成長株に投資して資金を10倍にする方法
2021年5月6日までの10年間の株価推移を見てみると、Appleの株は10.4倍に、Facebookは11倍に。Amazonはなんと25.8倍に成長した。このように、10倍に成長する株を、成長株投資の権威として知られるピーター・リンチは「テンバガー(Ten-Bagger)」と名付けた。
「明日のApple」「明日のAmazon」となりえる成長株をあらかじめ発見し早めに仕込んでおくことができれば、投資資金は10倍以上に増えることが期待できる。
以下のレポートは、Oxford Clubのチーフ・インベストメント・ストラテジスト アレックス・グリーンのレポートだ。アレックスは、Appleの株が18セントの時、Netflixの株が1.62ドルの時にこの2つの企業に個人的に投資をしてきた銘柄分析のエキスパートだ。現在彼が分析したテンバガー株は、Oxfordキャピタル・レターの中のテンバガー・ポートフォリオで知ることができる。
From アレクサンダー・グリーン
莫大な収益を得るには、特定のタイプの株式に投資することになる。それが、株価10倍以上になる可能性のある「テンバガー」と呼ばれる株だ。
私の研究チームと私は、過去数十年にわたってテンバガーを詳しく調べてきた。株価が10倍にも上昇するのはマレだと思うかもしれない。しかし実際には、ほとんどの投資家が認識しているよりもはるかに一般的に起こることである。
例えばマスターカード (NYSE: MA)。同社の株価はリーマンショック後の落ち込んだ株価から25倍以上になっている(2021.5.6現在)。同期間「モンスター・エナジー」などの有名なドリンクを販売するモンスター・ビバレッジ(ナスダック: MNST)も18倍。アマゾン (Nasdaq: AMZN)は76倍で、ネットフリックス (Nasdaq: NFLX)はなんと148倍以上だ。
ただこれらの企業に今、投資して近い将来このような収益が期待できる可能性は低い。すでに株価が高くなり過ぎているからだ。
しかし、同じことが期待できる企業はたくさんある。
これらの企業の中には、まだ有名ではないものもあるが、彼らは大ヒット商品を持っている。つまりあとは投資家が彼らを発見すれば、投資が集まり株価が上がる。
そこで私が作ったのがOxfordテンバガー・ポートフォリオだ。
投資資金の10倍、またはそれ以上の値上がりを狙っていくポートフォリオで、Oxford資産形成ピラミッド®︎における「積極的投資」の位置付けとなる。Oxfordバケーション・ポートフォリオやOxfordトレーディング・ポートフォリオに比べ少しリスクが高いが、その分高いリターンが期待できるポートフォリオだ。
私はテンバガーを発見するための現実的なプロセスがあると確信している。そのプロセスによって厳選された企業は、マスターカードやネットフリックスのように10倍以上に成長する可能性を秘めている。
テンバガー株7つの条件
フィデリティ・マゼラン・ファンドのマネジャー、ピーター・リンチは、1977年から1990年まで、ミューチャル・ファンド(投資信託)のマネジャーとしてはこれまでの中で最も素晴らしいマネージャーである。
在任期間中、ファンドの資産は1800万ドルから190億ドル以上に増加した。このファンドは年間29.2%の複利成長を達成しており、業界では依然として他に類を見ない。
リンチのすばらしい秘密は何だったであろうか?彼は成功する成長株、特にハイパーグロース株を見つけ出すことに長けていた。
彼の著書「One Up on Wall Street (邦題:ピーター・リンチの株で勝つ)」の中で、リンチはテンバガーという造語を見出した。そしてファンドマネージャー時代には、そのような株に多く投資した。
そしてここからが重要なことなのだが、これらの企業は経営者も違えば業界も違う、全く異なる企業であったが、多くの企業には劇的な株価上昇の前後に共通する特徴をいくつか持っていた。
私たちはこれらの特徴を分析し、7つの条件にまとめた。これは同時に、私たちがテンバガー株を発掘するときのチェックリストでもある。
これがその7つの条件である。
1. 革新的な企業である。
10倍以上に成長する企業は、革新的な技術、新しい医療機器、大ヒット製薬、その他の最先端の製品やサービスを提供する。たとえば過去10年間、投資家はテスラ・モーターズ(Nasdaq: TSLA)が電気自動車、Appleが最先端のエレクトロニクス、そしてAmazonの画期的なEコマース・プラットフォームとワンクリック発注システムに驚いた。
