わらずにされ続けているということです。
その結果どうなるかと言うと、工場が再開したとき大量の受注残を抱えることになってしまったのです。
それが、短期間の休止期間だったとしても関係がありません。
サプライチェーン(物流の流れ)は、この需要に追いつけていけず、さらにはその赤字体質から抜け出すこともできていません。
こうして、あらゆるものが値上がりしているのです。
しかし、これはいつまでも続くわけではありません。
コモディティ市場(商品市場)で言われているように、「物価高の唯一の特効薬は物価高」なのです。
モノはどれだけあればいいのか?
私たちは、かつてないほど多くの「モノ」を買っています。
私たちはコロナ禍において、
なので、時間はその分「買い物」へと使われました。
コロナ禍が始まって1年余り経った2021年3月と4月のピーク
これは、
これが原因でサプライチェーンによる流通が需要に追いつかず、
そして、インフレの引き金となったのです。
一方、外出制限などの影響で、
サービス業関連の支出はまだ完全に回復していません。
しかし今、ある変化が起きています。
これは、消費者や投資家にとって良い知らせとなるでしょう。
先ほどのグラフを見てみてください。
モノを買うことにお金をどんどんつぎ込む傾向が弱まりつつあるこ
そして同時に、サービス関連への支出もゆっくりではありますが、
消費者たちはモノを十分に持っていることに気づくのと同時に、
買い物をし続けた疲労が出始めたのでしょう。
そして今、人々が求めるものは「モノ」ではなくなりました。
それは「経験や記憶・思い出に残るもの」、つまり「サービス」
これは、消費者、投資家、
しかし、「商品の価格が下がり出す」ということではありません。
価格を下げたいと思う企業はほとんどありませんからね。
しかし、「インフレは今後も続き、
それは単に恐怖心を煽っていることが多いです。
このインフレはいずれ沈静化するでしょう。
そしてそれは、
ハイリターンを願って。
マシュー
~編集部コメント~
インフレの後に起こる、市場の上昇。
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