投資情報

悪い先入観があなたのリターンを減らす

私たちは自分が合理的で客観的であると考えたがっています。
そしてほとんどの点で、そうであると言えるでしょう。

例えばガソリンの残量を確認せずに長距離ドライブに出かけるのがまずいことも、電気代を払わないと電気がつかなくなることも予測できます。

しかし私たちは常に100%客観的なわけではありません。私たちの行動や意見には、さまざまなバイアスがかかっています。

そういった先入観は投資の分野でも私たちを苦しめ、経済的目標を達成する妨げとなります。

リターンを増やしたいと思うならば、以下の3つの一般的なバイアスをチェックしてみてください。

 

1.直近効果(直近バイアス)


投資家は市場で最近起こったことが今後も続くと考える傾向があります。

これは短期的なトレンド・フォロワーにとっては有益です(昔から「トレンドは友達」と言われています。)

しかし市場が上昇しているからといって、このまま上昇し続けると考えるのは間違いです。また下降トレンドであれば下降し続けると考えるのも間違いです。

投資家は市場の天井では楽観視しすぎて、市場の底辺では怖がりすぎる傾向があります。

重要なのは、市場は何の前触れもなく突然方向転換する可能性があることを認識することです。

去年の第1四半期(1 – 3月期)を思い出してください。株式はあっという間に価値の3分の1を失いました。

その後、ほとんど唐突に1年半続いている株価の上昇が始まり、市場は2倍になりました。

賢い投資家は逆張りのアプローチをとります。市場が最高値を更新すると株式へのポジションを減らし、最安値を更新するとポジションを増やすのです。

これは戦術的資産分配と呼ばれていて、成功への強い味方となってくれるのです。

 

2.政治的バイアス


大人になる頃にはほとんどの人がかなり強い政治的意見を持っています。これらの意見は、将来に対する私たちの期待を形成するのに役立ちます。

しかし自分の政治的信念によって投資ポートフォリオを左右するのは間違いです。

保守派の友人には、オバマ氏とバイデン氏が当選したときに株を買わないように言いました。

また進歩的な友人には、ドナルド・トランプ氏が当選したときに市場に手を出さないように忠告しました。

しかし多くの人々はこれが難しいと感じています。

例えばニューヨーク・タイムズ紙のコラムニストであるポール・クルーグマン氏は、2016年にドナルド・トランプ氏が当選したら金融危機が起こると予測し、選挙の夜にこんな投稿をしていました。

今や本当にドナルド・J・トランプ大統領のように市場は急落しています。いつになったら回復するのでしょうか?一番の答えは、「回復しない」のです。恐らく、終わりの見えない世界的な不況になると思われます。

これはまるでノーベル賞を受賞した経済学者というよりも、バーの端っこで愚痴をこぼしている人のようです。

誤解しないでください。貿易政策、規制、税金、政府支出、新法案などは、経済成長、消費者心理、企業投資、企業利益、そして最終的には株価に影響を与えます。

しかしビジネスは政治に勝るのです。

歴史的に見て、市場は民主党政権下でも共和党政権下でもうまくいっています。どちらの政権下でも投資を続けるべきなのです。

 

3. ネガティブバイアス


これは最も強力で、投資家にとって最も有害なバイアスです。

私たちは毎日毎秒、脳が処理しきれないほどのデータを取り込んでいます。

生きること以上に重要なことはないため、脳の早期警戒システムである扁桃体は自分に害を及ぼす可能性のあるものを優先づけるのです。

研究によると、私たちはポジティブなニュースよりもネガティブなニュースに10倍も注意を払うそうです。

そして企業メディアはそれを知っています。

新聞やケーブルテレビのニュース番組、ウェブサイト、ブログなどでは、ネガティブな記事とポジティブな記事の比率が17対1となっています。

このようなストーリーは、他の人に見られたり共有されたりする可能性がはるかに高いのです。そして視聴者が増えれば広告費も増え、利益も大きくなることを意味します。

その結果メディアは人々を不安にさせ、怒らせ、恐れさせることに成功しています。

これが市場のリスクとチャンスの評価にどう役立つのかと言えば、役に立ちません。

それどころかむしろ有害です。

しかし人間の創意工夫や技術革新、資本市場は、長い時間をかけて巨大な進歩を生み出し、私たちの寿命を伸ばし、生活水準を向上させています。

ほとんどの場所で、ほとんどの人にとって、ほとんどの方法で状況は良くなっています。

もちろんすべての人にとって、すべての場所で、すべての方法で物事が良くなっているということではありません。

それは進歩ではなく、奇跡のようなものです。

例えばベネズエラ、ハイチ、アフガニスタンのほとんどの人々にとって、状況は良くなっていません。

しかし一般的に言えば、世界中の人々はかつてないほど長く、安全で、豊かで、自由な生活を送っています。

新聞の見出しに踊らされてはいけません。

多くのポジティブな要素を認識し、自分のバイアスを抑えることができれば、あなたの投資ポートフォリオだけでなく、精神衛生上のメリットにもなるでしょう。

良い投資を。

アレックス

Alexander Green(アレクサンダー・グリーン)

Oxford Club チーフ・インベストメント・ストラテジスト。金融・投資関係の4冊のベストセラーの著者で、40年のキャリアがある。米国で金融・投資のニュースレターであるOxfordキャピタル・レターを20年以上執筆しており、ハルバート・ファイナンシャル・ダイジェスト社はこのニュースレターをここ10年以上もの間、最もパフォーマンスの高い投資ニュースレター・ベストテンに選出している。 アレックスの記事一覧 ≫

関連する記事

Back to top button