2. 大幅な売上成長をしている。
注視すべきは、利益成長ではなく「売上成長」だということである。業績の良い企業の多くは、上昇の初期の段階では利益を上げていない。しかし、たとえ損失を出していたとしても、通常は30%以上の売上成長を経験している。
3. 利益を保護している。
売上の急成長は、それを見て参入しようと考える競合を引き寄せる。ハチミツがクマを引き寄せるのと同じだ。そうなったときでも彼らはそのイノベーションを、特許、ブランド名、商標で保護することができなければならない。そうでなければ競合に市場シェアを奪われ、利益を押し下げることになる。
4. 市場の予想を上回る業績を達成する。
一部の投資家は、利益だけが株価を上昇させる要因だと考えている。これは超長期で見ると、大抵の場合正しい。しかし短期的には、市場の期待と比較してどうかが株価を決定する要因となる。たとえ会社が損失を出したとしても、損失が予想より小さければ、それは期待を上回ることになり、株価上昇をもたらす要因のひとつとなる。
5. 小型株から中型株の規模である。
過去数十年間で最もパフォーマンスの良い株の大半が小型株だったことは想像に固くない。シカゴの調査会社イボットソン・アソシエイツの調査によると、1926年から2016年にかけて大型株のグループに入る株にそれぞれ1ドルを投資しその配当を再投資した場合、それは5,200ドルを超える資産に成長した。もちろんこれは素晴らしい成績だ。しかし、小型株のグループに同じように投資した場合、同じ期間に25,100ドル以上に成長した。巨大企業は、小規模企業のような早いペースでは成長することができない。
6. あまり有名ではない。
その企業が世の中によく理解され、メディアや機関投資家からの注目を集めると、過小評価された株は買われ株価は上昇してしまう可能性が高くなる。過去を振り返ると、もてはやされた注目企業は最高のパフォーマンスを上げた企業ではない。その企業が広く知られるようになるころには、すでに株価が急上昇する期間は終わっているかもしれない。
7. その企業の経営陣等内部関係者による株式保有比率が高い。
当然のことだが、その企業の重役はあらゆる種類の重要な非公開情報にアクセスすることができるため、彼らはそれを元に同社の短期的な見通しを持つことができる。しかし、もし彼らがその企業の株を保有していなければ、彼らの言うことを信じてはいけない。あなたは「自分の作った料理を食べている」経営陣が経営する企業の株を保有すべきである。経営陣が株式を保有している場合、他の株主も恩恵を受けることを歴史が示している。
Oxfordテンバガー・ポートフォリオに入っているすべての企業が、この全ての条件を一律に満たしているわけではない。しかし全ての企業はほとんどの条件を満たしているし、いくつかの企業は全ての条件を満たしている。
テンバガー株はいつ売るか?(通常とは違う出口戦略)
我々のテンバガーの選定は、我々が一般的に推奨する企業とは質的に異なる。それらは小さく、時には収益性のない推奨銘柄である傾向があり、ほとんどの場合、より不安定である。
これには、別の販売規律を用いる必要がある。
売上を伸ばすためには、より大きなリスクを取る必要がある。これは、より大きなボラティリティ、つまりポジションを簡単に手放すことができる類を意味する。だから、われわれは、通常の25%のトレーリング・ストップをテンバガー・ポートフォリオでは使用しない。
その代わりに、企業が四半期ごとのコンセンサス売上高予想を25%以上下回った場合、あるいは、企業の業績見通しが根本的に悪化していると考えた場合には、売却の推奨が出されるだろう。
いずれにせよ、売却する場合はOxfordキャピタル・レターの中で紹介していく。
これらの株式は長期的に保有を意味し、他の銘柄よりも大きく変動することを理解すること。そのため、出口方針は株価の変動ではなく、各社の売上高と予想の比較の仕方に基づいている。
現在、ポートフォリオに組み入れられている推奨銘柄の要約を以下に示す。今後数ヶ月以内に、更なる提言を行っていきたいと思う。
まとめ
私たちのメンバーの中には、まだ投資を始めたばかりの人もいれば、大金持ちの人もいる。しかし、今日どんなレベルの投資でも…鍵はリスクをコントロールしながら利益を確保することだ。Oxfordテンバガー・ポートフォリオは、そのスタートを切るのに役立つ。
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