最高の投資リターンを得るのは、必ずしも頭の良い人や知識の豊富な人ではないと以前述べました。
それを得るのは、知恵と経験が最もある人たちなのです。
私は35年以上にわたり、世界の優れた投資家たちを研究してきました。彼らはさまざまな方法で成功を収めていますが、同じような基本原則に則っている傾向があります。
ここではその5つをご紹介します。
その1:並外れたリスクではなく、賢いリスクを取る
リスクとリターンは密接に関係しています。非常に低い(または非常に少ない)リスクを取れば、リターンも低くなります。しかし並外れたリターンを得るためには、並外れたリスクを取らないことが重要です(ドージコインの投資家の方はご注意ください。)並外れたリスクとは、オプション、先物、ペニーストック、暗号資産などで、すぐにポートフォリオを崩壊させてしまいます。一方並外れたリターンは、実績のある原則や戦略を一貫して適用した結果です。世界で最も裕福な人たちは、他の人よりも長く一生懸命働いているわけではありません。長い時間をかけて高い確率で複利効果を発揮していて、イーロン・マスク、ジェフ・ベゾス、ビル・ゲイツ、そしてもちろん、ウォーレン・バフェットもそのようにして富を得たのです。
その2:コストを抑える
人生のほとんどにおいて、支払った対価のものを得ることができます。ですが投資の世界では、お金を払わないで得られるものがあります。もしあなたがポートフォリオに手数料、管理費、ラップ手数料、信託報酬、販売手数料、解約違約金などを支払っていると、あなたの現実のリターンはそれだけ減ってしまいます。管理手数料は何年も前から下がっていて、ほとんどのディスカウントブローカーでは取引コストがゼロになっています。しかしウォール街では、不用心な投資家に向けて隠れた料金や手数料を含んだ商品がまだたくさん売られているので、それらの商品には気を付けましょう。ファイナンシャル・アドバイザーが金持ちになることが目的ではなく、あなたがそうなるのです。
その3:失敗や損失に備える
過去19か月間、市場はほぼ一直線に上昇してきました。また過去12年間では5倍以上に上昇しています。これは例外であって、一般的なことではありません。つまり予測できないことが起こるのです。優れた投資家はこのことを知っており、予想外の事態に備えています。市場が好調なときでも、うまくいかないアイデアはあるものです。ミューチュアル・ファンドの巨匠ピーター・リンチは、「学校ではAとBの成績が多くても、株式市場では多くの落第点を取ることになる。そして10回のうち6、7回が正しければ、あなたは非常に優秀だ」と述べています。
その4:知的に型破りである
優れた投資家は従来の常識に疑問を投げかけたり、逆らったりすることを恐れません。彼らは一般的なシナリオを気にしないからです。他人が自分に賛成しようが反対しようが問題視しません。そして合理的でない、厳密でない、客観的でない考え方をする人の誤解や間違いから利益を得るのです。優れた投資家の多くは、アスペルガーのように市場の変動から感情を切り離しています。他の人が熱心に購入しているときには、彼らに売却することで満足していて、また他の人が落胆して売却しているときには、喜んで買値を提示するのです。
その5:経済学者ケインズが言うところの「世間の常識」を求めている
バランスシートや決算発表を調べれば、最高の投資アイデアが得られると思うかもしれません。そうする人もいますが、優れた投資家とは、心理学、歴史、地理、経済学、科学、哲学、政治など、自分が有利になりそうなものは何でも検討するという特異な存在なのです。バフェットのパートナーであるチャーリー・マンガーは、「何がうまくいって何がうまくいかないか、その理由を観察する」と言っています。つまり優れた投資家は、成功の確率を最大限に高めるために、意識的かつ一貫してあらゆる優位性を求めているということです。
良い投資を。
アレックス
関連