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大成功する投資家の7つの習慣

以前、私は作家ジェームズ・クリアー氏の「人の習慣や癖は、後々その人の人生に反映される」という考えを支持しているとお伝えしました。

知識は日々の学習の、健康は日々の食生活や運動の、そして資産は日々の貯蓄と投資習慣の積み重ねです。

適切な経済的習慣を身につければ、順調に大きな富を築くことができるでしょう。

2019年末、スペクトレム・グループの調査により、アメリカの富裕層数が11年連続で増加したことが明らかになりました。

純資産100万ドルを超える米国内世帯数が、過去最高となったのです。

2019年の株式、債券、住宅市場のパフォーマンスを考慮すると、2020年には記録を更新する可能性が高そうです。

もちろん、自宅のガレージからコンピューター会社を立ち上げたり、プラチナ・レコード賞を受賞したり、ヤンキースの三塁手になったりして億万長者になった人はわずかです。

しかし、大多数の億万長者が驚くほど似たような道を辿ってきています。つまり、適切な経済的習慣を身につけ、数年どころか「何十年も」それを遵守しているのです。

それらの習慣を、大ベストセラー作家のスティーブン・R・コヴィー氏の「7つの習慣」にちなんで「大成功する投資家の7つの習慣」と名付けました。

ここで、「大成功する投資家の7つの習慣」をご紹介しましょう。

その1:身の丈に合った生活をする 

投資を始めるには資金が必要です。相続、婚姻、宝くじに当たるなどの幸運に恵まれて資金を得る人はごく少数派です。収入を最大限にすべく、教育や仕事で通用するスキルを強化しましょう。そして、支出が手取り収入を超えぬよう節約し、最低でもその10%を貯金しましょう。それ以上の蓄えが出来たらなお良いです。

その2:賃貸ではなく持ち家を所有する

新しく生活を始めたばかりの方、まだ勤めたばかりでローンを組めない方、頭金がない方、仕事の関係で頻繁に転勤がある方にはなかなか難しい話だと思います。しかし、十分にローンが組める方なら特に、持ち家を所有する方が大家さんの懐を潤すよりずっと良いでしょう。賃貸暮らしが長くなると、結局、家一軒分買えるほどの家賃を払っていた。なんてことにもなりかねません。

その3:計算した上でリスクを取る 

汗水たらして稼ぎ、納税し、節約して貯めたお金を、損失リスクに晒して投資するのは度胸がいることです。しかし、定期預金や国債のような超安全な投資では、物価の上昇(インフレ)にすら追いつけません。一方、大きくリターンを狙った投資をする場合、その資産の価値は変動します。時には乱高下し、全く予想外のタイミングで変動する可能性もあります。しかし市場の値動きは、単純に株式市場への入場料のようなものと捉え、慣れましょう。

その4:資産配分をする

資産配分とは、ポートフォリオを株式、債券、現金に分散投資することです。株式においては、大型株や小型株、成長株や割安株、米国外企業や米国内企業などでポートフォリオに幅を持たせます。債券においては、ハイグレード債、ハイイールド債、国物価連動国債(TIPS)などに分散投資しましょう

その5:自制心を持つ

気まぐれや感情に流されて売買しても成功しません。購入前に、その銘柄が主要な基準を満たしているか確認してください。その基準とは、売上・収益の成長性、自己資本利益率(ROE)、製品の革新性、経営陣の質、自社株買いなどです。厳格な売却ルールは、インデックスファンドの場合は年1回のリバランス、個別株の場合はトレーリングストップなど多岐に及びます。こういったルールをしっかり守れば、リスクを軽減し、リターンを増やすことが可能です。

その6:投資コストに目を光らせる

ここでのゴールは、投資アドバイザーが豊かになることではなく、あなたが豊かになることです。幸運にも、投資信託手数料はここ数年下降を続け、過去最低水準まで下がってきました。手数料がゼロに近いインデックス連動型のノーロードのものも増えてきました。喜ばしいことです。

その7:ポートフォリオの税金対策をする 

国が用意した節税(注:iDeCoやNISAなど)を活用してください。確定申告で払い過ぎた税金を取り戻すことができるなら、そうしましょう。またその他にも、頻繁に売買するのではなく、個別銘柄を購入して長期保有することで節税効果が期待できます。例えば、売却しない株式はキャピタルゲイン税の対象にはなりません。また、インデックスファンドを保有する、キャピタルゲインを出来る限りキャピタルロスで相殺する、などの方法で節税効果をあげましょう。

投資の成功は、そんなに簡単で単純に掴めるものでしょうか?

はい、とも、いいえとも答えられます。原則自体は分かりやすいものです。しかし、皆さまの質問にお答えし、詳細をお話ししようとすれば、何時間も、いや、何週間、何か月もかかるほど、奥が深いのです。

第一に、よい経済的習慣がもたらす効果を理解してください。第二に、それに従ってください。第三に、市場が荒れてもその習慣を継続してください。市場は時々荒れるものですから。

くれぐれも、身の丈に合った暮らしをしてくださいね。

もちろん完璧な節約家など存在しません。予想外の出費や一時的な緊急事態、そして時には贅沢をすることもあるでしょう。肝心なのはバランスを保つことです。

そうでないと、退屈な人生になってしまいます。(すべての資金を退職後の備えのために預金するのは、老後のために性生活を取っておくようなもの、あまり意味がありません。)

同様に、完璧な投資家も存在しません。

40年近い投資経験がありながら、皆さん同様、私にも買っておけばよかった、売っておけばよかった、買わなければよかった、と後悔する銘柄があります。

常に、すべてを、正しく行う必要はないのです。しかし肝心なところは常に抑えておく必要があります。

ですから、定期的に貯金しましょう。資産を築きましょう。リスク管理をしましょう。資産配分をしましょう。自制心を持ちましょう。そして、経費と税金に目を光らせておきましょう。

これらの習慣を続けていれば、やがて投資で成功するでしょう。

良い投資を。

アレックス

Alexander Green(アレクサンダー・グリーン)

Oxford Club チーフ・インベストメント・ストラテジスト。金融・投資関係の4冊のベストセラーの著者で、40年のキャリアがある。米国で金融・投資のニュースレターであるOxfordキャピタル・レターを20年以上執筆しており、ハルバート・ファイナンシャル・ダイジェスト社はこのニュースレターをここ10年以上もの間、最もパフォーマンスの高い投資ニュースレター・ベストテンに選出している。 アレックスの記事一覧 ≫

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